TVゲームのドラクエシリーズの逸話にこのようなものがあります。
ドラクエの第一作を作るとき、作曲家として選ばれたのはすぎやまこういち氏であった。
プログラム担当の中村光一氏が、すぎやま氏に、質問をした
中村「すぎやま先生は、ゲーム音楽についてどうお考えですか?」
すぎやま「ゲーム音楽はレコードのヒット曲づくりとは全く逆かな?」
中村「どういうことですか?」
すぎやま「ヒット曲で大切なのは、一度聞いただけでインパクトを与えねばならない。
でもその分、何か月後にはあきられちゃう。それでいいし、そうあるべきだ。
でもゲーム音楽はその逆。長時間聞く
ゲーム音楽は地味でもいいから何回聞いても飽きない曲でないとね
だからパット見よりも聞きあきない、いわば聞き減りしない曲。それが基本だよね」
中村「僕もそう思います。ジャンルでたとえるとゲーム音楽は何十年、何百年と人に聞いてもらえる
クラシック音楽ですよね」
***
この二人の会話、よくわかるような気もするし、よくわからない気もします。
確かにクラシック曲は何百年も聞き続けられた曲ではありますが、有名で誰でも知っている曲も
多ければ、その反対に作られたあと、すぐに飽きられて、今や譜面も名前も残っていない、
というクラシック曲もあると思います。
また
「ヒット曲は一度聞いただけでインパクトを与え、その分、数か月で飽きられる」
というのも、それは新曲売出しの際に、レコード会社が宣伝費をかけて、TV,ラジオ、有線などの
メディアやCMタイアップ、ドラマ主題歌タイアップなどで、一斉に流してもらうように
するから、すぐに流行して、その分、すぐに飽きられるという経済発展の流転に組み込まれているだけだと思います。
実際のところ、ここに二つの曲、片方は新作の歌謡曲、片方はクラシック曲を用意し
何も事情を知らない人に二つの曲を聞かせた時に、多くの人が、
歌謡曲とクラシック曲の違いを区別できるのでしょうか?
(まあ、そんなこと言っても、使ってる楽器とか、歌詞でばれちゃうでしょうけど)
No.4
- 回答日時:
クラシック曲と云えば、楽譜があったりして、常に同じように弾き続けられたイメージがあります。
しかし演奏現場では、演奏空間の違い、其の時事の状況で変化する面が多く在って、
音楽作品が常に その演奏の場で生まれるという、感覚があるのです。
変化する面と変化しない面を絶妙に両立させて、伝承してきたという物も在ります。
一方歌謡曲と言う言葉は、一般に20世紀録音技術と共に成立し、
音の記録再生を通して、作品を固定保存し鑑賞するという、それまでのクラシック音楽には無い面があります。
経済や商業ベースかどうかという点は、音楽のスタイルとしてはあるが、
クラシック曲でも、当時としては経済の上で制作されたものなので、
何方も同じ環境といえば、そうなる。
なので、むしろ、クラシック曲と歌謡曲はの、聴覚体験的 本質的な違いは、
「録音技術 以前か以後か」 と云いたい。
ところでゲーム音楽は、ゲームの映像の劇伴、
即ち映像音楽の歴史の系譜に位置づけられると思います。
音色の面では、出力ハードが電子音である点での工夫など、とても特徴が在りますが、
音の構成は映画やアニメ音楽の音楽に近い。
20世紀初頭の映画やアニメ音楽は、音楽の作曲家が担当する事が多かったため、
音楽様式上 そのような流れがあり、
中村氏が 感覚的に「ゲーム音楽がクラシック」だというのは妥当でしょう。
しかし、この「地味でもいい」と安住してしまいがちな感覚こそ、
現在の音楽界を活気のないものにしている とも思えるのです。
また、すぎやま氏の「あきられちゃう」「聞き減り」という言葉は、
この世代の方が、「録音された」音楽をどのように捉えているか、という資料にはなるものの、
それ以上の意味はないのです。見方を変えれば、自分の経験を押し付けた身勝手な意見とも捉えられます。
No.3
- 回答日時:
とてもいい質問ですね。
「中村 僕もそう思います。ジャンルでたとえるとゲーム音楽は何十年、何百年と人に聞いてもらえる
クラシック音楽ですよね」
→中村氏は長い年月をかけて聴かれる音楽をクラシック音楽と誤解しているようにもかんじます。
歌謡曲、ポップスでも何百年も聴かれるものもあるでしょうが、決してクラシック音楽ではありませんね。
「実際のところ、ここに二つの曲、片方は新作の歌謡曲、片方はクラシック曲を用意し何も事情を知らない人に二つの曲を聞かせた時に、多くの人が、歌謡曲とクラシック曲の違いを区別できるのでしょうか?」
→さあ、どうでしょう。
その歌謡曲、クラシック曲の内容によるかもしれませんね。
(まあ、そんなこと言っても、使ってる楽器とか、歌詞でばれちゃうでしょうけど)
→歌謡曲をストリングで、クラシックをロックバンドで演奏した場合は、逆に答える人が多いかもしれませんね。
No.2
- 回答日時:
クラシック音楽だって、みんな当時の「流行音楽」「ヒット狙いの音楽」ですよ。
誰も「芸術的に高尚だけど売れない」音楽は作りません。現代まで残っているのは、その中の「時代や流行り廃りに耐えて生き残った」もの、「時代を超えて聞くに値する」もの、すぎやま氏の言うところの「地味でもいいから何回聞いても飽きない曲」ということです。
中村光一氏の言う「ゲーム音楽は何十年、何百年と人に聞いてもらえるクラシック音楽」というのは、結果論を言っているのであって、「作られた時からそういう種類の音楽」というのがあるわけではないと思いますよ。
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いろいろ意見をいただきありがとうございました。
どの意見も甲乙つけがたいので、とりあえず第一回答者様をベストアンサーといたします