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電車に乗ると車内の暖かさが心地よく感じられる季節になってきました。そこでふと思ったのですが、鉄道車両の暖房はなぜ電熱式が主流なのでしょうか?
温暖地では、家庭あるいはオフィスでも暖房は既にヒートポンプ式のエアコンが主流ですよね。ヒートポンプ式暖房ならば、同じ消費電力で電熱線の数倍の熱を室内に持ってくることができると聞きます。
その特性を考えると、寒地の車両であれば電熱式なのは納得できます。しかし、関東以南の温暖地域を走る車両でも、一貫して座席下のヒーターを使っているのは何か理由があるのでしょうか。
電気代の差額と、ヒートポンプ式エアコンの導入費用を比べた結果なのでしょうか。

A 回答 (6件)

 列車の暖房の歴史は古く、我が国では凡そ暖房のない車両なぞ創始期を除いては考えられないことでした。

それに比べ冷房は後発で、あの国鉄20系こだまに設置されたのに驚嘆したほどでした。
それが現在にも続いており、暖房の熱源が蒸気が電気に変わったとは言え、在来暖房方式車に冷房装置を天井につけたという形態が一般的です。
しかし、その間にはいろいろと冷暖房方式に思考錯誤はされてきましたし、ヒートポンプ式も採り入れられてきました。

 外気が32℃のとき室内が27℃であれば涼しいと感じますが、外気が5℃のとき室内が10℃では左程暖かいとは感じません。冷房時気流があった方が涼しいと感じますが、暖房時には気流がない方が暖かく感じます。
一般的に暖房時の方が熱負荷が大きくなっており、冷房対暖房の負荷の比率はおおまかに言って、特急などの車両では1:3位、通勤車両では1:2位となっています。
車両の冷暖房はこう言った考えのなかで設定されていると思えます。

 車両にヒートポンプ式空調機を設置した場合、その容量を冷房能力で設定すれば、暖房時ではそれ以外の温風ヒーターや放熱器の設置が必要となります。そしてそれ以外の方が容量も大きく、暖房方式の主流になります。
空調機の容量を暖房容量で設定すれば放熱器等は必要ない理屈ですが、冷房時の2~3倍の容量が必要で、空調機が馬鹿でかく、重量も半端ではありません。また、ヒートポンプエアコン暖房の特性として、外気が下がるほど熱効率が悪くなるという欠点があります。
 そのどちらとするかという比較、また設置費・重量・メンテや信頼性などの諸条件の比較検討結果、空調機+放熱器の選択になっていると思えます。

 最近ヒートポンプ方式も多く採用されるようになり、東急5000系やJR東日本のE233系などの車両でも見かけられます。確かにヒートポンプ方式は電熱方式に比べ理論的には最大3.5倍位の熱効率がありますが、全体的な効率を考えますと実際はもっともっと少ないと思っていいでしょう。ですから冷房負荷で装置容量を決め、それで賄える範囲で暖房に利用しているといって良いでしょう。
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この回答へのお礼

熱負荷の大きい暖房に合わせた空調機を載せた場合、温暖な日本では1年の大半、不必要なものを積んで走ることになってしまうわけですね。
暖房と冷房で感じかたに違いがあるという点も重要な気がします。
一見非効率的に見える今のシステムは、実は考え抜かれた結果だということを再認識しました。
詳しい回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/12/02 00:28

鉄道車両用のエアコンは、一般家庭・オフィス用エアコンに比べると遥かに厳しい設置・使用環境にありますので、たとえヒートポンプ式のほうが効率が良くても鉄道には使いづらいのです。



理由その1
暖かい空気は上に上がり冷たい空気は下に下がる特性から、冷房は天井から吹き出して暖房は床近くから吹き出すのが望ましいが、両者の条件を満たすダクトや熱交換器の配置が難しい。
かといって、暖房・冷房双方で専用のダクトや熱交換器を設置すると、車両製作費用のアップや車両重量の増加、メンテナンス費用の増大を招いて鉄道会社にとってはデメリットが多い。

理由その2
仮に天井の冷房用ダクトを暖房にも使用したとすると、暖かい空気は上にしか行かないので車内上方のみ暖かくなり、座っている客が暖房の恩恵に授かれなくなる(オフィスでもこういう現象が起こってます)。
また、鉄道車両の空調は、旅客の乗り降りやドアの開閉により空気の入れ替わりが激しいうえに乗車人数が激変する為に強力な空調能力を必要とするが、このような強力な暖房を天井から吹き出すと、高温で体調不良を起こす乗客が発生して電車の遅延を招くだけでなく、お客からの苦情が増大する(逆に、暖房を弱くすると座っている客から寒いと苦情が出る)。

理由その3
電熱線方式だと、暖房をかけつつ満員状態の立ち客の為に弱冷房や送風を行なうという併用運転をする(東京圏の朝ラッシュは混雑が酷いのでこれをやります)ことができるが、ヒートポンプではこれができない。

理由その4
近年の車両(特に通勤用車両)は、コストダウンや車内清掃の容易化のために、座席を片持ち式にして座席下を空ける傾向にあるが、ヒートポンプ式にするとダクトを設けなければいけないので、こういった構造にはし難い(これは電熱線方式だから可能になった構造)。
床下に空調装置を設置して、そこからダクトで温風・冷風を送る方式なら解決できるが、温風用、冷風用それぞれのダクトが必要なうえ、側面にドアが多数ある車両では上方に立ち上げる冷房用ダクトが設けにくい。

とまあ、様々な理由によってヒートポンプは車両の空調には使いづらいのですね。
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この回答へのお礼

詳細な回答ありがとうございます。
twilight77様が指摘された理由その2、その3が重要な気がしてきました。
通勤電車ですと、着席している人、立っている人両方の快適性を確保しなければいけないわけですから、確かにおっしゃるとおりだと思います。
一見理解できないように思われたシステムにもちゃんと意味があるということを実感しました。

お礼日時:2008/12/02 00:13

効率の問題もそうなんですが、鉄道車両は長時間使いますので、故障を


極度に嫌う体質があります。ヒートポンプはクーラーよりシステムが
複雑なだけでなく、原理的に氷点下になると極端に効率が低下するだけ
でなく、無理に運転すると故障しやすいという問題があります。

その点、電熱器はシステムが簡単で故障が少ないというメリットがあり
鉄道会社の体質と合うのです。ヒートポンプを採用しても、結果として
定着しないのはそういう「極度に故障を嫌う」鉄道会社の嗜好という面
もあると思いますよ。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
走行機器と無関係な空調といえど故障がおきたら、運行上困るわけですね。

お礼日時:2008/12/02 00:05

ヒートポンプ式の暖房を国内で大々的に採用した例としては、今日の引退で注目を集める0系新幹線電車があります。

結局暖房能力不足で、補助として積まれた電熱線をかなり使っていたようですが。
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この回答へのお礼

デッキで外気と仕切られ、かつ停車間隔が長いという新幹線列車なら、確かに温風式でも大丈夫な気がしますね。
回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/12/01 23:59

一応、相鉄7000系の一部の車両にヒートポンプ式の暖房を採用したものがありました。


天井の送風機から温風が出てきた記憶があります。

ただその後の形式に続けて採用されたという話は聞きません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。
導入が試みられたことはあったわけですね。
短命で終わったのは、No.1の方がおっしゃっているように、温風式の弱点が露呈したためかも知れませんね。

お礼日時:2008/12/01 23:45

ちょっと考えてみれば判ると思います。



エアコンのような方式は、空気を暖めます。
空気は高い所に昇りますので上に上がりますので、足元は暖まりません。

さらに、電車は乗りの度にドアを開けます。
ドアがあれだけの数、開けば、せっかく暖めた空気は皆外へ出て行ってしまいます。

電熱線のヒーターは、空気を暖めるのではなく、輻射熱で暖めます。
(空気も温まりますけどね)
輻射熱であれば、空気の移動は関係ありませんので、効率よく温まります。
実際に足元が暖まればまだ寒さはしのげますが、天井付近だけ暖まっても乗客にはメリットは少ないですからね。
さらにドアが開けば外と同じ気温になってしまうわけですし。

電気代よりも、その効率性を考えたら、足元の電熱線や赤外線ヒーターの方が、空気を暖める暖房より、良いと思いますよ。
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この回答へのお礼

kisinaitui様の回答を拝見してハッとしました。
確かに温風だと輻射熱は期待できませんね。
家庭用のエアコンでも足元を温めるには真下に向かってかなり強く送風しなくてはなりませんし。
納得のいく回答ありがとうございました。

お礼日時:2008/12/01 23:42

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