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学校の軽音楽部でボーカルをすることになりました。
当たり前ですが歌を歌うのは初めてではありませんが、ボーカルという本格的なものは初めてです。
どうやって上手く歌うのか、ボイストレーニングの方法や大勢の前で緊張しない方法など経験者の方、ボーカルという役について教えてください!

A 回答 (1件)

合唱のトップテノールの者です。



うまく歌いたいとか、どうやれば高音を出せるようになるのかという質問は非常に多く、過去ログを調べてみれば、たくさん見つかるでしょう。私も、なんど同じことを書き込んだか、分かりません。従いまして、発声法そのものについては、過去ログを色々と検索してみてください。

大前提としていえば、tgt様が男性であれば、そもそも声変わりが完了しているのだろうか?という問題があります。声変わりは複雑で数年をかけて進んでいくものであり、今、出せる声が、声変わりの完了後に出せるとは、限らないのです。

また、いろいろな人が書き込みをしていますが、その中には正統派のものもあれば、裏技に近いようなものもあります。重要なのは、ボイストレーニングというのは、通常、2~3年の本格的な練習を要するもので、簡単に身につくものではないということ。これは、覚悟しておいてください。もうひとつ重要なのが、どの程度、高い音を出す必要があるか、です。人間、もち声というものがあり、上限はある程度、決まってしまいます。トップテノールの基準は1オクターブ上のラの音を出せることで、この高さに地声で到達できる人は、経験上3人~5人にひとりだと思います。

困ったことに、男性歌手には、これをさらに超える高さの人がいるのです。ロック・フォークのアルフィーの3人のうち、高見沢は着実に2オクターブ上のレまで出しますし、桜井は高さでは高見沢に劣るかもしれませんが、男らしい正統派美声を高音で出す能力が高く、おそらく、2オクターブ上のドまでは行くでしょう。この2オクターブ上のドを出すというのは、オペラでは非常に重要なポイントで、桜井ならオペラ歌手としても通用するでしょう。高見沢だと、ヤサ声系なので、オペラ歌手は無理でしょうが。坂崎の声はあまり高くありませんが、それでもトレーニングなしの人間より音域が広いのは確実であり、しかも、彼はボーカルとしてよりも、アコースティック・ギターとフォークの専門家として理解するほうが向いている人物だと思います。

また、趣味ではないのであまり聞きませんが、フォークの小田和正は着実に高見沢と同等の高さがあります。

バンドのボーカルが合唱のトップテナーと全く異なるのは、「同じパートのメンバーと、母音の発声をあわせる必要がない。自分が好きな、声作りをすればよい」という点だと思います。合唱の場合、例えば、イの母音を口を横に広げて浅く出すタイプの人と、口を縦にあけて深く出すタイプの人が混ざっていると、パートが割れてしまいます。通常は、後者の深く出すタイプにあわせるのですが、メンバーによって声の質は当然、変わってくるのです。

一番良いのは、自分の声を録音して聞いてみて、納得できる声を目指して色々と工夫してみることだと思います。どのような声作りをするかは、tgt様の自由です。例えば、私のもち声は、本来、小田和正のような細くて硬質なものですが、ソプラノが使う「ほほをあげて歌う」というテクニックを、張りつめた腹筋から送り出される空気による、なめらかな歌い方と併用すると、やさしい包み込むような声に変わります。これは合唱では使ったことのないテクニックですが、女性歌手の曲を個人的趣味で歌っている時には、非常に役立つテクニックです。逆に、「こんなに下手なのか」と思った場合は、どこから直していったらよいのか、目指す音はどんなものか、考えればよいでしょう。

うまく歌うコツですが、まず、たいていの人は本来の高さより少々低めに歌っており、音が暗く聞こえます。多少、上ずっているかな?くらいでちょうど良いと思いましょう。また、バンドのボーカルは合唱と違い、ずっと歌い続けなくてはなりません(合唱ではひとりが1小節くらい休んだって、聞き手に分かりはしません)。そのため、もち曲を作るに当たっては、どのタイミングで息継ぎをするのかということを考え、ある程度、パターン化しないと、あっという間に空気が足りなくなります。合唱やPOPS向けのベルカントと呼ばれる発声法は、もともとは、マイクを使わない大型ホールでも、客席の一番後ろまで声を届かせるという大声量を出すことを目的としていますが、この能力を応用すると、マイクを使う場合は、少量の空気で長い間歌い続けることができるという、別のメリットがあります。

また、ボイトレで高い音を出せるということと、常時、美しい声で歌い続けることが出来ることは、別の話です。私の場合1オクターブ上のラをはるかにこえ、2オクターブ上のファくらいまで出したところ、ボイトレの先生が「きりがないから止めよう」と言い出しました。驚愕した先輩が「これはカウンターテナーとはちがうのですか?」と聞いたところ、「カウンターテナーではない。カウンターテナーは要は裏声だが、harepanda君の声は明らかに表声だ。多分、分類上はドラマティック・テナーと言って、表現力に幅のあるタイプだ」と言われました。確かに、私は、硬く歌うこともやわらかく歌うことも出来ます。でも、そのレベルに到達するまで2年かかりました。

私のいた合唱団では、1年目で基本をマスターし、2年目で自立、3年目以降で新入会員の指導に当たるという緩やかなルールがありました。最初に2年間は、ほとんど毎週のように先輩から、「だからお前は、口が平たいんだから、縦に口を開かんと、だめだといっているだろう」とか「下手くそなやつに下手さ加減を理解させるには、マネをして聞かせるのが一番なのだが、お前の真似などできん」と言われていました。それでも、2年目の後半ともなると、声量は増え、その気になれば他のテノール全員の声を消してしまえるほどの声量を出すこともできるようになり、トップテナーにつきコントラアルト(女性で一番低い人)ととなりで歌って、「今うまくいきましたね」「いったいった」とかいう会話が出来るくらいになってきました。混声合唱は、男性合唱と比べ、和音をハモらせるのがはるかに難しいのです。この、トップテナーとコントラアルトがキチンとハモっていることは、合唱全体にとって、決定的に重大なのです。

ある日、指揮者が気まぐれで言いました。「アルトの音量が足りん!もっと硬い声でピーンと出せないのか?ここはアルトが足りないと、和音が成立しないのだ…よし、harepanda、お前がアルトに加勢しろ」。何だこりゃと思いつつ、楽譜とにらめっこし、指定された場所でアルトに切り替えた瞬間、何かが今までと変わった感覚がし、透き通った高音がのどに一切の負担を感じさせず抜けていったのです。指揮者は、「よし、このバランスでいこう」と納得。小休止の時、先輩に言われました。「美しいじゃないか。それでいいんだ。やっと分かったか。」

つまり、どんな恵まれたもち声の人でも、それをフルに使いこなせるようになるのは、2年か3年が必要という典型例が、私です。道は長いので、気長にやりましょう。

大勢の前で緊張しないコツは、私の場合は、「曲ののりにあわせて、気分を盛り上げていく」という方法と、「客の頭をキャベツだと思う」という方法を使っていました。しかし、バンドという特性を考えると、ずっと歌いっぱなしではなく、途中でMC(曲の解説や小話)が入るということを考慮しなければならず、必殺キャベツ作戦は、通用しそうにありません。その場合は、MCを、ボーカルではなく、他のメンバーにやってもらう手もあると思います。

多くのバンドでは、ボーカルがリーダーですが、別に、そうでなければならないというルールなどありませんし、MCをやってみたいというメンバーもいるでしょう。TOKIOはあまり上手なバンドとはいえませんが、破綻せずに何とか機能しているのは、一見ちゃらんぽらんなリーダーの城島がしっかりしているからです。和声が多く難しいバンドの部類に入るアルフィーが機能しているのは、桜井が美声だけではなく、エレキ・ベースの奏者としてしっかりしているからです。一番低い音を担当している人が間違った音を出すと、絶対にバンドはうまくいきません。また、谷山浩子という歌手がいるのですが、この人は事実上、石井AQとのバンドと言ったほうが正解であり、MCの最中に石井AQとのコントのようなものが入ります。石井AQ作曲の「ドッペル玄関」が出た時は、石井が踊り、ファンが拍手で応えるのが、ライブにおけるお約束です。
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この回答へのお礼

くわしくありがとうございます。もう解決してしまいました。

お礼日時:2008/04/26 14:53

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