■目利きと黄色や丸型ズッキーニの活かし方
はじめに、ズッキーニの見極め方について聞いた。
「ズッキーニは水分の多い果実です。収穫から日がたっているものは、乾燥して果実の表面が乾いてきます。そのため、へたの切り口が乾燥し茶色になっていないもの、果実の表面がしっとりしてツヤがある新鮮なものをお選びください」(株式会社サカタのタネ)
鮮度はもちろん重要だ。しかしズッキーニは、大きさもポイントだという。
「日本では18㎝前後のものが多く流通していますが、地域によって多少変わります。例えば30㎝前後の長さでは、タネの形成が進むため、よりサクサクした食感を楽しむことができます。大きすぎるものは、果実内部のタネが大きくなり、食感が悪くなるため注意しましょう」(株式会社サカタのタネ)
緑色で長細い形が定番だが、中には黄色やカボチャのような丸型など、色、形が異なるものもあるが……。
「黄色い果実の場合は、緑色と比べて舌触りがやわらかく、あっさりした味になります。形による味の違いはほとんどありませんが、丸いものは料理の際にくり抜いて、まるごとグラタンなどに使用できます」(株式会社サカタのタネ)
形状が異なっても味そのものに違いはないので、料理の用途によって使い分けるとよいだろう。
■和洋中で活躍するズッキーニ、保存法とレシピ
ユーザーからの投稿にもあるように、急にズッキーニをおすそ分けされるなど、保存が必要になった場合はどうすればよいのだろうか。
「ズッキーニの水分が逃げないよう、常温で1本ずつ新聞紙に包んで保管します。乾燥してしまう前にできるだけ早めにいただいたほうがよいでしょう。冷凍保存する場合は、水で洗い、ペーパータオルで水気を拭きとります。輪切りなどにしフリーザーバッグに平らに入れて冷凍します」(株式会社サカタのタネ)
最後に、ズッキーニを活かした調理方法を教えてもらった。
「スライスしたズッキーニを塩コショウで味付けし、オリーブオイルでシンプルに炒めただけでもおいしいですし、フライやフリッターにするのもおすすめです。チーズなどの乳製品とも相性がよいので、油が気になる人は、ズッキーニにベーコンとチーズをのせてオーブンで焼いてもよいでしょう。火の通し方でとろけ具合やカリカリ感も変わってきますので、お好みでお試しください」(株式会社サカタのタネ)
クセがないので、和洋中どんな料理にも合い、油との相性が抜群だという。
「天ぷらや味噌汁、ぬか漬けなど和食のアイテムとしても使用できます。ぬか漬けはキュウリより少し長めに漬けることで、しっかり味がつきます」(株式会社サカタのタネ)
洋食のイメージが強いズッキーニは意外にも和食とも相性がいい。夏の食欲がない時には、ズッキーニの特製ぬか漬けを冷や汁に添えるのもおすすめだとか。夏野菜のズッキーニを、より普段の食事に取り入れてみてはいかがだろう。
●専門家プロフィール:株式会社サカタのタネ
1913年(大正2年)に横浜で「坂田農園」として創業。日本各地に加え、創業時からグローバルでビジネスを展開し、現在は170カ国以上に向けてタネを販売している。
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