■キンメダイ、アマダイはタイなのか?
煮付けが有名なキンメダイや刺身が美味しいアマダイはタイですよね……?
「キンメダイはタイ科ではなく、キンメダイ科の魚です。また、正式にはアマダイという魚はいません。アカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイなどがアマダイ科の魚で、その総称でアマダイと呼んでいます」(日本おさかなマイスター協会)
タイ科とは別に、キンメダイ科、アマダイ科という科があることが分かった。と同時にキンメダイとアマダイがタイではないことが判明した。
■正式なタイは日本では13種類
「大辞林」では、タイは11種類と記されている。本当のところはどうなのだろうか。
「日本産タイ科は現在全部で13種類です。スズキ目タイ科マダイ亜科のマダイ、タイワンダイ、チダイ、ヒレコダイ。キダイ亜科のホシレンコ、キダイ、キビレアカレンコ。ヘダイ亜科のヘダイ、クロダイ、キチヌ、ナンヨウキチヌ、ミナミクロダイ、オキナワキチヌに分かれます」(日本おさかなマイスター協会)
「タイ」以外にも「キチヌ」という名称がつく種類が複数ある。平凡社発行の「食材魚介大百科」では、日本では13種類のタイが存在すると記載されているという。
■タイではない魚にタイという名前がつくのはなぜ?
では、タイという名前はつくが、タイではない魚はどのくらい存在するのだろうか。
「スズメダイ(スズメダイ科)、キントキダイ(キントキダイ科)、サクラダイ(ハタ科)など、タイ科以外でタイのつく魚は、日本には350種類以上いるといわれています」(日本おさかなマイスター協会)
そんなにたくさんいるとは……。どうしてタイではない魚にタイという名前がついているのだろうか。核心に迫ってみた。
「タイという名前がつく理由には諸説あります。例えば、タイ科の魚に体型が似ていることが理由で、タイという名をつけたという説です」(日本おさかなマイスター協会)
タイと思って食べていた魚が、実はタイではなかったということは結構ありそうだ。正しい知識を身につけて、海の恵みを美味しくいただきタイ。
■おさらい
キンメダイ、アマダイ→残念ながらタイではない。
マダイ、タイワンダイ、チダイ、ヒレコダイ、ホシレンコ、キダイ、キビレアカレンコ、ヘダイ、クロダイ、キチヌ、ナンヨウキチヌ、ミナミクロダイ、オキナワキチヌ
→タイです!
タイではないのに、タイとつく魚は350種類以上いる!!
●専門家プロフィール:日本おさかなマイスター協会 事務局
魚を美味しく、賢く食べるために、魚の魅力や素晴らしさを伝える「おさかなマイスター」を育て、魚食普及の伝道師として水産業界の活性化や社会貢献を担う。