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The Clarinetという雑誌で、次のような記述を見ました。

昔はリードはマウスピースの先端が髪の毛一本分ぐらい見えるくらい下げて付けるように指導されていたが、最近のマウスピースは下げる必要はなく、むしろ上でもいいくらいだ。

これは正しいのでしょうか?
佼成のクラリネット奏者の方が書いていました。
クラ歴2年間ですが、ずっと下げて付けていました。
詳しい方、回答お願いします。

A 回答 (3件)

こんにちは


>昔はリードはマウスピースの先端が髪の毛一本分ぐらい見えるくらい下げて付けるように指導されていたが、最近のマウスピースは下げる必要はなく、むしろ上でもいいくらいだ。

1956年頃の日本のクラリネット教則本から引用すると「..そしてリードを口でよく湿して、マウスピースに正確にまっすぐ密着しておく。正しい位置はマウスピースの先端より1ミリ弱下げて、リードの先にマウスピースの端がほんの少し見えるように置く。そして締め金具を軽くとめる。強く湿る必要はない..」とあります。
 もしかすると「え゛っ!それってマジですか?」って思われかもしれませんね。当時のマウスピースでも1ミリ弱下げて取り付けると鳴らないですよ。 この文章の正しい解釈は「リードは先端より1ミリ弱の位置にまっすぐリードを貼り合わせてからマウスピースの端がほんの少し見えるようにズリ上げる」です。
 同じ教則本の1985年版から引用すると「..マウスピースの先端よりリードの先端を0.2mm~0.4mm位下げて締め金を軽く締めます(マウスピースの先端と目の位置を合わせ[下図参照]髪の毛1本程度ずらす)。締め金は強く締めすぎるとリードの振動が妨げられます..」

 もともとは、ほどよくセッティングする程度だったのが「がほんの少し見えるように」ってどのくらいですか?という質問が多かったのでしょう。 現在近くに至るにつれて、より具体的数値が示されるようになりました。なぜでしょう?
 それは教則本というものが全く経験の無い「初心者」を対象にしているためです。

 前記の教則本は、その内容からフランス式クラリネット・メソッドの生みの親であるH.クローゼのクラリネット教則本(1843年初版~)の影響を強く受けていると考えています。
 その元になる教則本ではどう書いてあるか?というと具体的な文章は全くなくてマウスピースにリードを取り付けた絵があるだけです。その絵を見るとマウスピースの先端がリードの先端の上に見えています。

 今は2011年ですからフランス式メソッドが確立してから168年も経っているのでマウスピースも当時(木製が主流でクローゼは変形に対する観点からクリスタルの方がよいと書いていますが現在は樹脂製が主流ですね)よりはずっと精度よく作ることが出来ていますので、昔々の縛りは「絶対」ではないと思います。

 新しいものには新しいものなりの使いこなしがあるはずですし、それを見つけることが出来ることが力量だと思います。

 その点で質問の記述は力量のある方らしいご意見だと思いますm(^^)m

参考文献
 クラリネット教則本(1956年版)大橋幸夫著:全音楽譜出版社
 クラリネット教則本(1985年版)大橋幸夫著:全音楽譜出版社
 クラリネット教則本(1843年版)クローゼ著(板倉康明校訂2009年版):全音楽譜出版社
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この回答へのお礼

色々と詳しくありがとうございました!

お礼日時:2011/04/29 20:44

>> これは正しいのでしょうか? //



極論すれば、「それで良い演奏ができるなら」何でもOKです。「形のキレイさ」を競っている訳ではありませんので。

「髪の毛1本分くらい」というのは、そもそも厳密な基準ではありません。「くらい」という言葉の通り、「だいたいの目安」に過ぎません。だいいち、髪の毛の太さなんて人によってマチマチです。「髪の毛2本分」のほうが良いこともあるし、「産毛1本分」のほうが良いこともあります。マウスピースの個体差、リードの形状、くわえ方、歯並び、リガチャなど、様々な条件によって、リードを着ける位置も変わり得ます。「むしろリードの先端が出るくらい」というのも、そのバリエーションの1つです。

要するに、いろいろやってみて、「自分にいちばんしっくり来るセッティング」を見つけられれば、それで良いのです。もっと言えば、その日の体調や、リード1枚1枚によって微調整するべきです。

しかし、何かを変える場合には、「それ以外は何も変えない」のが前提です。「しょう油を変えて味が変わるかどうか」を確かめるときに、ミリンやダシも一緒に変えてしまったら、何が味に影響したのか分かりません。つまり、「リードの位置を変えても、吹き方を変えてはいけない」ということです。

リードの位置を変えると、抵抗感やアタリのポイントが変わったりするので、吹き方を変えてしまいがちです。そうなっては意味がありません。そういう間違いを避けるために、教則本や指導者は「こうしなさい」と1つに絞って教えるのです。「髪の毛1本分くらい」というのも、そういう配慮の積み重ねの産物でしょう。

結論。「いろいろ試して、自分にとっていちばん良い演奏ができるセッティングを見つけるべきである」という意味では正しいと言えます。しかし、それは、「何が適切かを判断できる場合」の話です。無闇矢鱈にいじるのは、お勧めしません。
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リードは あまり出してしまうと 口の中で暴れますから


音量が稼げる分 音色が雑になって ともすると音が割れて
しまいかねないので ジャズやチンドン屋で よほど音量を
稼がないといけない場合以外は お勧めしませんね


  
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