プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

(1)中国が安いものを作って輸出し外貨を稼いだ。…これは分かります。
 
 しかし、諸外国が中国の内需を当てにして車などを現地生産して利益を挙げる。そして諸外国の経済が持ち直す。…(1)で中国が得た利益はそんなに大きいのですか。

(2)中国製品を輸入している国は自国が経済的に傾いても輸入を制限しないのですか。

 不換紙幣はもともとただの紙切れだ、というようなことが作用しているように感じてならないのは私の思い過ごしでしょうか。

経済の専門家のご指導をお願いします。
 
 

A 回答 (5件)

(1)「諸外国が中国の内需を当てにして車などを現地生産して・・」


はまちがいです。現地(この場合中国)で生産してもその「諸外国」の経済は上向きません。なぜなら、「経済」とは、企業が何かを生産するために労働者をやとったり、上げた利益から法人税を納めることによるからです。中国国内で生産したところで労働者はほとんど中国人ですし、現地法人が納める税金は中国政府に収まるのです。よってそのような方式では自国の経済は持ち直しません。これを「産業の空洞化」といいます。
自国の経済を発展させるためには企業がその「自国」でものを生産しなければいけません。ですから正しく言えば、
「諸外国が中国の内需を当てにして車などを自国内で生産して中国に輸出して利益を挙げる。そうするとその国の経済が持ち直す。」です。
では中国はなぜそんなに輸入できるかと言えば、お見込みのように「外貨を稼いだ」からです。国際的な輸出入の決済は現在ほとんど「ドル建て」です。中国は輸出によって莫大な「ドル」を手元に持っており、それを使って輸入が可能なのです。現在アメリカの国債を一番保有しているのは中国なのですから。
なぜ中国がそんなに外貨を稼ぐことができたかというと簡単に言えば為替レート(中国元とドル)を操作(制限)して、自国の輸出製品を相対的に安く維持したからです。
現在でもアメリカはこれに不満を持っており、中国元を切り上げるように再三働きかけていますが、なかなか言うことを聞きませんね。切り上げてしまえば中国製品の相対的な価格が上昇し、輸出がしにくくなってしまうからです。
日本では「円ドル相場」は毎日変化するのが当たり前です。これを「変動相場制」といい、世界の流れですが、中国では政府が統制している「固定相場制」(日本もかつて1ドル=360円という固定相場制で大いに輸出して経済発展しましたね。)といいいます。

(2)もちろん各国とも輸入ばかりしていては自国の産業が衰退してしまいますから、関税を高くするなどで輸入制限をしたいところです。しかし、そうすれば自国の消費者にとっては安い中国製品を買えなくなり、相対的に値段の高い自国製品を買わざるをえません。消費者の立場からすればそれは大きなデメリットなのです。
また、他国製品に関税を掛けて自国産業を保護しようとすれば、その対抗措置として相手国も同じ事をします。このような動きを「保護貿易」とか「保護主義」といいますが、このような事をお互いにし出すと世界経済は沈滞して世界全体が不景気に陥ってしまいます。
かつてそのような歴史の教訓から「保護貿易」はお互いやめましょう、と。世界中で「自由貿易=関税撤廃」しましょう、というのが世界の流れです。
いま議論になりつつある「TPP」もこのような流れの中で太平洋地域で関税をなくして保護主義をなくしましょう、ということです。
もちろん、このように進めば場合によっては自国の産業が衰退する可能性もあります。日本でいえば競争力のない農業などはすぐに全滅するでしょう。しかし、その代わりに輸出産業が栄えて結局国民全体に利益が行き渡るのだ、と考えられているのです。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

長文をお書きいただき深謝いたします。
知らなかったことを教えていただき、中国経済の概略が理解できた気がしました。
TPPもそういうことだったのですか。
大変勉強になりました。

お礼日時:2011/10/14 20:17

不換紙幣がただの紙切れとの認識はそれで結構です。


それに価値と信頼を与えているのは国家です。

中国の経済発展は1980年代のレーガン政権の行った新自由主義抜きには語れません。
つまり、資本家(=銀行組織)が儲かるにはどうすればいいのか。

それにはパイを増やすに限ります。それまで先進国で富を独占していました。
1980年代は中国にパソコンを輸出することすら法律で禁じられていました。
 
今では中国産のパソコンが輸入されてくるのですから、時代も変わりました。
もうお分かりだと思いますが、新興国という国に投資をして、消費者層を作り出しました。

米国の政策に日欧が続き、グローバリゼーションという言葉が流行りました。
中国だけでなく、ブラジル、東南アジア、東欧、どこも恩恵を受けています。

結局、先進国は落ちぶれ、BRISCの資源のある国が台頭、資本家だけ儲かる。
リーマンは潰されましたが、ゴールドマンは勝ち組ですよね。
金融市場は裏側に回れば魑魅魍魎とした世界です。

今度はアフリカの飢餓の問題を解決して、そこで人口を増やし、
何十年後かに新たなグローバリゼーションが始まるのでしょうね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

専門家の方でありながら、核心を大変分かりやすく教えていただき深謝いたします。
そうだったのですか。

お礼日時:2011/10/14 20:03

専門家ではありませんが、経済が発展した理由はズバリ独裁だからです。


日本のように民主主義でやってるとあちこちから言い分が出て何も決まらず前に進みません。
独裁であれば良くも悪くも即実行できますし、危ないと思ったら即中止できるわけです。

2番ですが国民が安い中国製があるのに制限をかけ、自国産の高いものばかりを買うでしょうか?
民主主義というシステムではそうはできないでしょう。

中国経済はたしかに膨らんでますが、失敗している点を全て隠蔽してるという面もあります。
かならずしも中国型成功を過大評価しなくてもいいかと。
    • good
    • 2
この回答へのお礼

ありがとうございます。
違う切り口からのご意見、目が開かれる気がします。

お礼日時:2011/10/14 19:58

 中国に外国の企業が進出した場合、その企業が得るのはその利益分だけです。

税引き後の純利益は投資額の数%に過ぎません。その数%を得るのにその企業は中国人を雇って賃金を支払い、原材料や部品を買って代金を払ったりします。つまりそれは大きなGDPを産むのです。その通貨の動きによって中国人は収入を得ることができ、中国企業は利潤を上げることができるのです。その額は進出企業が得られる利潤よりも遙かに大きなものになるのです。ですから中国政府は税金を少なくしたり、ときには無税にしたりして外国企業の投資を呼び込んだのです。
 中国はWTOに加盟しており、輸出相手国も当然その多くがWTOに加入していますから、貿易相手国は関税を上げたりその他の障壁を設けて輸入制限してはならないという取り決めがあるのです。但しその輸入量が激増して国内産業に深刻なダメージを与えているときは制限を設けることができますが、損害をちゃんと証明する必要があります。
 中国元は不換紙幣ではありません。建前としては自由に売り買いができる通貨ですよ。

 日本の場合は既に沢山の企業があって生産やサービスの供給がじゅうぶんなので、そこへ外資を呼び込んで来ると供給過剰になってしまうのでなかなか海外からの投資が伸びないのですが、中国を初めとする経済発展が盛んな国々では供給がじゅうぶんではないのでそれを外資によってまかなうことが国内の企業の存立を危うくすることがないのですよ。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

勉強になりました。『中国元は不換紙幣ではない』のですか!知りませんでした。
平易にお書きいただき、感謝いたします。

お礼日時:2011/10/14 19:53

自分は専門家ではないですが、


(1)最近は判りませんが、以前、中国人の賃金は日本の1/10と言われていました。そのため、多くの企業が中国に進出しましたが、人件費が高くなったと、今はベトナムやインドネシア・タイに変わり始めました。しかし、中国の人口は非公式でも13億人と言われています。なので、賃金は1/10でも10倍の人間が働けば日本と同じです。65年前に戦争で負けた日本が、アメリカに追いつくのに約25~30年。アメリカを追い越した日本が、台湾~韓国~中国と渡り歩いて儲けて来ましたが、生産技術的に台湾・韓国はいつの間にか日本を追い越し、GDPは中国に追い越されました。
(2)「自国が経済的に傾いても…」は、(私も含めて)多くの国民がそう感じていても、企業的には充分儲かっているんでしょうね。自分の周りの中小企業なんか、「20年も、不況が続いている」と言っていたのに、リーマンショックまでは、大企業は「今までで、最高の好景気だった」と言っていましたからね。
    • good
    • 1
この回答へのお礼

ありがとうございます。
多分関連する業界にいらした方なのでしょうね。
臨場感のあるご回答に感謝しています。

お礼日時:2011/10/14 19:47

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!