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aを実数として、log|e^(iθ)-a|を0≦θ≦2π上での積分を考えていたのですが、
|a|>1の場合なら、(調和関数の)平均値定理によってlog|a|となることが分かるのですが、
|a|=1のときにどうなるかがわからなくて困っています。
誰かご教示願います。

A 回答 (2件)

こんにちは。



z = e^{iθ} とおきます。

dz = i e^{iθ} dθ = iz dθ

∫_0^{2π} log|e^{iθ} - a| dθ = ∫_C log|z-a|dz/iz … (1)

で、C は原点を中心とする半径1の円で閉曲線です。

|a|≠1のときは、留数定理で、z = 0 の pole を拾いますので、

(1) = 2π log|a| になります。

|a|=1 では C が log の中が 0 になるところを通りますが、
log発散なので、関係なく、2π log|a| = 0 になります。


実際…

a = 1 のとき、e^{iθ}-a は、θ=0で 0 になるので、
log|e^{iθ} - a| は定義されておらず、そこを除いて積分したものと解釈すると、計算する積分は、

lim_{ε→0} ∫_{0+ε}^{2π-ε} log|e^{iθ}-1| …(2)

ですが、z = e^{iθ} の置き換えを同様にすると、

(2) = lim_{ε→0} [∫_{C'} log|z-a|dz/iz - ∫_{C''} log|z-a|dz/iz]


となります。ここで、C' は、原点を中心にした半径1の円上を、z=1+iεから出発して反時計回りに回ってz=1-iε に到達し、そこからは、z=1を中心に半径εの円を時計回りに回って、再びz=1+iεに到達する閉曲線です。εは好きなだけ小さく取れるので、2次の微小量を無視して書きました。C''はC'のうち、z=1の周りの小さい半円の部分です。

C' については、留数定理を同様に使い、2πlog|a| = 0 が得られます。

C'' については、z=1+εe^{iφ} とおくと、dz=iεe^{iφ}dφより、

∫_{-π/2}^{π/2} log|εe^{iφ}|iεdφ/(1+εe^{iφ})
= i log|ε|ε・∫_{-π/2}^{π/2} dφ/(1+εe^{iφ})

ですが、これはε→0の極限で確かに0になります。

a=-1のときも同様です。


故に、a の値に依らずに、

∫_0^{2π} log|e^{iθ} - a| dθ = 2π log|a|

が得られます。

この回答への補足

回答ありがとうございます。
分からない点があります。
何故、有理型でないlog|z-a|/izに留数定理が適用できるのでしょうか?

補足日時:2007/08/11 14:37
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ANo.1です。



> 何故、有理型でないlog|z-a|/izに留数定理が適用できるのでしょうか?

「有理型」というか、正則ではないから留数定理は適用できないのではないか?という意味ですよね。疑問もごもっともと思います。

たしかに、log|z-a| は |…|が含まれるので正則ではないのですが、
もとの関数 log|e^{iθ}-a| に戻って考えてみると、

log|e^{iθ}-a| = log√[(e^{iθ}-a)(e^{-iθ}-a)]
= (1/2) [log(e^{iθ}-a) + log(e^{-iθ}-a)]

なので、第1項の積分は、

(1/2) ∫_0^{2π} log(e^{iθ}-a) dθ
= (1/2) ∫_C log(z-a) dz/(iz)

になります。いま、|a|≧1 なので、複素平面のカットを z=a から単位円と反対側の無限遠方にとれば、経路Cはカットをまたがずに取れるので、以下の計算はANo.1と同様です。

第2項 の積分は、

(1/2) ∫_0^{2π} log(e^{-iθ}-a) dθ

ですが、φ = -θ+2π とおくと、

= (1/2) ∫_0^{2π} log(e^{iφ}-a) dφ

になりますので、第1項と同じ値になります。係数の1/2も考慮して、全体の結果はANo.1に示したとおりになります。(|a|≧1はご質問文により前提。)


ちなみに|a|<1 では、a=0 では log(1)=0 より積分結果 0 なのは明らかなので、a≠0と仮定して、

log|e^{iθ}-a| = log|a| + log|(1/a) - e^{-iθ}|

ですが、第2項の積分は、φ = -θ+2π とおくと、

∫_0^{2π}dθ log|(1/a) - e^{-iθ}|
= ∫_0^{2π}dφ log|e^{iφ} - (1/a)|

と変形できるので、|1/a|>1 より |a|≧1の結果を適用することができ、2πlog|1/a| になります。第1項の log|a| の積分

∫_0^{2π}dθ log|a| = 2π log|a|

とあわせて積分結果は 0 になります。
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この回答へのお礼

丁寧にありがとうございます。
大変良く分かりました。

お礼日時:2007/08/14 14:47

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