
■クリームシチューに合う主食は?
クリームシチューにはどんな主食が合うのか。
「クリームシチューには何でも合います。パン派、ライス派、パスタ派というように好みが分かれているのはどんな主食にも合うからではないでしょうか」(石垣さん)
どんな主食でも合うというのは意外な答えだ。確かに考えてみると、うどんにも合う気がする。
「クリームシチューを出している食品メーカー各社もクリームシチューに合わせる主食はパンもライスもおすすめしているようですね。たとえばハウス食品の『北海道フォンデュシチュー』では、つけ合わせに、フランスパン、トーストした食パン、茹でた野菜、ライスをおすすめしています」(石垣さん)
主食のバリエーションを楽しめるというのが、クリームシチューの強みであることが分かった。
■クリームシチューにおすすめの具材は?
ところで、クリームシチューに入れる具材といえば、ジャガイモ、玉ねぎなどを思い浮かべるだろう。他にも合う具材がないか聞いた。
「牡蠣のクリームシチューはおすすめです。これからの寒くなる時期に旬を迎える食材ですし、11月23日は牡蠣の日でもあります。独特の風味となめらかな食感がおいしいですよね。実はスーパーなどの試食販売でも、この日に合わせて牡蠣のクリームシチューの提案がされる予定になっているところが多いんです」(石垣さん)
牡蠣といえば「牡蠣鍋」のように、和風の味付けを思い浮かべそうだが、クリームシチューの具材にもなる。
「お子様にも好評のメニューなんですよ。加熱用のむき身の牡蠣をスーパーで購入した場合は、塩水の中で振り洗いしてから使用してください。牡蠣は”海のミルク”といわれるほど栄養価が高いとされています。栄養素は脂質と炭水化物が多いですが、亜鉛、鉄、銅、マグネシウムなどにも富んだ食材です」(石垣さん)
この冬はぜひ、牡蠣のクリームシチューにチャレンジしてみたい。
■クリームシチューにあと一品添えたいときのおすすめは?
クリームシチューと主食に加え、あと一品用意したい場合のおすすめ料理を聞いてみた。
「クリームシチューがまろやかでクリーミーな食感なので、”まろやかでクリーミーでないおかず”をチョイスするとよいでしょう」(石垣さん)
まろやかでクリーミーでないおかずには、何があるだろう?
「たとえば、『豆腐サラダ』です。新鮮なお野菜を使えば、シャキシャキとした食感と濃厚なクリームシチューの相性はバッチリです。クリームシチューだけでは摂りきれなかったたんぱく質を豆腐で補うことができるので、栄養バランスもよくなります。『シーフードマリネ』もおすすめです。シチューにお肉を使用した場合に、シーフードで違ったたんぱく質を補うことができます。シチューのまろやかさとマリネのさっぱりさの相性はよいですよ」(石垣さん)
これならいろいろなたんぱく質も補えるし、味覚的にも相性がよさそうだ。
「マリネといえば、『キャロットラペ』もクリームシチューに合う一品です。そのまま食べてもよし。パンにのせてもおいしいです。粒マスタードものせれば、色合いもおいしさもグッとアップします」(石垣さん)
キャロットラペとは、フランスの定番の家庭料理で、いわば千切りにした人参のサラダのことだ。ワインビネガーなどで味付けされた、さっぱりした味と食感の一品だ。
「人参に含まれているβカロテンは体内に取り込まれると代謝の過程でビタミンAになります。ビタミンAは皮膚を健康に保つ働きをするので、乾燥が気になる冬に美肌を保つためには欠かせない栄養素の一つです。人参をたくさん食べられるキャロットラペは女性におすすめの一品でもあります」(石垣さん)
どんな主食にも合い栄養たっぷりのクリームシチューは、普段の家庭料理にもよし、一品添えて、お客様向けのおもてなし料理にもよし、と頼りになるメニューだ。寒い冬に栄養たっぷりのクリームシチューで身も心も温めよう。
●専門家プロフィール:石垣桃子
株式会社ソフィアプロモーション 食めぐ編集部 管理栄養士。食めぐは管理栄養士9名が運営する「食による健康」をテーマにした食のWEBメディア。