
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
おっしゃる通り、1次独立であれば一意性をもって級数展開できる。
例えば1変数実関数のマクローリン展開の場合f(x) 〜 Σ(a[n] x^n)
と一意的に展開でき、その一意性は関数系{1,x,x^2,...}の1次独立性に由来する。そして、a[n]を知るにはf(x)のn階微分を計算する必要がある。
一方、多項式の定義域を-1≦x≦1 の範囲に限定した場合、
T(n,x) = cos(n arccos(x))
とすると、T(n,x)はxの多項式で表される。具体的には
T(0,x) = 1
T(1,x) = x
T(2,x) = 2x^2 -1
T(3,x) = 4x^3 - 3x
T(4,x) = 8x^4 - 8x^2 +1
:
T(n+1,x) = 2xT(n,x)-T(n-1,x)
(|x|>1でもT(n,x) = cosh(n arccosh(x))と拡張できるのだけれども、それはさておき)そして内積を
p・q = ∫{x=-1〜1}( p(x) q(x) /√(1-x^2)) dx
とするとTは正規直交関数系になります。(チェビシェフの直交多項式系)
もちろん、関数系{1,x,x^2,...}は
1 = T(0,x)
x = T(1,x)
x^2 = (T(0,x)+T(2,x))/2
x^3 = (3T(1,x) + T(3,x))/4
x^4 = (3T(0,x) + 4T(2,x) + T(4,x))/8
:
のようにTで表せる。さて、Tによる直交級数展開
f(x) ~ Σ(b[n] T(n,x))
のb[n]を知るには、f(x) T(n,x)/√(1-x^2) の積分を計算する必要がある。
他にも、内積の積分の重み(Tの場合なら 1/√(1-x^2))や定義域(=内積の積分範囲)が異なる様々な正規直交多項式系があります。ルジャンドル多項式系、ヤコビの多項式系、ラゲル多項式系、ソニンの多項式系、などなど。
で、本題。
「どっちがどう優れているの?」という問いは、まず「どんな定義域の何を展開するか」によるわけで、上記の例ならn階微分と内積とどっちが計算し易いかはfが何であるかによって違う。さらに重要なのは、「級数展開の結果を、その後どう使う場合の話なのか」という文脈による(例えば、b[n]を知れば、ある方程式の解の(例えば)ベッセル関数系による級数展開の係数c[n]がすぐわかる、なんて場合もある)ということ。これらを指定しなくては「どっちがどう優れているの?」と尋ねても意味をなさないでしょう。だから結局、どの手を使うのが具合が良いかは、一般論で語れることじゃなくて、個別の問題による。
この回答へのお礼
お礼日時:2021/03/30 11:52
皆さん回答ありがとうございます。回答を見させてもらったところ、やはり係数の計算のしやすさが直交性の1番の利点であることがわかりました。他にも利点がありそうなので、いろいろな級数を調べてみようと思います。
No.5
- 回答日時:
ベクトル全てが、直交の時1次独立であるといいます。
1つでも直交でないベクトルを含む場合は1次従属といいます。
ある周期関数f(x)は
f(x) = a₀/ 2 + ∑[n=1~∞] (an cos nx + bn sin nx)
と、直交ベクトルsin(nx)とcos(nx)で表される。
∫[-π~π]sin(nx)sin(nx)=π, ∫[-π~π]cos(nx)cos(nx)=π
∫[-π~π]sin(mx)sin(nx)=0, ∫[-π~π]cos(mx)cos(nx)=0
∫[-π~π]sin(nx)cos(nx)=0
直交性を持つがゆえに、展開できます。
メリットは、FT変換機能付き分析器に応用されています。
FT-IRは試料に吸収されなかった赤外線を直交ベクトルに展開して
横軸に三角関数、縦軸に係数をとったチャートを瞬時に描きます。
また、MRIも体内から反射する電磁波を直交ベクトルに展開して図
にします。
No.3
- 回答日時:
関数の内積(言葉はどうでもいい,単に二つの関数の定義域上の重み付き積分)が定義できて,ある関数列がその内積に関して直交性があれば,その関数列で級数表示した場合の係数が,連立せず個々に独立して解ける,というだけの話ではないですか。
だから,ベッセル関数もルジャンドルの多項式もある内積を定義すれば直交性を持つからベンリー。お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
因数分解の式なんですけど (X+...
-
多項式の変換
-
等差×等比 型の数列の和を求め...
-
展開と因数分解
-
線形代数と解析学の橋渡しをす...
-
n角形の頂点をt色以下で塗り分...
-
素イデアルの判定がわからないです
-
なぜ、2変数以上の多項式を因数...
-
原始多項式の求め方
-
剰余の定理と因数分解(あまり...
-
LFSRの生成多項式について
-
多項式が互いに素であると証明...
-
約数と因数の違い
-
多項式について質問です。 エク...
-
5次方程式のべき級数を使った解...
-
微積分
-
三角関数系が直交性を持つとい...
-
べき乗表現と多項式表現
-
ド忘れしたんですけど、2分の1...
-
2.5みたいな数字を分数になおす...
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
(x-1)(x-2)(x-3)の展開の...
-
単項式と分数式の違いについて
-
多項式について質問です。 エク...
-
(x+3)(x-3)(x^4+9x^2+81)の展開...
-
余次元って何?
-
データのノイズ除去法 - Savitz...
-
等差×等比 型の数列の和を求め...
-
斉次とは?(漢字と意味)
-
数学 因数分解 X^3+x^2+x−1 ...
-
なぜ、2変数以上の多項式を因数...
-
単項式とは
-
M系列の生成多項式と原始多項式...
-
三角関数系が直交性を持つとい...
-
素イデアルの判定がわからないです
-
約数と因数の違い(∈N)
-
高3の微分についての質問です。...
-
降べきの順について分からない...
-
これがどうしても分かりません❗...
-
因数分解の問題です。教えてく...
-
最小公倍数と最大公約数の問題...
おすすめ情報