理解が早い?
つい先ほど
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/6269733.html
の質問で、「理解が速い」が正しいとされておりましたが、「理解が早い」が正しいのではないでしょうか。
動作が素早いと書きますように、少しの時間で住むことを「早い」と書きますから。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
どっちでも良いと思います。
漢字が入って来るはるか昔から「はやい」という言葉がありました。
日本人にとっては、「早」も「速」も「迅」も「疾」も「捷」も、みんな「はやい」の一つです。
どの漢字を当てるかは、その人の勝手です。
「はやい」の漢字の中で、一番やさしいのは「早」だから「早い」としても構わないし、「すみやかに理解した」の「すみやか」は、大抵の人は「速やか」と書くから、「速い」としてもいいと思います。
「素早い」のことですが、戦前の名作を見れば、「素早い」ばかりではありません。「素速い」も少なからずあります。
どの漢字を当てるかは、その人の勝手だと思います。
参考青空文庫ヨリ
上村松園「 画室談義」
・・・しかし時には、私が制作三昧の境にひたりきっている午後を、突然のけたたましい猫族の叫声と、目の前をサッと走るいくつかの素速い動物の巨きな影に思わずハッとなり絵筆を止めさせられることがあります。 ・・・
原民喜 「永遠のみどり」
・・・それは昔ながらの夜の川の感触だった。京橋まで戻って来ると、人通りの絶えた路の眼の前を、何か素速いものが横切った。 「いたち」と次兄は珍しげに声を発した。 ・・・
田畑修一郎「 医師高間房一氏」
・・・顔面の皮膚をひつ張る、足を立てさせる、今度は足の裏を見る、――それはまさに手慣れた、素速い、注意深い動作だつた。まさしく、医者といふものだつた。・・・
林芙美子「 新版 放浪記」
・・・速くノートに書きとめておかなければ、この素速い文字は消えて忘れてしまうのだ。 仕方なく電気をつけ、ノートをたぐり寄せる。・・・
回答ありがとうございます。参考になりました。
貴方に刺激されて「素速い」をググってみましたら788,000事例出て来ました。一方「素早い」は6,600,000回でしたのでこちらの方が約10倍使われ方が多いようです。
しかし、訓読みに漢字を当て字しただけですので、どちらが正しいと言うことは一概に言えず、ただどちらがより多く使われているかと言うことだけでしょうね。場合によっては、わざわざ用例の少ない方を使って、読者に新鮮は驚きを持たせるのも、物書きの芸の一つですからね。
そこで、手元にある数冊の本を紐解いてみたら、三浦安貞の『梅園叢書』には、「まことに」を「固に」と書き、「ひととなる」を「長る」と書いてありました。最後の幕臣と言われた山中共古の『砂払い』に山東京伝の『客衆肝胆鏡』の自敍が紹介されておりますが、その自敍には、「田螺(たにし)なく声、蛙の声、わけは聞こえぬ睦言に、日の要心さっせへませと、、、、」と書いて「ひのようじん」と読ませております。
受験や漢字検定試験はともかく、要するに、ご本人が納得すれば良いと言うことらしいですね。
No.7
- 回答日時:
「理解が早い/理解得快」「理解のにぶい人/悟性退鈍的人」(「日漢大辞典」机械工業出版社)
「理解がはやい」を上げている幾つかの辞書の用字は、上の例のように「早い」のみしか確認できませんでした。
本来の日本語のコロケーションにおいては、「理解が‥‥」に続くのは「いく/広まる/ふえる/深まる」など物事を筋道立てて熟練していくプロセスの側面があり、「理解を‥‥」では「得る/欠く/超える/求める/高める/深める」などでしょう。
それが今日では、「空気が読めるかどうか」程度のレベルでも、理解がはやいかどうかといった言葉で表されるケースが多くなったということでしょうか。
いわゆる半可通のニュアンスの強い「早合点」「早呑み込み」に対して、「速分り」として「(1)すぐ理解すること。また、早合点。(2)すぐ簡単に分かるようにくふうしてある本。(「早分り」とも書く)」(「新明解国語辞典第三版」)と、かなりデリケートな記述の辞書もあります。
確かに「速断即決」的角度からみれば「早」には「早すぎ」のトーンが混じりかねない、と。
英語では次の例があります。
「此子は理解が敏い、理解が鈍い The boy is quick of apprehension--dull of comprehension.」(斉藤秀三郎「和英大辞典」)
理解に関して"dull/sllow"といった「鈍い/とろい/悪い」意味の対象語と考えると、単に相手の話が分かるだけでなく引き続いて対応がはやいという意味では「俊敏」というニュアンスが望ましいので「敏(はや)い」が一番近しい思いもします。
とまれ、何事であれその文章や語りの流れから切り離された断片のみで適切な用字を問うこと自体にそもそも撞着の原因が宿っているわけで、そんな安易な断片だけで問われた答えとしては、何とも「かな」しかないでしょう。
簡単な質問のつもりだったのですが、日本語の辞書のみならず英語まで調べて頂いて有り難うございます。文脈の中で漢字の選択が定まって来ると言うご意見に賛成です。参考になりました。
No.6
- 回答日時:
何処かで見たような、とお示しのサイトに行ってみると、「「理解が速い」が正しい」と言ったアンポンタンは、他ならぬ僕でした。
で責任を痛感して、脂汗をかきながら、一言申し上げます。#3さんのおっしゃる通りです。
回答ありがとうございます。そこのサイトの答えが納得出来なかったので、気になって質問を立てさせて頂きました。皆さんの回答を読んで、#4さんへのお礼のところで書いたように理解して良い気になりました。受験や漢字検定試験はいざ知らず、書いている本人がどうしてもそう書きたいならそれで善しというのが正解であると、勝手に定(き)めることにしました。
No.5
- 回答日時:
おや、と思ったのはほかでもない、わたし自身の頭の隅に、つい先日哲学カテでの回答の折「素早さ」を「素速さ」にわざわざ変換し直した記憶があるからです。
そのときは「認識の素速さ」という言い回しで、どうも早の字がしっくり来ませんでした。
ところが同じ質問に際して別の箇所でわたしは、「済ませた方が早い」「計算が早い」という表記を使っているのです。
それに気付いた今、不思議に思って手許の電子辞書で漢和辞典を繰りました。
早の字は、くぬぎやはんの木の実の象形だそうですね。黒い染料に用いるので黒いという意味が転じて朝の暗いときを指すとのこと。草昧の草(黒い、暗い)と同系とあります。
ああそれで「認識が素早い」とは書けなかったのかとわれながら感心し、字面のもつ杳とした色合いが、脳神経のクリアーなパターン認知のイメージが合わなかったのか、と思いましたが、
たぶんそれだけでなく、認識が神経活動の経過的な作業で、あるとき一斉に訪れるようなものではないという判断が働いたのでしょう。
経過にかかる時間が短いことを言いたいのであって、訪れが近くにあることを言いたいのではなかったわけです。
そうすると、「済ませた方が早い」はうやむやなうちに一斉に解決しそうですからいいとして、「計算が早い」というのは面白い選択です。
わたしはこれを九九を反転する子供の割り算の話で出しましたが、大学受験の試験会場で桁数の多い筆算をしながら方程式のたてかたが間違っていないだろうかという大いなる不毛の予感と闘った遠い記憶に照らせば「計算は速い」ほうが良かったに違いありません。
しかし、記憶から引き出すか直感式の算術なら「計算は早い」のが良いような気がしているのです。薄暗いうちに終わって汗もかかないという省エネの精神でしょうか。計算するのが速いのではなく、計算の答えを出す時点が早いというわけです。
速く計算しなさい、と、早く計算しなさい、の場合、速くは経過を縮めて完了をすみやかにもたらすことですが、早くはとりかかりの時点を前倒しして完了をすみやかにもたらすことでしょう。(時点というのは左翼の発明した語彙でしたか?)
で、ご質問の「理解が早い」ですが、十も言わぬうちから一を聞いて十を理解する、手合わせの一度か二度で太刀筋を見切るなど、空が明けきらないと凡庸な人には見えないものが暗い内にもう見える、という意味では「理解が早い」というのがしっくりくるでしょう。全的な理解が訪れるタイミングが標準よりも前倒しなのでしょう。
「速く理解する」「理解が速い」は、理解の訪れる時機を表現してはいませんね。ある量をある時間かけて処理するという、たとえ短いながらも時間の幅を意識しないわけにはいきません。
この回答への補足
皆様回答有り難うございました。このまま開けておくと、雨合羽さんを凌駕する個性豊かで楽しい回答が出て来てしまいそうです。ここまで雨合羽さんを持ち上げてしまったので、ここの回答ではこれ以上どんなに楽しい文章が出て来ても、それを褒めちぎる持ち駒が無くなってしまったようですので、ここで、質問を打ち切らせてもらいます。
補足日時:2010/10/24 10:44雨合羽さんの思考の流れは何時も楽しませて貰っています。きっといろんなことが頭の中に一遍に出て来てしまうんでしょうね。でも、それが絡み合ってゴチャゴチャになるなんてことなく、チャンと滞りなく流れている。言葉と言葉の間に長距離相関があるんですね。熱死のような何の構造もない状態では相関の距離が最短で何も流れなくなっちゃって、ただただゴチャゴチャしている。それに対して、生きている系は、外から内、内から外へと情報も物質も熱も情熱もドンドン流れている非平衡状態でだけ可能なんですが、そんな流れが相関の距離を途轍もなく長くなることを可能にしてくれている。そして、その長距離相関が複雑で高度な構造を創出する。まっ、流れが相関の距離を長くしてくれているのか、長距離相関がそんな流れを作り出しているのか、ここではそんな五月蝿いことは神棚に上げて、そこのお供え物にたからしておきましょう。私はどれだけ相関の距離を伸ばせるかで、その人がどれだけ大人になっているのかを測ることができると思っているんです。だから、私も雨合羽さんの文章のファンの一人です。
一寸した質問で、またまた雨合羽さんの文章が楽しめたとは意外な副産物でした。有り難うございます。雨合羽さんのここでの思索が偉大だなんて言いませんが、重要な発見て狙った所から出て来る訳ではなく、何時も副産物として意外な所から見付かるんですね。だから、副産物は楽しまなくっちゃ。持ち上げられ過ぎて、こそばゆかったら申し訳ありません。
No.3
- 回答日時:
理解が速いは迅速にspeedyに理解する。
足が速いと一緒で速いなんですね。動作が素早いは意味を調べると敏速である。ふるまいが速いspeedyのニュアンスなのです。
日本語も結構いい加減ですね。
早いはどちらかというとearlyのニュアンスで、ある期間の中で早い時期や時刻に使われると
理解したほうがいいと思いますが、混同する部分もあります。
でも早春 早朝 早期と動きを感じませんね。
回答ありがとうございます。皆さんの回答を読んで、#4さんへのお礼のところで書いたように理解して良い気になりました。受験や漢字検定試験はいざ知らず、書いている本人がどうしてもそう書きたいならそれで善しというのが正解であると、勝手に定(き)めることにしました。
No.2
- 回答日時:
理解の何が「はやい」のか、という解釈の問題になるのでしょうね。
頭の回転が速いなどとも言いますから、理解する速度が速い、という見方はたしかに可能でしょう。
一方で、理解の速さというものは、あくまで相対的なものですから、他人と比べて早い段階で理解する、という解釈も可能だろうと思います。
個人的には後者説ですし、何気なく書いたとしても、理解が速いとはおそらく書かないはずです。
回答ありがとうございます。hakobuluさんの文章も常々楽しみの一つです。皆さんの回答を読んで、#4さんへのお礼のところで書いたように理解して良い気になりました。受験や漢字検定試験はいざ知らず、書いている本人がどうしてもそう書きたいならそれで善しというのが正解であると、勝手に定(き)めることにしました。
No.1
- 回答日時:
短い時間で熟した人を早熟と言います。
短い時間で理解した人は「理解が早い」で良いと思います。
「速い」は、時間のマイナス一次元。
「早い」は、時間のプラス一次元に注目していると考えますがいかがでしょうか。
ですから応用としは、
ある時間で沢山理解した人=>理解が速い
ある事を短時間で理解した人=>理解が早い
米虫さん、回答ありがとうございます。皆さんの回答を読んで、#4さんへのお礼のところで書いたように理解して良い気になりました。漢字検定試験はいざ知らず、書いている本人がどうしてもそう書きたいならそれで善しというのが正解であると、勝手に定(き)めました。
蛇足ですが、貝原益軒の『和俗童子訓』では、文章の法則(てほん)と読ませておりました。
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