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海外滞在のためのお金の管理で円送金についてなのですが、
いくつか代行(?)会社のサイトを見ていると換金レートが5円くらい違うのですが、これは会社が指定しているレートということなのでしょうか?

例えば、ニュージーランドへの円送金の場合5/14現在で
1.イーストウインド は92.82円/ドル http://www.eastwind.co.nz/ew/finance/soukinjapan …

2.KVB は87.83円/ドル
http://www.linknz.com/money/

ということは、2.の会社を利用した方が得ということでしょうか?
1.の会社さんは、日本の口座に円振込みをする、
2.の会社さんは、海外の口座に円送金するという違いはあるようですが・・。
30~50万円くらいの換金の場合、他の方法も含めてお得な換金方法があれば教えてください。

A 回答 (3件)

 こんにちは、またまたお会いします。



 何度もで恐縮ですが、後からこの回答を読む方への参考も含めて為替用語の整理から始めたいと思います。
「銀行間取引レート」 文字通り外国為替市場で銀行間の取引に使われるレート。新聞やテレビで「午前の東京外国為替市場は1ドル=119円90銭から95銭で取り引きされています」と報じられているレートは特に断りのない限りこれ。
「公示仲値(TTM)」 銀行間取引レートは常に変動しているので窓口での取引基準に使うと煩雑となる。そこで金融機関は1日に1回「公示仲値」と呼ばれるレートを定め、その日の取引の基準レートに使う(1日数回の改定を行う銀行もある)。公示仲値は各金融機関が独立に決めるので必ずしも一致しないが、いずれも銀行間レートを参照しているので金融機関ごとのばらつきは0.1%や0.2%といった程度に収まる。
「対顧客電信売レート(TTS)」 外貨現金のやり取りを伴わずに、顧客が外貨を購入する場合に適用されるレート。具体的には外国送金、外貨預金、トラベラーズチェック発行などが該当する。
「クレジットカード会社が定める通貨間換算レート」 クレジットカードも国際間の決済を扱う関係上、通貨間の換算レートを毎日定める。こちらも外国為替市場の銀行間取引レートを参照して決められており、銀行間取引レートや公示仲値と同一視して差し支えない。
 TTMとTTSの差額(上乗せ分)を「為替手数料」と呼んでいます。為替手数料の額は通貨によって異なりますし、また金融機関によっても違ってきます。イーストウインドとKVBとで送金レートが異なるのはこの上乗せ幅が異なるからです。おっしゃるように「会社が(送金用として)指定しているレートが異なる」とも表現できます。

 レートの具体的比較に入りますが、その前に5月14日付として「リンクニュージー」のページに掲載されているKVB及び各行のレートについて補足します。
 5月14日の銀行間取引レートは1 ニュージーランドドル(以下NZD)=88円20銭~88円80銭くらいで推移しました。通常はこれを基準に上乗せ幅を比較すれば良いのですが、KVBのレートは1 NZD=87円83銭となっていて、上乗せどころかKVB側の持ち出しになっていて不合理です。また同時に示されている邦銀のレート(*1)は三井住友が89円75銭、みずほが89円77銭、三菱東京UFJが89円18銭となっています。三井住友とみずほのTTSは公示仲値+2円50銭、三菱東京UFJは公示仲値+2円ですので、それぞれを差し引くと87円25銭、87円27銭、87円18銭となります。しかしいずれも銀行間取引レートから1円近く円高側に振れていて辻褄が合いません。
 以上を考えると5月14日のレートとして「リンクニュージー」が発表している数字は誤記の可能性が高いです。仮に銀行間取引レートや公示仲値を87円20銭付近とすれば説明が付きます。この場合KVBの上乗せ幅は1 NZDあたり60銭程度(0.7%)と見積もられます。

 上乗せ幅だけ見れば確かにKVBは有利ですが、KVBでは資金を振り込むのに「円建てで国際送金」しなくてはならない点に注意が必要です。国際送金の手数料は国内送金に比べると相当に高く、大半の銀行で1回4,000円かそれ以上に設定されています。また国際送金では中継銀行や受取り側銀行がさらに手数料を差し引くこともあります。その額は典型的には千円~5千円くらいです。
 そして国際送金ではもう一つ注意があります。それは送金資金として持ち込む通貨と送金に使われる通貨が同一の場合、リフティングチャージと呼ばれる手数料がかかることです(*2)。日本の銀行に日本円を持参して、日本円建てで送金する場合がまさに該当します。日本円を持ち込んで外貨建てで送金する場合はかかりません。リフティングチャージの額は送金額の0.05%程度ですが最低手数料が決められていて、送金額が小さくても2千円~5千円程度徴収されます。
 KVBへの送金は円建てで行いますからリフティングチャージの対象です。送金手数料が4千円、中継銀行/受取り銀行手数料が2千円、リフティングチャージが4千円かかったとするとこれだけで1万円です。ですから金額が小さい時はKVBを利用せず、トラベラーズチェック(以下TC)や国際キャッシュカードを使った方が有利です。このことはKVBも認識しており、45万円以下(2003年6月時点)であればTCの方が有利と自社サイト[1]でも記しています。

 日本の銀行から現地の口座にNZD建てで直接送金した場合ですが、為替手数料が1 NZDあたり2円上乗せされる一方でリフティングチャージは免除されます。送金額がだいたい2,000 NZD以下であれば、KVBを使わずに自分で送金した方が有利ということになります。

 イーストウインドの方はKVBに比べると不利です。まずレートが銀行間取引レートに5円も上乗せされています。振込先は日本の銀行口座で足りますが、その振込手数料のほかにイーストウインド側の送金手数料を1回3千円上乗せしています。これならば日本の銀行から現地の自分の口座に送金した方がマシです。
 イーストウインドは「日本の外貨送金との比較」というページ[2]を設けて、自社の送金サービスが得であるように宣伝しています。確かに「着金後11日のうちの好きな時点で両替可」「中継銀行手数料や受取り銀行手数料はイーストウインド負担」という条件は有利です。しかし肝心の、レートの上乗せ分が1 NZDあたり5円と日本の銀行の送金レート(TTS)より2円50銭~3円悪いことは伏せています。そして「100万円を両替する場合」という試算では、比較例に「日本でNZD現金に両替」という非常にレートの悪い両替法(1 NZDあたり8~10円上乗せ)を持ち出して「イーストウインドがお得」と結論しています。
 比較するなら日本でのNZD現金への両替でなく、日本の銀行からの外貨送金を例に挙げるべきです。そしてそれよりイーストウインドは不利なのですが、それに気付かずに「自社が得」と宣伝するなら為替取引の知識がなさ過ぎますし、知っていて「自社が得」と宣伝するなら悪質です。私ならこの業者は避けます。

 他の方法ですがトラベラーズチェック(以下TC)、国際キャッシュカード、クレジットカードによるキャッシングなどが考えられます。
 TCですが、NZD建ては現在は発行されていませんので円建てを使うことになります。円建てTCの現地での換金レートは[3]などをご覧ください。Bank Buys Chequeの欄が円建てTCの買取レートで、5月15日ですと90円11銭→1 NZDです。この日の銀行間取引レートは88円80銭くらいですので1.4%がマージンとして上乗せされている計算になります。TCの発行手数料は1%(*3)、現地での換金手数料は1回 10 NZD程度です。
 国際キャッシュカードは一般に不利です。例えばNo. 1の答えにあるシティバンク銀行の国際キャッシュカード、確かに表立っての手数料はないのですが(*4)換算レートにはしっかりと手数料が含まれています。詳細は後の試算例で述べますが、現在の相場ですと公示仲値に3.8%(1 NZDあたり3円35銭ほど)の手数料が上乗せされたレートになります。他に新生銀行の国際キャッシュカードが「VISAインターナショナルが定めるレートに4%加算」、三井住友銀行が「VISAインターナショナルが定めるレートに3%と210円加算」なのは以前に回答申し上げた通りです。いずれも有利とは言い難く金額が30万円であれば全くお勧めしませんが、万一の備えとしてなら持っていれば安心です。
 キャッシングについても前回回答申し上げた通りで、レートは「クレジットカード会社が定める通貨間換算レート」ですので銀行間取引レートと同一視でき、利用日から引落し日の期間に応じて1.0~2.8%程度の利息を払います(ANA VISAの場合)。ただしキャッシングの枠は一般に小さくて月当たり10万円以下ということも珍しくありません。30万円や50万円となると全額をキャッシングで賄うのは難しくなります。

 送金ですがシティバンク銀行は他行より若干有利です。まず送金レートのTTSですが他行がTTMに2円~2円50銭上乗せなのに対し、シティバンク銀行は1円の上乗せです。また前々月の月間平均残高が100万円以上あると、海外送金の手数料が2,500円に割引かれます(インターネットからの送金ではさらに500円割引き)。
 シティバンク銀行の難点は、口座残高が一定基準を割ると口座維持手数料(月2,100円)を徴収されることですが、一定の残高を残しておけてかつ今後も頻繁に海外に行かれるなら付き合って悪くない銀行です。免除基準については[4]をご覧ください。
 シティバンク銀行のサービスとしてはTCの無料発行も有名で、外貨預金を無手数料でTCで払い出すこともできます。ただしNZDはTCの扱いそのものがありません。NZD外貨預金をTCで払い出すことも当然不可能です。

 このほかに、クレジットカード会社のJCBが提供している「送金名人」[5]というサービスも有利だったのですが、3月1日から受け付けを停止しているようです。

【試算例】
 銀行間取引レート/公示仲値/クレジットカード会社が定める通貨間換算レートの3つが揃って1 NZD=88円00銭のときに5,000 NZDを準備したとして、どのくらいの日本円を支払うか比較します。
(1)KVB
5,000×(88.00+0.60)+4,000+2,000+4,000 = 453,000円
*送金レートは銀行間取引レート+60銭とします。
*送金手数料4,000円、中継銀行/受取銀行手数料合計2,000円、リフティングチャージ4,000円とします。
(2)日本の銀行からNZD建てで送金
5,000×(88.00+2.00)+4,000+2,000 = 456,000円
*送金レートは公示仲値+2円とします。
*送金手数料4,000円、中継銀行/受取銀行手数料合計2,000円とします。リフティングチャージはかかりません。
(3)イーストウィンド
5,000×(88.00+5.00)+3,000 = 468,000円
*送金レートは銀行間取引レート+5円とします。
*送金手数料3,000円を加算します。中継銀行/受取銀行手数料はイーストウインド負担なので発生しません。
(4)トラベラーズチェック(日本円建て)
(5,000+10)×(88.00+1.30)×1.01 = 451,866円
*ニュージーランドの銀行での日本円建てTC買取レートを公示仲値+1円30銭と仮定
*同じく換金手数料を1回10 NZDとし、その分余分に準備
(5)国際クレジットカード(新生銀行)
5,000×88.00×1.04 = 457,600円
(6)国際クレジットカード(シティバンク銀行)
5,000×(88.00÷120.00)×121.00×1.03 = 456,977円
*いったん米ドルに換算し、米ドルのTTSで日本円に再換算する
*公示仲値で1米ドル=120円00銭とする(TTSなら121円00銭)
*手数料は3%上乗せ
(7)シティバンク銀行から送金
5,000×(88.00+1.00)+2,000+2,000 = 449,000円
*公示仲値からの上乗せは1 NZDあたり1円
*月間平均残高100万円以上で、インターネットからの送金を利用(手数料2,000円)
*中継銀行/受取銀行手数料合計を2,000円と仮定。リフティングチャージは不要

参考ページ
[1] https://www.kvbkunlun.com/WebSites/jp/soukin/how …
[2] http://www.eastwind.co.nz/ew/finance/kawaseratec …
[3] http://www.anz.com/nz/ratefee/forexchange.asp
[4] http://www.citibank.co.jp/ja/help/service_fees.h …
[5] http://www.jcb.co.jp/soukin_meijin/

*1 「リンクニュージー」のページでは邦銀のレートは「窓口の現金両替レート」と記されているが、数字を吟味すると明らかに誤り。正しくは「対顧客電信売レート(TTS)」と思われる。
*2 シティバンク銀行では、個人口座の顧客の送金はリフティングチャージ免除。ただし円建て送金は現地のシティバンク銀行宛てでないとできない。
*3 通信販売業者の「セシール」は日本円建てTCを手数料0.7%で発行していて多少有利。
*4 現地のATM設置者が別途手数料を課すことはある。
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この回答へのお礼

いつもご丁寧にありがとうございます。
円送金というものを最近知ったので大変勉強になりました。
今後参考にさせていただきます。
本当に有難うございました。

お礼日時:2007/05/16 13:29

僕も詳しくはないのですが、外貨受渡を使うとレートは有利になります。


問題はその出金がNZドルのままできるかですが(Citiだとできるのかな?)
詳しくは「外貨受渡」でぐぐってください。
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こんにちは。


ニュージーランドにもシティバンクってありますよね。きっと。
日本でシティバンクで口座を作って入金していればれば、現地でその日のシティバンクのレートでニュージーランドドルでお金をおろすことができます。昔そうやって使ってたのですが、確か手数料もいらなかったと思うんです。
送金ではないので手数料がかからなくてよいと思うのですが。
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