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今まで古典の助動詞「べき」や「む」の文法的意味は、人称で判断することについて質問してきました。
自分が習ってきたのは、例えば「べき」なら
一人称なら意志
二人称なら適当、勧誘
三人称なら推量

というように習ったのですが
今までの質問の回答の中に
「一人称なら意志、三人称なら推量という場合が多いだけであって、必ずしもそうではない」というのがありました。

ということは、結局は本文を訳して文脈から判断しなければいけないということなんでしょうか?
今のところ、動詞、形容詞、形容動詞、助動詞しかやっておらず、単語はほとんど覚えていません。
なので、本文を訳すのはかなり難しいです。
だから学校の先生も「形から判断できるように」と言っているのだと思うのですが、「単語を覚えていないのが問題だ」と
言われるとその通りなんですが、この質問で聞きたいのは

結局は本文を訳して文脈から意味を判断するしかないのでしょうか?
ということです。

あと、人称で判定するのに「主語が・・・」とよく書いてあるのですが、この「主語」というのは
文全体の主語ということですか?
最初は、たとえば「べし」なら「べし」の上の動作をする物、人だと思っていたのですが、どうなんでしょうか?

A 回答 (2件)

こんにちは。

古文の質問ですか・・・確かに助動詞はとても難しいですよね。特に意味判別が・・・確かにあなたの言うとおり、本文から全体的に意味内容を把握するというのも一つの手ですね。というより、大学受験の場合文脈に頼らなければ意味が性格に判断できない問題がたくさんあります。
ですが、ちょっとだけ質問されていた「べし」と「む」について説明します。

「べし」(推量・意志・適当・可能・当然・命令)
(1)推量(~ダロウ・~ソウダ)→三人称を受ける。
(2)意志(~ヨウ・~タイ・~スルツモリダ)→一人称(私)を受ける。
(3)適当(~ガヨイデショウ・~スルトイイ)→二人称を受ける。

「べし」の意味判別は実はものすごく難しいのです。一応上のような用法はあるのですが、ほとんど実践では役に立たないと思います。なぜなら、「べし」には他にも「可能・当然・命令」という意味も含んでくるからです。なので、これは文脈から判断したほうが逆に安全だと思います。一応例文を見てみましょう。

(1)人はかたち、ありさまのすぐれたらむこそあらまほしかる(べけれ)
(人は器量、容姿のすぐれているのがすばらしいこと(だろう)。)

(2)この一矢に定む(べし)と思へ
(一本の矢で決め(よう)と思いなさい。)

(3)す(べき)かたもおぼえで
(どうしてよいかわからないで→直訳すると、「するのに(適当な)方法も思いつかないで」)

上の例文のように、ほとんどどれも意味を判別するのにヒントがありません。なので、前後の文脈などから判断するしか意味の判断のしようがないのです。こればかりは仕方ありません。
*「べし」の連用形「べく」に係助詞「は」がついて「べくは」で仮定を表します。その場合の「べく」は可能または当然で(~デキルナラバ・~ハズナラバ)と覚えておきましょう。


今度は「む」について説明していきます。こいつは実は面白い性質を秘めているので、識別しやすいのがポイントです。

「む」(婉曲・意志・適当・仮定・勧誘)

ポイント(1):文中の「む」は婉曲か仮定・・・ ~む~ 「~ノヨウニ・~ナラ~」

ポイント(2):「む」+体言→婉曲
例文:人に憎まれ「む」“こと”こそあるべけれ(人に憎まれる「ような」“こと”があるかもしれない)

ポイント(3):「と」の上の「む」はまず意志の意味から考えよう。
例文:われ、人にさ思われ「む」とは思ふ(私は人からそのように思われ「たい」と思う。)

ポイント(4):一人称(私)を受ける「む」は意志。
例文:われ御子に代りて海に入りな「む」(私が御子に代わって入水し「よう」。)

ポイント(5):三人称を受ける「む」は推量。
例文:“雨”降ら「む」、先を急ぐべしとぞ言ひける(“雨”が降る「かもしれない」。先を急ごうと言った)

ポイント(6):「む」+助詞(は、に、も、が、こそ)→仮定
*おまけ、「くは」と来たら仮定、「かは」と来たら反語

ポイント(7):「こそ――め」ときたら最初に適当・勧誘と考えよう。けれど、入試では適当と勧誘はセットの意味で覚えてOK!

ここまで知らなくていいけど・・・ポイント(8)
「む」には本来可能の意味はないんだけど、「む」の下に疑問・反語を表す語、または「なむ・てむ」と「む」の上に強意の助動詞があると、「可能推量~デキルダロウ」となるときがある。

例文:よみ[て]「む」“やは”(「て」が強意、「む」が可能推量、「やは」が反語)
→読むことができるだろうか、いやできない。



さて、このように説明しましたが理解できたでしょうか?って言っても多分全てを理解するのは難しいとおもいます。でも、それでいいんです。このような用法があるんだぞっというのを何回も覚えなおしましょう。そのうち慣れて識別できるはずです。

あと、本文を訳すのが難しいとおっしゃっていましたが、はっきり言いますが・・・そんな必要はありません。受験生がいきなり与えられた古文を完全翻訳するなんて無理です。そんなのは専門家がやってればいいんです。受験生がすればいいことは、与えられた古文をあくまで「読解すること」つまり、現代文の力のほうが実は遥かに求められているんです。
なので、あなたが今何年生なのかはワカリマセンが、まずは現代文の力を固めましょう。現代文は全ての教科、英語にしろ数学しろ・・・実は地歴とかもそうなのですが、これら全てに求められる根本的な力そのものなのです。と、言っても分からないと思うので、例を出してみますか・・・
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この回答へのお礼

回答ありがとうございました。

お礼日時:2011/01/29 00:30

さきほどの続きです。

以下の文章を読んでみてください。


寛平帝の御時、大御息所(おおみやすんどころ)と聞こえける御つぼねに、大和に親ある人さぶらひけり。親いとかなしくして、「なべての男は合はせじ。」と思ひてさぶらはせけるに、御息所の御弟、いとねむごろに言ひわたりたまふを、いかがありけむ、「親いかが言はむ。」とA(思へど)、「さるべき宿世にこそあらめ。若き人頼みがたくぞあるや。」とぞB(言ひける)。(「伊勢集」の一部を引用したもの)
問:AとBの主語を答えよ。
1.寛平帝
2.大御息所
3.女(大和に親ある人)
4.女の親
5.御息所の弟







さぁ、やってみてどうだったでしょうか?多分いきなりで難しいと思います。特にBの主語は相当分かりにくい。では解説していくと・・・まず答えはAが「3」、Bが「4」です。

実はこれも当然ある程度の単語、古文文法などは抑えておく必要はあります。しかし、それよりも大切なのはやはり文脈の力・・・つまり、現代文の力なのです。この文の内容は文中にも登場している「女」とその「女の親」のやり取りだということを抑えないといけません。色々な登場人物が出てきて紛らわしいですが、ポイントを抑えれば簡単です。

まず本文で「大御息所(=天皇の寝室に仕える女性)」のお部屋に、「大和の国に親ある人(=女)」がいるといっています。その彼女の親は女のことを「かなし(つまり、可愛がっていた)」と思い、「なべての男とは合はせじ」といっています。ここがポイント(1)です。
「なべての男とは合はせじ」・・・直訳すると「普通の男とは合うまい」→つまり、「並みの男とは結婚させまい」と言っているのです。娘のことを心の底から可愛がっているため、娘には贅沢な暮らしをさせたいという親の愛情が読み取れます。
さて、そこで出てくるのが「御息所の弟」です。彼は本分にも書いてあるとおり、女に対して「いとねむごろに言ひわたりたまふ」と言っています。「ねむごろ」とは「墾ろ」と書いて「ひたすら、熱心に」という意味です。じゃあ、何を弟さんは女に対して言っているのか?ここが読解力の問われるところです。先ほど親は「普通の男とは結婚させない!」といってました。じゃあ、そこで表れた弟は女に何を「言い続けている」のか?当然、「結婚」ですよね?弟さんは、姉に仕えている女に惚れて熱心に求婚し続けているのです。
そのあとに「いかがありけむ」と続いてます。ここは難しいのですが、あとに省略されて「どのような経緯で二人は結ばれてしまったのか」といっています。これは読み取るのは難しい!
ですが、そのあとを見てみましょう。「親いかが言はむ。」とありますね?ここで「親」というのは「女の親」を当然指しています。ということはこれは「女」の心中に決まってます。なので、問題のA「思へど」の主語は「女」と決まり、答えは「3」となるのです。
さて、そのあとにまたいきなりかぎ括弧が続いています。ここも読解力の試されるところです。「さるべき宿世にこそあらめ。若き人頼みがたくぞあるや。」といっています。では誰が言っているのでしょうか?そこが問題なのですが・・・これを訳せなくてもポイントを抑えましょう。ずばり、ポイントは「若き人」です。この若き人が誰を指しているのか、が分かれば問題は簡単に解けます。
今本文で出てきているのは、「帝」、「大御息所」、「弟」、「女」、「親」ですね?若い人に限られるのは、当然「弟」か「女」。ですが、ここで若い人が「女」を指すわけがありません。若い人は「頼みがたく」つまり「あてにならない」といってるのですから、ここは「弟」を指しているのです。
では、問題のBの主語は誰なのか言うと・・・もう分かると思います。この場面は女が親と話している場面・・・つまり、先ほどの台詞は「親」のものとなります。弟と結婚することを親たちが反対するだろうと女が気がかりに思っているのを気の毒に思い、親たちはしぶしぶ了解したという場面なのです。



さて、長くなりましたが、このような問題にあたるとやはり文脈を読み取る力、つまり読解力が大切だということが分かりましたでしょうか?学校の先生もきっとこういうことを言いたかったのだと思います。「単語」の知識を最低限覚えておかないと、こういう文章は読めませんし、助動詞の形だけ知っていても、いざ問題には何の役にも立ちません。したがって、古文で最も重要なのは読解力ということになるのです。
ですが、先ほどのいったとおり全文を訳さなくても大丈夫。ポイントをしっかりとつかめれば必ず問題は解けます。じっくり勉強していきましょう。
おせっかいなことをしてすみません。勉強がんばってください!
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