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大工は10年やっていましたが、監督としては2年目のまだ新米です。先日、41年監督をやっている先輩から「コンクリートと鉄筋の膨張率は違うから被りをとっているんだ。もしとらなければ熱(太陽熱等)によって鉄筋が暖められ、コンクリと鉄筋との間に摩擦がおき、そのこすれによってコンクリートが剥がれる原因になる」と言われました。教科書等では鉄筋とコンクリートの線膨張係数というのは一緒(近似値)で、だから鉄筋コンクリートなるものがある、というふうに覚えていましたが、先輩の意見を聞いていたら、線膨張係数と膨張率というのは違うのか、という気もしてきました。ちなみに彼は土木、建築と多岐に渡って経験しており、鉄筋というのは如何に伸縮するかも経験として、よく語ります。彼の意見は当たっているのか、或は、係数と率というのは違う意味で使われるべきなのか、宜しければ教えてください。

A 回答 (2件)

実際実験で鉄とコンクリートの膨張を計測したことがあります。

その結果では、完全に一致しているわけではないという結論を得ていますが、その差はほとんど無視できる程度有り、実用上鉄筋とコンクリートの膨張率は同じと見なしてよいと思います。

逆にそう見なせるので、鉄筋コンクリートという構造物が成立しているのであって、膨張率が異なるようでしたら、同じ温度下において膨張に差が発生して、コンクリートは破壊されてしまい、構造部材として役に立たないことになります。

なお、鉄はコンクリートより熱の伝達しやすい材料ですので、周りのコンクリートと同じ温度にすぐになります。そのためコンクリートとほぼ同じ温度状態になります。

次に、かぶりは主に、鉄筋コンクリートの錆防止のために用いられています(付着強度のためなどもその一因ではありますが)。

かぶりコンクリートは鉄筋に水分が触れるのを防ぐとともに、コンクリートのアルカリ性で鉄筋を錆(酸化)から守っています。コンクリートは空中の炭酸ガスと反応してアルカリ性を失います(中性化する)ので、その進行速度を考慮して必要なかぶり厚は決められています。

万が一鉄筋が錆びると堆積膨張しますので、周りのコンクリート押し出しひびわれを発生します。そしてそのひびわれから水分が侵入してさらなる発生を促します。また炭酸ガスが侵入することにより内部のコンクリートもアルカリ性を失い、鉄筋の保護ができなくなり、錆を進行させるという悪循環を引き起こします。

先輩という方の勘違いだと思います。
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#1です。

書き漏らしたことがあるので、補足です。

>もしとらなければ熱(太陽熱等)によって鉄筋が暖められ、コンクリと鉄筋との間に摩擦がおき、そのこすれによってコンクリートが剥がれる原因になる

太陽の熱などによる温度変化によって、コンクリートにひびわれが発生することはよく知られています。
しかしこれは鉄との膨張差によるものではないと考えられています。

よく基礎に縦のひびわれがしたから発生することがありますが、これは地盤との摩擦により発生するものと考えられています。
メカニズムは以下の通りです。

1)温度による膨張が発生すると地面を押し出して膨張する。この際コンクリートには圧縮力が発生します。
2)温度が低下すると収縮しますが、コンクリートの(株)では地盤との摩擦により、縮小を妨害する力が発生します。このため、コンクリートには引っ張り力が発生します。
3)地盤との摩擦によって生じた引っ張り力により縦に下からひびわれが発生します。

この他建物の場合外壁面上部や開口部周りに斜めひびわれが温度変化によって発生することもありますが、これらは拘束のない部分(空中や開口部)との膨張差により発生する物です(平面的に考えないといけないので、基礎のように簡単には説明できませんので詳細は割愛させて頂きます)。

最近本屋に行くとこの手の解説をしている本が結構出ていますので、興味があれば(コンクリート、ひびわれでアマゾンなどで検索すると簡単に見つかりますよ)それらを読んでみてください。
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この回答へのお礼

ありがとうございます!!職人としては自信がありましても監督としては自信がありませんでした。それはやはり参考書などによく載っている「実験」というのを経験していないからなのか、と思うこともあります。先輩の言葉に揺れたのは彼の話によると、昔はよく「実験」を行ったらしく、今回の事は実験をしていないにしろ、やはり経験からくる知識からかかなり自信をもって話すので、例え私が参考書等で勉強していても、どちらが正しいのか解からなくなっておりました。今回のsemi-zzzさんのようにきちんと実験をされた方の話を聞き、貴重な体験を分けてもらえたようで私としてはとても嬉しいです。回答して下さって、本当にありがとうございました。

お礼日時:2006/12/05 08:27

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