
世界初録音!マーラー:交響曲第10番
サマーレ&マッツーカ補筆完成版
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2707429
交響曲第10番が録音されるのは,
・下書き段階とはいえ,作品が素晴らしいから?
・晩年のマーラーの作品として重要だから?
・補筆の違いの聴き比べのため?
・これまでの補筆は完成度が低く,物足りないから?
私自身がこの曲を理解していないこともあって,
研究のためなのか,鑑賞のためなのかと,
こんな疑問をいろいろと考えてしまいます。
新録音や新しい補筆に,どんなことを期待されますか。
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
再びこんにちは。
前回の回答のあと,ラトル/BPOのCDの解説を読みながら聴いてみました。
(回答する前に聴け/読めって?^^;)
以下,質問者さまもお持ちのようなので余計なおせっかいかもしれませんが・・・。
クック曰く(適当に要約しています)
「この作品はたとえ未完成であっても音楽的にとても価値のあるものだと思い,一部の音楽学者だけの間に埋もれさせたくないと思った」
「この曲を完成させたと思っていない。完成させることができるのはマーラーだけである。」
曲の終結部の下書きにあるマーラーの言葉
「あなたのために生き,あなたのために死ぬ!」
私は音楽にそれ以外のモノを過剰に持ち込むことに対してはむしろ慎重派なのですが,この曲の場合は自分の心象と周辺情報がとても強く結びついたのでちょっと思い入れが強くなってしまったのかもしれません(笑)
*逆に言えば,他のマーラーの作品ほどには理屈抜きで純粋に好きとはいえないかも,ということでもあります。(そのあたりが「番外編」とさせていただいている理由です)
再度,ありがとうございます。
前の回答に書いていただいている
> 他人が作ったものだと思うと,どんな補筆版でも不満が出てきてしまう…
もし作曲者が生きていれば,その補筆で納得しているのだろうかと懐疑的に見てしまいます。
その意味で,書いていただいたクックの言葉は,いい言葉ですね。
No.2
- 回答日時:
こんにちは。
ラトルのクック版二種持っております。
作曲家自身が作ったものならば多少完成度が低くても(ぉぃ)納得するけれども,他人が作ったものだと思うと,どんな補筆版でも不満が出てきてしまうんだろうな,と思います。モーツアルトのレクイエムなんかもそうでしょうか。
マーラーの10番は「番外編として」ではありますが,好きな曲なので,クック版の(私が勝手に感じている)不自然さがどのくらい変わっているか興味はありますね。買うかどうかは分かりませんが。
個人的には現段階ではこちらに興味あります♪
ハーディング/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団(これはクック版ですが)
http://www.hmv.co.jp/product/detail/2667322
---(以下余談)---
たしか私が持っているCDのどっちかの解説にあったと思うのですが,大地の歌/9番/10番で三部作的な構想だったとのことです。まず「巨人」があって,2~4番の角笛交響曲三曲があって,5~7番の純器楽交響曲三曲があって,いったんの集大成として8番をぶち上げて,そのあとに続くものとして。
第9番が諦めのような慰めで終わっていて,それがマーラーの最後のメッセージと捉えられることが多いかと思いますが,実はそうではないのだ,と。
(それが事実かどうかは分かりませんけれども)
実際,第10番を聴いていると,第1楽章はドロドロした死後の世界的なイメージで,やっぱり10番は蛇足だったのではないか,とも感じますが,最終楽章(第5楽章)を聴くと,「あれ,9番のあとでもこんな優しい旋律が書けた(書きたかった)の?」という部分が出てきます。
ライナーノートによれば,これは妻アルマにあてたラブレター,とのことです。
(根拠としては,断片のあちこちにアルマへのメッセージが書き残されているらしいです)
ここからは(も?^^;)私の勝手な言い分ですが。
(現時点での私の10番への勝手な印象です)
世界は人間の魂を救うようにできている(=すなわち自分も救われることができる),というのが8番でのマーラーの描きたかった(キリスト教的な)世界観なのかな~,と勝手に思っているのですが,それは(私生活上の実体験として)破られ,大地の歌ではそもそも世界はそうしたものではないと受け入れようとしたがそれもできず,9番から10番前半くらいまでは混沌とした状況のように見えます。(9番の終楽章時点でも,生への憧れ・祈りはまだまだとても強いように個人的には感じます)
で,10番の最終楽章ですが,「マーラー個人がアルマへの愛によって救われる(救われたい)」という,あまりにも個人的な音楽なのかも,と感じています。
実際には,それもまたアルマの側からすでに半ば破られていたわけですが(たぶんマーラー自身も気づいていたはず),彼にとっては,その愛が報われるかどうかではなくて,自分が誰かを確かに愛していると信じること自体が,自分の心を支えるためには大切だったのかもな~,と,この楽章を聴くと,私はちょっぴり切なくなるのでした(^^;
以上,私にとっては10番は完成度に少々疑問のある骨組みだけの作品だとしても聴きたくなる音楽だ,という暑苦しい主張で失礼いたしました(汗)。
ありがとうございます。
第10番を第9番までの流れの続きとして捉えてられるのですね。
また,第10番が番外編として好きな曲であり,補筆の違いにも関心があるということで,
新ヴァージョンは気になる存在かもしれませんね。私は関心が低いですが,
出てしまったなら,どんなものか一度は聴いてみたいという気にはなります。
関心が低いというのは,第9番がたいへん好きで,私の頭の中では第9番で
完結してしまっているので,わずかなスケッチをもとに補筆までして完成させなくてもいい
という気持ちもあります。でも,回答に書いていただいたようなストーリー性を考えると,
第10番を見直してみるのもいいかもしれないと思いました。
ラトル&BPOの録音は終楽章のあと残り13分の辺りでラトルの?声が入りますね。
オーケストレーションが薄いので,かえって味があっていいかと思いました。
*
サン=サーンス オラトリオのお勧めありがとうございました。
いろんな要素があって何か不思議な曲ですね。
No.1
- 回答日時:
そうですね~。
こうして補筆稿の楽譜がでるのは、hikipapaさんが挙げていらっしゃるような理由からだと思います。後世にこれだけ名を残す
ことになったシンフォニストですから、作品としての重要性や、「私は
こう考える!」といった主張から未完成の作品に補筆を試みる人がいる
んだと思います。別にそれ自体を私は非難したりするつもりはありませんし、
挑戦することは良い事なのではないでしょうか。
(でも、マラ10の補筆稿もずいぶん増えましたよね。クック版くらいしかなかったのに。)
私もマーラーの交響曲は大変好んで聴きますので、次々と新しい補筆稿
が出ると、「へぇ~」とか「買ってみようかなあ」という気にはなります。
(実演だともっと興味を惹かれますが)
ご存知かどうかは知りませんが、最近某大型レコード店で、ラフマニノフの
「ピアノ協奏曲第5番」なるものがCDとして売られていました。
「んんー」と、さんざん迷いましたが、買いませんでした。
でも、おもしろいとは思います。
また、もう廃盤になってしまっているものがほとんどだと思いますが、
シューベルトの7番「未完成」の補筆盤、ベートーヴェンの第10番とか、
チャイコフスキーの第7番とかいう代物もあり、
「ほんとにそんな楽譜が残ってるの?」と疑わしいようなものもあるの
ですが、中には「やり過ぎだ」というような考え方の人もいると思います。
個人的にベートーヴェンとチャイコフスキーは聴きましたが、共感は
できませんでした。
「未完成」の補筆に関しては、聴きたいとは思いませんし、必要ないのでは?と思います。
でも、一つの「試み」として見ると「それはそれでおもしろいのでは」と思います。
最近はマーラーが、オーケストレーションが下手なシューマンの交響曲
を補稿したバージョンのCDが出たり、少し前にはブルックナーの交響曲
の様々な改訂バージョンのCDが出たりしましたが、これも人によって
好き好きではないでしょうか。私の考えは以上です。
ありがとうございます。
補筆までして完成させなくても…と思っているので,
なぜ,こんなにいくつもの録音があり,新ヴァージョンまで出るのかと驚いています。
マーラーには関心がありますが,とことんマーラー好きではない証拠かもしれません。
> 次々と新しい補筆稿が出ると、「へぇ~」とか「買ってみようかなあ」という気にはなります。
マーラーファンなら,新ヴァージョンは,きっと,わくわくする情報だろうと思います。
やはり,関心が高い人なら,どんなものが出てくるのかと,大きな期待感があるのですね。
でも,あまり完成度の高い補筆完成版が出て,それがマーラーの第10番として
定着してしまうのは怖いと思ったりもします。クック版なら不完全なものを感じるので,
その心配はありませんが。
他に挙げていただいている例も,なければないでいいような気もします。
ブルックナーは,どこに他者の手が加わっているのかもよく分からずに聴いていますが,
本当の意味での「原典」を知らない方が幸せなのかもしれませんね。
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