質問はタイトルの通りです。
仕事の関係でYUVに接する機会があったのですが、
そもそもアナログでも最初からRGBを採用すれば良かったのではないかと思いました。
それに対する結論はRGBだと情報量が多くなるので、
情報量がより少ないYUVが採用されたと一応結論づけていました。
ところが実際にYUVをみてみるとYC分離だのやっていることが結構複雑で、
とてもRGBとYUVの情報量の差だけの問題ではないような気がしてきました。
すると次に考えたのは電気的特性からYUVが採用されたのではないかということです。
しかし、ここまで来ると私では全くのお手上げになってしまいました。
ご存じの方、よろしくお願いいたします。
No.5ベストアンサー
- 回答日時:
専門分野なので少し詳しく説明致します。
日本のテレビ放送はNTSC方式で白黒のテレビから放送が始められ、1CH当りの周波数帯域割り当ては6MHZです、この中に映像信号と音声信号を包括する必要が有り、映像搬送波は下から1.25MHZの位置に有り更に其の上4.5MZに音声搬送波が有る為、映像信号帯域幅は4.2MHZとなっています。(4.5+1.25=5.75音声帯域として6-5.75=0.25MHZとなり4.5-0.25=4.25だが干渉を防ぐ為映像帯域を4.2MHZとしている)
水平解像度は4200÷16(水平走査線周波数15.75+帰線時間分0.25)=262.5になりますが此れを出発点を変えて奇数と偶数に分けて2回送る事により、525本の解像度を得ていますが、合計1秒間に30枚の画面を送る事になります。(インターレース方式と言う)
此処に更にカラーの信号を載せて白黒と互換性を図るのですが、映像信号で鮮鋭度が必要なのは輝度信号で此れをY信号と言い、映像搬送波から3.58MHZ上にカラー信号用の副搬送波を設けて、(この信号は水平同期信号の後ろにバースト信号として送りこの信号で3.58MHZの水晶発信機の同期を取る)この搬送波にI、Q信号と言う直交2相変調によるカラー信号を送ります。(映像信号と同居するのでインターリーブと言う)
この信号を復調してマゼンタとシアンの色信号を取り出しますが、此れは赤と青つまりYUVでは有りません、更にイエローが欠落しています、これを輝度信号と足し算して赤、青、緑の信号を作るのです。
此処でなぜRGBでは無くYMCを使うのかと言うと加算回路が簡単になるからです。
尚、色信号は細かい情報を送る必要が無く最高1.5MHZの帯域で現在のアナログカラーテレビの色を再現しています。
詳しいお話ありがとうございます。
物理的な特性を現段階で理解することは少し大変なのですが、
そこで書かれたことは今後ノータッチというわけにもいきそうにないので
今後の参考資料とさせて頂きます。
加法混色の世界でYMCが出てきたのは少し驚いています。
No.3
- 回答日時:
既にNo.1さん、No.2さんがベスト回答してますね。
今からみると簡単なことでも当時は白黒映像が出発点だったわけです。
TVが普及すればするほど大規模な変更ができなくなりました。
なぜなら大変更すればTVを購入した人全員に負担を強いるからです。
そのため最小限の変更で最大限の成果が得られるように改良してきました。
同じような話としてインターレースがあります。
誰もがノンインターレースの方が素直な技術であると考えていたけれどコストと情報量が問題だったのです。
そしてPCでノンインターレースが簡単に表示できる時代になってもTVはインターレースのままでした。
結局TV内部でインターレースをノンインターレースに変換する技術が発展しました。
ご回答ありがとうございます。
インターレースは時々取り扱いますが、そのような背景までは考えたことがありませんでした。
今回、質問したことにより面白い話が聞けたと感謝しています。
No.2
- 回答日時:
アナログテレビのY輝度信号は白黒放送(白黒TV)との信号を共用するために、必要、最低限のもので、カラー化でデジタル放送に移行のように、白黒TVを皆無にはできないので、NTSCPALSECAMなどありますが?Y輝度信号は残ったのではないでしょうか。
目には、輝度信号が一番敏感で、その次に色で色も敏感なものの方が情報量が多かったと思います。
既存の白黒TVをほとんど改造無しで有効に活用できる技術の方が、今のアナログ使い捨て(チューナー追加)より良心的だったのでしょうね。
ご回答ありがとうございます。
白黒テレビの時代まで遡るのですね。
前の方から回路設計が簡単になるとの回答を頂いているので
当時はそれがベストだったようですね。
No.1
- 回答日時:
>そもそもアナログでも最初からRGBを採用すれば良かったのではないかと思いました。
もっと時代背景をさかのぼって調べてください。
>ところが実際にYUVをみてみるとYC分離だのやっていることが結構複雑で、
>とてもRGBとYUVの情報量の差だけの問題ではないような気がしてきました。
モノクロ(Y)テレビの放送波はそのままで、カラー(C)のデータを乗せたのが今のアナログ電波です。
理由は今の地デジへの移行のような買い替えを(ある意味無理矢理に)行うようなことがなく、モノクロでもカラーでも受信できるようにしたための工夫です。
Y/C分離はこういった事情からのおまけでしかありません。
また、YUVならばは簡単な回路で実現できます。
TVは国内放送が始ってからすでに50年が経過しています。カラー放送でも40年近くが経過しています。
逆に言えば50年近くも前の技術で実現できる方法により作られています。
今の技術理論をあてはめて考えるのではなく、当時の技術状況も考える必要がありますよ。
ご回答ありがとうございます。
時代背景を遡る、良いお言葉だと思います。
実は私が知りたかったのも時代背景的なことでした。
ところが私は電気の技術者ではないので事情が皆目見当がつきませんでした。
今回のYUVとかRGBは映像関連のソフトウェアの開発でタッチしまして、
ソフトウェア上ではYCbCrを使った変換式で互いに変換できてしまいます。
この2つの色空間の違いが結構厄介だったもので(RGBオンリーなら簡単なので)
次第に2つの色空間の違いというかYUVの存在理由に興味を持ちました。
>YUVならばは簡単な回路で実現できます
結局、この一言に集約されるような気がします。
この回答も自力だ辿り着くのにどれだけ時間がかかったか分かりません。
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