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良ければ二十台半ば以上の女性にアンサーして頂けると幸いです。

3ヶ月程前の事です。
私はスポーツと音楽を目的に海外旅行に行くのが大きな愉しみで、その時もそうでした。

しかし私は個人旅行が主なうえ、目的のためには恐れを知ることなく何処へでも出かけていく
悪癖のせいか、海外では大小様々なハプニングに出逢うケースが頻繁にありまして、
ご多分に漏れず今回も最後の最後で結構なしくじりをしでかしました。

経験の多さゆえか、例によって全くと言っていい位懲りていない(はずだった)私は搭乗券を手に
自信満々で腰掛けた後、見知らぬ英国人に肩を叩かれ、シートを間違えたことに気づいたのでした。
件の方に謝罪をして席を移った時、隣に座っていた女性に一言断りの言葉をかけました。
彼女は笑顔でよけてくれました。
この瞬間が、今に至るまで私の心を捉えて離さない人との出会いとなるとは、
知る由もなかった・・・。失礼ながら見た目が第一ではない私の目にも彼女は好みとは
ほど遠いタイプでした。

窓側の席だったため「時々通路を歩きたいのですがよろしいでしょうか」といった言葉から
入ったと思います。なんてことはないありきたりなやり取りから始まり、その内会話は止まらなく
なりました。私は普段海外渡航に際し、一定のルールを課しており、(例えば、帰国まで諸事情で
ツアー参加等の場合を除いて日本人とのコミュニケーションは慎むなど)、
今思えばそれに抵触しているのを自分でも忘れてしまうほどに楽しかったのだと思います。
共通の好きなバンド、映画、海外ドラマ、現地での体験談、巡った地域の文化や歴史について、
お互いの育ち、職場等のバックグラウンドetc...

合間に「疲れてない?眠くない?嫌だったら率直に伝えてね」と私はしつこいくらい念を押しました。
というのも彼女の滞在スケジュールも中々ハードでしたから。
しかし彼女は「でも楽しいからまだ続けたい。それで…」3時間はこんな調子でした。
暫くして音楽が聴きたくなり、私はプレイヤーを荷物入れから出すため通路に出て、ついでに
手洗いを済ませて戻ってきたら、彼女はヘッドホンを着けてウトウトしている所でした。

途端に私の脳裏に彼女に申し訳ない思いが過りました。
『無理をして合わせていてくれたんだな』って。そしてこれまでのコミュニケーションの動機も
恥じました。人のよい彼女につけ込んでそのかけがえのない非日常の時間を手前勝手に
奪い『消費』していたかもしれないと。
そして音楽プレーヤーを聴きながら本に目を通してやり過ごし始めました。いつものように。

機内食の時間になっても彼女は眠ったままでした。通常機内食は後からでもオーダー出来ます。
しかしこの航空会社はそこらへんのサービスの融通がきかないため、後から頼むと予備のメニュー
になってしまいます。もちろん種類も選べません。それも経験済みの私は暫し考えてから、
彼女に声をかけました。
すぐに目覚めた彼女はお礼を言ってくれて、またその端から会話が始まりました。
さっきまでと違うのは、『ある種の甘えは厳に慎むべき』という意識を強く持っていたことです。

しかしまたしても話は止まらなかったのです。少し途切れてもどちらともなく話題が出ては
繰り返され、時間はあっという間に過ぎていきました。
多数の人とアポを取る必要がある仕事柄トーク術のイロハ、最低限のマナー位は心得ているつもり
でした。しかし彼女の持つ不思議な磁力に引き寄せられている自分に薄々気がついていたと思います。

当然消灯時などには私から自発的にこの状況を切る機会を作りもしました。
もちろん彼女はすぐに眠りに落ちるわけなのですが、最初のときからそうだったのですが
気がつくと私の肩にもたれかかっているのです。時々気がついて「すみません」と言うので
その時は笑顔で応じる訳なのですが、また五分もしないうちに肩に彼女に感触があるのです。
この間私は不思議と安心で満たされていました。
そしてまた起きるとお喋りです。あっという間の14時間でした。

何事も無く着陸し、搭乗ゲートを潜って出入国審査に向かいます。相当に早足だったのですが、
隣には彼女がまだいました。歩くペースを落としてもそれは変わりません。聞くと、「明日明後日は
お休みをとっているから大丈夫です」と答えていました。この期に及んでもまだ私は少しずつ芽生え
だした本当の思いに気づかないままでした。

気がつけば手荷物受け取り場でも二人でした。同じ便に乗り合わせた周りの乗客は皆中々運ばれてこない手荷物に焦っている様子でした。
私は幸か不幸かロストバゲージに遭うこと8回の間抜けな海外経験を持つため余裕を持って待ち、
無事拾ったのですが、訳有って貴重品を詰めていた彼女の手荷物が出てくる気配がなく、とても不安
がっていたため、荷物が出てくるまで、また万一出てこなかったら力になれるかと付き合うことにしました。随分遅れたものの、それが無事出てきた時、私はその場を離れる機会だと悟りました。

その時の自分の感覚ははっきり覚えています。しかし私は以前より歳を重ねていることも自覚しています。「例によって吊り橋症候群か、まだまだ僕は青いなあ」など心の中で呟き、思いを断ち切りました。それに最初に席を立った時から私は気持ちを切替えていたのですから。
そんな思いに駆られている間まだ彼女は隣でトランクをチェックしていました。

そして私はその場からそっと離れ、遠くから手を振り別れの挨拶をしました。
彼女は一瞬虚をつかれたような様子に見えた気がします。
が、少し遅れて手を振り返してくれました。
名前すら聴かなかったのに、もとい聴けなかったのに、至福の時間を与えてくれた彼女に感謝して
空港近くのホテルに向かいました。

男女の機微は最低限気づく方だと思います(周りからは異常に鈍いとよく指摘されますが)。
これまでも人並みの経験はあります。先にも吊り橋効果の話をしましたが、それなら時間が
経つにつれて気持ちは離れていくはずです。しかし本当に困ったことに日増しに想いは強くなる
一方なのです。せめてアドレスくらい交換すべきだったとは思います。しかしあの時の割り切りと
下心を見せては失礼だというある種の思い込み、恋愛めいたことから離れて少し時間が
あることもあり、それは出来ませんでした。

近頃、断ち切れない想いが苦しさに変わり始めました。この年齢になってもまだこういうことが
起こりうるのかと今更ながら驚いています。私は一目惚れの経験はありません。
周りの女性は年下ばかりです。
相談を持ちかけられることはあってもその逆はありませんでした。
思い切って古い知人に会うことにしました。
(ちょっと複雑な経緯があって距離を置いていましたが、一つ年上でだいぶ長い付き合いです)

かいつまんで話したところ、返ってきた内容はシビアなものでした。
「おい、お前それでも男か?だいたいね、昔から絶望的なまでに鈍いヤツだとは思ってたけど、
いくら何でもそれは鈍すぎる、やっぱりお前はゾウ、マンモス、いやブロントサウルス並みに鈍い」と厳しい返答が返ってきました。

私は自分に言い訳をするように抗弁しました。ひと目で惚れたわけじゃないし、
最初の方で引かれた兆候があったし、とか、その彼女は元々は大阪の人で(私は関西の女性に
個人的に畏敬の念を抱いている)、東京在住僅か一年で、こちらの私が何時間も話しても
気づかないほど標準語が巧みであり、かつコミュニケーション能力の高い女性でとても
敵わないと思っただとか、仕事もキャリアも持ち合わせていて、収入こそ近年人並みになったとは言えフリーランスが長かった自営の僕とは釣り合いが取れないとか、僕で本当に良いのなら、世間慣れしている
はずの彼女からアドレスくらい聴いてくるはずだとか
最後に至ってはは酒のせいもあって支離滅裂な言葉を繰り返しました。

しかし年上の彼女は断言するのです。「どっかのおバカさんと違って話を聞いてれば向こうの心の推移は分かる。
あのね女は男と違ってやりとりしながら細かく観察して少しずつ理解して好きになっていくんだよ。
でなきゃ到着間際にシングルだなんてわざわざ知らないヤツにアピールしないよ。
彼女はお前が言うより意外と奥手。お前は折角、手荷物受け取りや税関手続きまで一緒に居てもらって
連絡先くらい聞くチャンスまで与えられて逃げ出した」
「手掛かりはある。そのいくつかの共通のお気に入りのバンドはよく来日するからそれを待ってみな」

(私:無理に決まってる…)


こんな度を越した冗長な文章の質問を最後まで読んで頂いて有難うございました。

今思い出すのは席に戻った時の彼女の寝顔です。
何故かその時だけ眼鏡をかけてはいるものの、まるで似合っておらず、
ほとんど化粧っ気のない少し緩んだ表情は三十台前半くらいに見えました。

私は未だにあんなに見ていて切なく愛おしい寝顔に出会ったことがありません。

A 回答 (2件)

>目的のためには恐れを知ることなく何処へでも出かけていく


と書いているあんたが取った行動は、友人と此処に相談することだけなのか?

ダメ元ってどう思う?無駄な労力使いたくないなら止めとけ。多分無理だから。

彼女の連絡先を確実に知っているだろうと思われるとこはないか?
あるだろう!そう航空会社だ。

連絡先を教えてくれと言ったら1000%教えてくれん。
連絡取りたいから、自分の連絡先を知らせて欲しいといっても100%無理だろう。個人情報の取り扱いの問題あるからな。

無理だとわかっててもダメ元で行動するなら
「隣の席だった女性のイアリングの片方が私のポケットに入っていた。寝ているときに私にもたれかかるときが何度かあったので、その時落ちたのだろう。長時間、会話してたので彼女のものであるのは間違えない。」
高価なイアリングを購入して、同じ航空会社を利用する(もちろん用がなくても利用する)際にカウンターでこう伝える。

上手くことが運んで航空会社が動いてくれたとしても、相手が相当に感良くて連絡取りたいと思っていなければ上手くいかん。

なんにしても微々たる可能性しかない。コストもかかる。

それでもいいなら、御自慢の話術で頑張れ!


健闘を祈る!
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この回答へのお礼

>>目的のためには恐れを知ることなく何処へでも出かけていく
>と書いているあんたが取った行動は、友人と此処に相談することだけなのか?

いいえ。先に前置きしていますが、それは海外でのことです(又はスポーツ中など限られたシチュエーション)。
普段は、特に仕事が絡む場面では非常に慎重なほうです。
実は提案してくれたアクロバティックなアプローチですが、以前近い事を他で書いたりアドバイスしたり
しているのを読んだ記憶があります。そのうちの一つは例に挙げているイヤリングを本に替えたもので、
間にしおりを挟んでそこに連絡先を書くというアイディアでした。しかしこれは航空会社に検閲される
と抜き取られてしまうし、御本人が本など持ち歩く習慣がなかったりしたら怪しむ可能性がある、
だいたい本程度では態々空港まで取りに来ないだろうという意見で終わりでした。

その点イヤリングはある程度高価なので有効な場合もあるかも知れません。
ただ残念な事に彼女はブランドや宝飾品に全く興味が無いという事を口にしていたのです。

とは言え貴方は文章のスタイルはフランクでありながら、内容は真剣でアイディアにも妙があって嬉しかったです。
回答本当にありがとう。

お礼日時:2013/01/20 19:33

とりあえず話が長いです。


年齢が書いてないのでわかりませんが・・・そこそこの年齢、40代と推測します。

せっかくのチャンスなのに、なぜ連絡先聞かなかったんでしょう。
人生、そこまでピンとくる出会いはなかなかありませんよ。
手がかりがあるのなら、ここはやっぱり行動あるのみ!
彼女を探しましょう。
もしその行動で引かれてしまっても、それはそれで仕方ないです。ご縁がなかったということです。
まずは彼女を探して、旅先でなく現実世界でもう一度会ってみて、自分の気持ちを確かめてはいかがでしょうか。
いくつになっても恋する気持ちは大切ですよ。
もし彼女と再会できたら、また報告してください。
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この回答へのお礼

御回答ありがとうございます。
ただ一応年齢はまだ30台です。

>せっかくのチャンスなのに、なぜ連絡先聞かなかったんでしょう。
>人生、そこまでピンとくる出会いはなかなかありませんよ。

まったくもってお書きになっている通りです。言い訳のしようもありません。
もし思い当たるとすれば…あまり詳しく書いても仕方のない話なので細かいことは省略しますが、
少し前にある女性(既婚)に言い寄られるような事が起こってしまい、クライアント関連が****という
事がありました。これも私の隙と鈍さに起因する事かもしれません。
多分それがどこか頭の隅にあったり、もう二度とまともなパートナーシップは築けないのではないかという、ペシミスティックな感覚に囚われていたのだと思います。
先に挙げた例の知人の言う根拠も、もう到着間近だったため、思考パターンが日本における日常に切り替わっていた事もあるかもしれません(セーフティな距離を保とうとし過ぎる)。
今となっては全ては言い訳ですね。ご免なさい。

>彼女を探しましょう
>もしその行動で引かれてしまっても~
>いくつになっても恋する気持ちは大切

N02.の方もそうですが、本当にこういったポジティヴな姿勢を見習いたいです。
頂いたこの言葉を、何十回も噛み締めなくてはいけないと痛感しました。

思えば私は正直言って他人が見る以上に引け目を感じている所があります。
病歴や遺伝による髪色や肌の違いetc...
男女関係においても何度も人の気持ちを感じること事が出来ないまま後悔している過去が多々あり
(モテたという意味ではありません)
今その業を受けているのではないかと、思い返しては忸怩たる気になる日々でした。
では実際にどうするかとなると、ハードルは高いですが。

>もし彼女と再会できたら、また報告してください。

こういう言葉を見ず知らずの私に言える貴方は素晴らしいと思いました。
本当にありがたく受け止めさせて頂きます。

お礼日時:2013/01/20 20:17

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