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機動戦士ガンダム水星の魔女はレビューサイトでは低評価が多い理由や要因はなんですか?

A 回答 (1件)

私の主観は以前お伝えしましたが、他のレビューまとめなどを読むと一期のテンポが悪かったというのが大きかったようです。

期待感を受け止めて良い話にする力が無かったんでしょう。

以下は長いのでお暇なときにでもどうぞ。勝手な意見を継続します。

二期の方が面白かったという人も多いみたいです。

問題なのはこれまでにガンダム流をやりすぎて(二期がガンダム流に戻った感じ)、他のタイプの作品作りをスタッフが分からなくなっている事でしょう。シリーズの定番に甘えすぎてしまい時代の捉え方について甘えがあったという事です。

視聴者はアニメや漫画作品から「何かを得たい」と思っています。なので自分が欲しいものが分かってない人達ですね。そこからマーケティングしてもしょうがないんですよね。他の人の意見を聞きすぎるとこうなっちゃう。少しづつキャッチアップ(自分が慣れていく)すれば良かったと思います。

変え過ぎたんです。

ビジネスでも強み弱み分析をしたり、お客さんの望み、ライバルのやり方などを見て自分に出来る範囲で最高のパフォーマンスを狙います。簡単に言えば敵を知って己を知り、大きく間違っていない方向を決めて置けば、アドリブでも何とか成るという話です。

今回は女性主人公にしたり、女性同士の恋愛を描いたり、ガンダムらしさを失うまいとしたり、ニュータイプに変わる新しい特技を持ち出そうとしたり、ガンダムに誰もが乗れない制約作りで苦心したりと色々やり過ぎたんです。

では今のガンダムはどうすれば良かったのか?

「閉塞感を打開するために旧来のガンダム人気を払拭しよう
 として色んなシリーズを出したがそれが問題だった」

という事なんです。

いまもオジサンが一生懸命かじりついているのは消化不良だからです。卒業できないんですよ。ニュータイプと言う概念が哲学化されたり、何だか訳の分からない物に変わったり、何かありそうに見えたのに真ん中を捉えていない様に思えたって事です。

特に研究機関が人間を改造して能力強化をしているという当たりで大分ズレてしまった。本当は人間本来が持つ本能が宇宙空間と言う厳しい環境で目覚めていき、それがどういう形で発現していくのかをSFとして見たいという話であったはずです。

そういう路線に成らなかった。そこで「そうなるまで我慢だ」と粘ってしまい、他の楽しみを見つけようとした。制作サイドはそちらが受けているのだと勘違いし、本来やるべきことが分からなくなった。ずっとお預けをくらっているというのが現状です。勿論、若い世代に通用しません。

振り返れば、巨大ロボットから兵器への発想転換。ニュータイプと言う概念を発明したのがガンダムシリーズの強みだったはずです。また、少年の成長というテーマも初めてじゃないかな?。ここを伸ばせと言う話であり、ガンダムと言う名を借りて他の作品を作れという分けじゃなかったはず。

「今の時代の少年へ向けて、どういう成長を願うのか?
 自分らだけは少年をターゲット層にするよ?」

こういう発想が差異化であり、ビジネスの発想です。
しかし、このあたりを変えてしまった。そりゃガンダムとしては新しいですがコアコンピタンス(競争優位性)を捨てたら終わりでしょう。

オジサンたちにはもう一度古いニュータイプをクローズアップして貰い、少年が成長していく姿を見たいんです。そしてそれが今の少年たちの心も動かしワクワクさせるのだと知って落ち着きたいんですよ。

水星の魔女はそれらの否定から入ったという事です。これは本末転倒でしょう。あわてて既存ファンへ忖度していますが、既存ファンが求める部分すら分かっていなかった。

「貴方たちはギスギスしたのが好きなんですよね?」

「お前ら俺を何だと思ってるの?」

SEEDやOOなどでは変化が受け入れられましたが、それは短期的な成功であって本道じゃなかったと思いますよ。しかしその成功により迷いが出たというのも見えます。

サンライズはマーケティングをしないで済むのが強みのはずです。過去作品が膨大にあり、その中で異色の作品が受けているものがありますよね。そこから何故なぜを繰り返して行けば答えが見つけやすいはずですよ。

今のポリコレやガンダム離れ、世代間ギャップによる嗜好の違いは、予兆があったはずです。そうした分裂によって殆どの人が苦しんでいます。どういう形で折り合うのか皆が悩んでいるんです。そういう中で彼らが主張するものをバラバラに入れたらどうなるのか? 今回みたいになります。

「制作サイドは要素を取り入れるだけではだめだろう。
 折衷案として皆が妥協できる真ん中をイメージするべき」

私は昨今の悩み相談をしていて色々思うんです。とりあえず皆さん「無限のリヴァイアスを見るべき」ですね。

ポリコレはそのまま入れたらアウトですよ。ハリウッドが衰退して行っている部分を入れる必要はありません。鬼滅の各キャラが美人度控えめだったらどうなっていたか? 鬼滅が受けているのはポリコレの逆風であって作品自体がシンボル化しただけだと思います。一方で美少女SF定番であるガンダムが男臭い殺伐とした作品を作ったりしていたらヤバいと思います。

「水星の魔女については他の作品シリーズの方々が喜んで
 いるだろう。サンライズもとうとう迷ったか!」

色んなものを「俺がガンダムだ!」と皆さん主張しているわけですから、もう一度1st踏襲に戻り、ニュータイプの可能性を(哲学的にするんではなく格好いいという部分で焼き直し)クローズアップし、少年が美少女に囲まれて悶々とする中で、大人の女性に認められて一皮むける話としたらどうでしょうかね。

トランスジェンダーを採用したいなら「リボンの騎士」という名作がありますよ。既に大先生から「こういうのなら一般の人も喜ぶ」という答えを頂いているでしょう(つまり折衷案を作るという発想。日本人にしかできないカスタマイズ力)。

またガンダムらしさを裏切りと殺伐さにするのではなく「無限のリヴァイアス」に置き換えればいいでしょう。皆が正しいと主張するスタイルがぶつかり、それぞれが破綻し、何が正解か分からなくなる。

そんな中で主人公が選ぶ選択がつまらないものであったのに、大正解であった。そういう子供に教える何かが無いとテーマが綺麗ごとに成ります。未来の夢を語ってぼかしたり、ショックを与えるだけの話はもう無理でしょう。

またガンダムだけではなく、他の日本アニメが人気であった(20世紀の)理由は女性主人公が自立して闘っているからだそうです。つまり、既に日本アニメの方でポリコレの正解を出しており、今まで通りで良かったという事です。SEEDの様な皆が美男美女でというのさえやらなければ、従来のガンダムの美少女度合で合格だったと思います。今回はパワーダウンしていますよねえ。鬼滅だけではなく推しの子にも負けてますからね。

昨今の(洋画を凌ぐ)狂ったような海外からの支持も含めて考えると、日本アニメやコンテンツは極東に浮かぶリゾート地みたいなもので、美人度を落としたらガンダムの様な定番コンテンツでも消滅すると思います。

そこには「美人度が上がるとコミカルな物しかない、シリアスな物は美人度が皆低い。何だこの満たされない気持ちは?」という事で真面目な作品で美人度MAXみたいなモノを見たいんです(鬼滅は該当)。そういう怒りみたいな欲求に乗るだけの地力がサンライズにはあるはずです。

水星の魔女は敢えて逆風に乗った感じがします。
一般作品としては良作ですけどね。

「最近のコンテンツ業界の惨状を見ろ!
 お前に求められているものを自覚しろ!
 それが分からないなら消えろ!」

というメッセージが不評の原因だと思えます。

以上、ご参考になれば。
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