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この男は高学歴で大企業に就職。3年後に退職し投資家になった。

投資家としての生活環境である7畳1Rのマンションは、大きなデスクが1つとベットが一つ、あとは電子機器で埋め尽くされていた。カーテンは年中締め切っており日の光も入らない。50メートル先のコンビニにたまに行くことはあったが、基本的には仕事をするか寝るかという2択だけの生活で、デスクとベットを行き来するための2メートルがこの男の生活の行動範囲だった。

金融市場に合わせて生活するこの男の生活ルーティンは、30時間仕事し2時間寝て、16時間仕事し4時間寝て、72時間仕事し12時間寝て、36時間仕事し4時間寝て、という数珠つなぎの不規則なものだった。眠いから寝るというより、市場が落ち着いて時間が空いた時に寝るというもの。そのため睡眠薬は欠かせなかった。

日の光も入らない狭い部屋の中で、午前なのか午後なのか時間感覚も無く、夏なのか冬なのか季節感覚も無く、四六時中紫外線を浴びながら、電子機器と数字だけを相手にただ仕事だけをし続けた。睡眠障害は慢性化し、自律神経は壊れていた。人間の生活ではなかった。自我さえ失っていった。

投資家になって約10年後、男は金持ちになっていることに気付く。
正確には数年前から既に金持ちになっていたが、それさえ気付かないほど男は自我を失っていたのだ。少しづつ自分の状況を把握していった。ただの計算マシンから自分に戻るのに時間がかかった。鏡を覗くと髪は長髪、髭もぼうぼう。最後にシャワーを浴びたのはいつなのか思い出せない。とりあえずシャワーを浴びバリカンとカミソリで身なりを最低限整えた。

男が自我を取り戻してからまずしたことは、救急車を呼ぶことだった。
自分の身体がヤバい状態にあることが自覚できたので病院に行こうと思ったが、自分で病院まで辿り着く自信が無かったため救急車を呼ぶことにしたのだ。そのまま2週間入院した。医者や看護師とのやり取りで言葉が上手く話せなくなっていることに気付いた。

退院後は服を買い、美容院へ行き、エステに行き、マンションを買い引っ越した。半年くらいデリヘル嬢相手に会話のリハビリをした。その後はまたマンションを買い引っ越した。男の生活ルーティンはあまり変わらなかったが、贅沢をするようになった。贅沢というより無駄な出費をするようになった。使わないものを買い漁ったり、風俗嬢にチップをあげまくったり、食べきれない量の出前を取りテーブルに並べるだけだったり。金銭感覚がおかしくて自分でも戸惑っていた。

その後何度か引っ越しを繰り返し、人間らしさも取り戻していった。仕事をあまりせず2年位豪遊しただろうか。そして自分の人生を振り返るようになった。

今はただ虚しい。
何もしたくない。
意味なんて無い。
早く終わって欲しい。
頭のネジを何本か失くした気がする。
暴力衝動が抑えられない。
全て壊したい。
自分は人間じゃない錯覚に襲われる。
泣きたい。
消えたい。

この男は病気ですか?

A 回答 (3件)

ずいぶんくわしいね。

ひょっとしたら、あんたでしょ
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小説?こういう人いま沢山いると思います

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分かりません。

知りたいなら病院で検査を受けさせましょう。
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