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飛行機、B777-200(トリプルセブン)について

@離着陸時の飛行機の角度
@V1、VR、V2の速度

などについて詳しく教えてください!!

A 回答 (1件)

元、航空業界にいたものです。



ご質問の角度と速度ですが、何度、何キロという返答はできません。

というのは、その空港の滑走路の使用可能距離、待機状態、積載量(搭乗者の重量等を含みます)で変化するからです。

長い滑走路のある空港で、重量が一定として滑走で十分速度を上げられるのであれば、離陸する場所までの滑走距離を長く取って速度を上げ、急角度で上昇する、あるいは短い滑走距離で脚を地面から離れさせ、浅い角度でゆっくりと上昇する、と言う方法もあります。

逆に重量が変化する場合ですと、わざと長く滑走することもあります。

あの、垂直に上昇するのが当たり前と思われているヘリコプターであっても、大型機で積載重量が多いときは離陸時に少しの間ですが空港内を滑走します。

この角度と距離に影響するのが、積載している重量と風などの大気条件ですね。飛行機には最大離陸重量が決まっています(着陸重量も決まってます)。

この重さに近ければ近いほど、離陸するときの速度を上げて揚力を増す必要があります。そのため長がい距離を滑走することになります。逆に空席が多いとき、貨物機で積載物が少ないときは軽いので、滑走距離が短くなったりします。

その諸条件から、パイロットが適正な速度を決めて離陸をするのです。決まった速度、角度で行うわけではありません。

V1と言われる速度は離陸中止を判断する限界の速度です。機長のコールは「ブイワン!」です。
VRはローテーション速度と呼ばれ、貴重が「ローテート!」などとコールします。
そして実際に車輪が離陸するのがV2で、離陸速度になります。機長が「ブイツー!」とコールし、操縦桿を大きく引いて決めた角度で上昇します。

過去の事例でこんな事故がアメリカでありました。

今のではなく旧パンアメリカン航空のジャンボジェットが、ホノルル空港を離陸する際、その日の大気状態、積載重量から計算して、フラップ20度設定で280ノット程度で機首上げ(V2)して、20度の上昇角で上がる予定でした。

誘導路から滑走路に出たとき、機長が計算し直しをして、フラップ各10度、離陸速度(V2)330ノットで離陸と決めたのですが、この時上昇角を変更するのを忘れました。この状況だと上昇角30度で上昇しなければ、空港施設に接触する可能性があったのです。

しかし実際は変更しないで離陸。無線アンテナに機体が接触して3つある常用操縦系統の中の2本を切断、残った操縦系統は1本のみ(他に緊急操縦系統が生きていました)になりました。もちろん緊急着陸になったのですが、垂直尾翼に上下に着いた2枚の方向舵の上1枚が動作せず、左右の尾翼に着いている合計4枚の昇降舵も左右1枚ずつしか動かない、主翼上面に12枚立つグランドスポイラー(風圧制動板)は、動作するのは4枚のみ。最悪だったのが、翼側に2基、胴体に2基着いている主脚のうち、翼側2脚が動作しないので出ませんでした。

満身創痍になったこのジャンボ機、上空で燃料を投棄し、乗客の荷物を手荷物まで海に投棄しても重量300トン以上。それでも無事に生還はしました。この事故の原因がパイロットの計算ミスで、最初の計算のまま離陸するか、計算し尚した際、キチンと離陸角度も解散し直せば起きませんでした。

このように、速度や離陸角度はその都度計算するもので、決まっているわけではありません。
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この回答へのお礼

詳しい解説と貴重なお話を
本当にありがとうございました。

お礼日時:2010/09/08 17:29

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