■年子のきょうだい
横山先生は1歳が「人間らしい感情が育つ時期」「お母さんと強い絆で結ばれている時期」であることをまず考慮する。周囲の関心を引くため、わざといたずらしたり何でも1人でしてみたり、その一方で嫉妬や独占欲をコントロールできないそうだ。
「赤ちゃんがいたら『お母さんをとられたくない』と思いのままの感情をぶつける場面が想定できます」と横山先生。また「世話をするつもりで赤ちゃんに必要以上に関わろうとし、危険に見えるかもしれません」と注意を促す。
年子にはメリットもある。「ある程度成長すると下の子が上の子を見て真似をしながら育ちます。2人で遊ぶことも多く、仲良しさんも多い」という。
幼児期に周囲がうまくサポートできれば、良好なきょうだい関係が築けそうだ。
■2歳差のきょうだい
「自己主張が一番激しいのが2歳」と横山先生。「イヤイヤ期=第一反抗期」に当たり、英語圏では「Terrible twos(恐ろしい2歳たち)」という言葉もあるそうだ。
他者理解も始まるが、自分の思い通りにならないとダダをこね、家族を困らせることが多くなるという。
この状況で赤ちゃんがいたら?
横山先生は「赤ちゃんが泣こうが、嫌がろうが、自分の思いのままに向かっていくなんてことが多く見られます」と心配する。
これらの行動は同時に「自律心の芽生え」も意味し、「実際には赤ちゃんやお友だちと仲良くしたいけど仲良くできない時期となります」とのこと。
温かく見守りたいところだが、片時も目を離せずハラハラし通しになりそうだ。
子ども同士の関係は「ライバルのような存在になる」と横山先生。「0~2歳の年齢差は、中高で一緒になることが多く、学校のあらゆる場面で比較されることが増えると付け加えておきましょう」とも。
何かと衝突する場面が出てきそうだ。
■3歳差のきょうだい
反抗期を抱えながらも自律心が育ち、感受性も強くなるのが3歳という。知的好奇心が旺盛になり大人を質問攻めにする一方、思いやりが芽生える時期に当たるそうだ。
「ごっこ遊びを覚え、友だちと遊んでいるうちに、話すのがうまくなったり、相手の立場が分かるようになったりします」(横山先生)
もう安心できるのか。「どうして赤ちゃんがいるの?」という好奇心から「赤ちゃん返り」が始まり、母親の気持ちを引くこともあるそうだ。赤ちゃんが2人になれば苦労も倍増する。
横山先生は「一種の防衛反応で、赤ちゃんが来た!という大きな変化に耐えようとしている姿です。温かく受け止めてあげてほしい」とアドバイスする。
そして、3歳差は「成長する段階ではっきりとした“差”がありますので、お互いに上下関係も意識できる」(横山先生)というメリットがある。「それぞれの立場から尊敬したり、いたわったりという思いやりの心も育ちやすい」(同)とのことだ。
■4歳以上離れたきょうだい
横山先生は「上の子は下の子の面倒を見ることで、気配りのできる優しい子になったり、家事が身につくことも考えられます」とメリットを挙げる一方、「成長する環境が違いすぎるために、お互いがひとりひとりになってしまい、きょうだい愛が育ちにくい場合もあります」とも。
上の子が親代わりになるという子育て面でのメリットがあるが、ケンカしたり仲直りしたりといったきょうだいらしさは望めないかもしれない。
ここまできょうだいの年の差について分析した横山先生だが、最後に「子どもは天からの授かりもの」と前置きし、「何歳差だから良いとか悪いという情報に捉われることなく、それぞれの性格や特徴を知り、その子その子に合った接し方を考えながら、日々、お子さまと向かい合ってほしい」と付け加えた。
●専門家プロフィール:横山人美
新潟県出身。短大卒業後、幼稚園教諭、英会話教室・専門学校講師を経て、心理学者・晴香葉子さんに師事し成城心理文化学院認定講師となる。Keep Smilingを起業。個別コンサルティング、講演、セミナー講師を中心に活動中。
(武藤章宏)