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No.2
- 回答日時:
こんばんは、少しばかりお邪魔します。
質問者様は「学びの文学」と仰っていますが、もう一方の「文学」が如何様なものであるのか、僕なりに想像してのお話しですので、もしお気に召さねば補足もしくは削除を要請していただければ幸甚です。
さて「学びの文学」といった場合に、どの様な印象や領域を想定しうるかといえば、一人の作家やその作家が遺した作品の履歴などから、作家の意識の変遷などを探り出すなどの「評価」や「評論」が考えられます。
この場合は「論ずる」ために様々な研究者の論考を参考にする必要もあります。これと対を為すものといえば「楽しむ読書」です。感想のレベルからすれば、小中学生あるいは読書嫌いな大人達が口にする「おもしろかった」「良かった」「ためになった」程度の言葉で完結するほどのものでしかありません。そこから少し発展したものでも、せいぜい「おもしろかったことの内容」や「良かったことの理由」などを具体的に書いた感想文の域に留まるといっても過言ではありません。
>本が好きなので日本文学科がいいな
これが「とっかかり」や「糸口」ならば一つの動機にはなりますので、必要な部分であるともいえますが、そのレベルに留まっているだけでは「学びの文学」の入り口に立つことは難しい。「楽しむ」から「恃む」へとの意識を深化させることが先ずは求められるでしょう。
夏目漱石が複眼で日本の近代化をどの様に眺めたか、初期の作品と後期の作品では「自らの創作活動と社会の関係」がどの様に変化していったか、などは彼の作品やメモなどから想像していくしかありません。
>自分が興味を持っているのかが、いまいちわからない
貴方様と僕は違う存在ですから、いまいちわからないと仰られても応えようがありません。ご自身で探していくしかないでしょう。
「文学の方法論」などの論文を読んでも、文学作品に対する理解を構築する材料とはなりません。それは「あくまでもその著者が考えて書いた結論」でしかないことから、それを全てに適用することができるなどの無茶な論理もありませんよね。同じ「日本語論」といっても三島由紀夫の日本語論もあれば、丸谷才一の日本語論や言語学者の鈴木孝夫や外山滋比古もあって、これがナンバーワンであり絶対的な解であるなどとの断定をすることは誰にもできない話です。昨年の芥川賞を受賞した「けったいな」作品を高く評価する方もいれば、僕のように「つまらない」とほっぽり出す人間もいます。今年受賞したおばあちゃんの作品も、僕は「読みづらくてつまらない」印象を受けました。逆に昨年の本屋さん大賞に選ばれた『舟を編む』の方がよほど面白かった。
尚、日本文学科では前近代の古典作品のみを扱うことはありません。近代の作品や作家を対象とする教員も数多く在籍していて、漱石ならば小宮豊隆がいるように竜之介や直哉、潤一郎や安吾そして利一、与謝野晶子や林芙美子、更には公房や開高健などを専門にする方もいらっしゃいます。
文学は他の社会科学や自然科学とは異なり「人文学」の領域に属します。世間では「人文科学」などとして哲学や歴史学などと一括りにする傾向もありますが、哲学や歴史学そして文学も人間の意識そのものを対象とすることから「科学の側面」を持ってはいるものの、「科学そのものだけ」で対象に迫ることは困難です。もちろん心理の揺らめきなどに焦点をあてるなら、心理学の方法も有用ですが、それだけでは「文学の言葉」に光を当てることにはならない、との矛盾しつつも独自の完結性に存在基盤がありますから、文学の方法を模索するしかありません。
夏目漱石を理解するなら、西洋との対面を如何に内部で消化していくかに苦悩する姿に着目し、近代日本の過程にも目を向ける必要もあるでしょう。そのためには神島二郎や丸山眞男などの冷めた目線で見ることも強ち意味のないことではありません。
No.1
- 回答日時:
この回答へのお礼
お礼日時:2013/04/28 23:16
回答ありがとうございます!
読書クラブ見てみました。こんなブログあるなんて知りませんでした。
とても参考になりました(*^_^*)
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