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先月娘と京都に旅行に行った時、阪急電車を何度か利用しました。その時に気付いたのですが、
9300型電車は、来る電車どれも車輪にフラットが出来ているようでした。
他の形式の電車では気付きませんでしたが、特急列車が来るとこのフラットがやけに
気になったのです。何かこの形式特有の理由はあるのでしょうか?
私は普段京急を利用しますが、京急ではあまりフラットは気になりません。
このフラットの出来る理由は、何が一番大きいのでしょうか?

A 回答 (2件)

こんばんは、No.1です。



阪急の9300はこのようなクルマのようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%AA%E6%80%A59 …
知識をお持ちの様なので、こちらにて推察ください。

さて、
>フラットが出来るのは運転が下手な証拠と言っておりました。

そうですね、昔の車両につきましてはその通りです。
ただ、最近の車両は、昔の車両と異なり「ブレーキ遅れ込め制御」というブレーキの制御を取り入れているのが多数です。
小田急や京急も、
阪急も、
勿論、JRも。

この「ブレーキ遅れ込め制御」、編成の制動力を電動車の回生ブレーキで担い、不足分を空制でもって補うという制御です。
編成内の掛かっている制動力が各車で異なります。
利点は、制輪子の摩耗が減る、制動力を回生力により活用でき、省エネである点が挙げられますが、その制御が上手くいかないと、停まりにくい現象に繋がったり、フラットができやすくなったりします。
これは、昔の車両との大きな違いです。

車輪の回転から発生する電流値でセンサーは判断し、その判断を基に制御をしますが、
電気仕掛けですから、正常に電気が流れなければその数値にも誤差が出るのはご理解いただけるかと思います。クルマのアージングが、例として分かりやすいのかなと思います。

本来、鉄道において「不均衡ブレーキ」は禁止されております。
しかし、M車の電気ブレーキを優先して使いたいという要求から、過度の車両間圧縮・引張荷重が生じないよう配慮し、急曲線通過時の電気ブレーキの特性を考慮した車両性能設計と性能確認試験を行い、適用範囲を制限して安全を確認した上で、「遅れ込め制御」として区別し使っています。

今回の阪急の9300の場合、他の車両にない特色として、
◇先頭車が電動車であること
◇その電動車の比率が低い
◇主電動機の出力の高さ
・・・が挙げられます。


これらから、雨天時は空転や滑走がしやすく、扱いにくい特性が伺えます。
※似た組成の車両は操縦しますが、阪急の9300は実際に操縦したわけではないので、推察になります。


>M車を少なくするのはメンテナンスの面でしょうか、それとも製造コスト減が目的でしょうか?

それもあります。
そして、経年が経って支線に転用する際、短編成にし易くするためという意図もあります。

>今は三相交流誘導電動機とVVVF制御の導入で、大出力のモーターを搭載した車両が多くなっているようですが、そうなるとまた別の問題点もでてくるのですね。

今から15年前のVVVF制御の車両が出始めた時期の新造車は、大出力の電動機を積み、その代わり電動車を少なくして編成の電動機出力を確保する設計がトレンドでした。
しかし、空転滑走の問題と、万が一の故障時の事から、最新の設計では電動車の数を増やし、電動機の出力はある程度に抑える設計がトレンドです。
正直、今回の阪急のこの車両の設計、私には違和感を感じています。

>阪急は伝統的にTDKの器機類を使っていますね。これも何か理由があるのでしょうかね?

どうでしょうか?
鉄道会社と部品メーカー、そうそう契約関係は変えないので…。
他社ゆえ、その点は分かりかねます。

>今のような三相交流誘導電動機を制御する場合、三菱電機など他の社の制御装置の方が優れているのではないでしょうか。

「何を持って優れているか?」、
それは、個々の路線の特性や操縦傾向、その会社の方針によって異なるので、正直優劣はつけられないのが、私の思う所です。

京急車の東洋電機の制御器には良い印象が無いのですが、
同じ東洋電機の制御器でも、京成車だと、そんな悪癖が少ないので。
…とはいえ、滑走防止弁の制御如何では、かなり扱いにくい現象があるのも事実もありますが。

>あと駆動装置9300型は何でしょうか?中空軸平行カルダンでしょうか?WNでしょうか?

TD平行カルダンのようです。
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この回答へのお礼

お手数をかけました。大変詳しいご説明感謝いたします。
重ねての回答ありがとうございました。

お礼日時:2012/06/10 23:01

こんばんは、電車運転士をしております。



>このフラットの出来る理由は、何が一番大きいのでしょうか?

車輪のロックが一番の原因になります。
主電動機の出力が大きい、限流値が大きい、そして回生力が強いとロックする確率は高くなります。

>何かこの形式特有の理由はあるのでしょうか?

当該の車種は操縦した事は無いのですが、
構造を見ると、3M5Tと電動車の比率が低い事、先頭車が動力車な事が、要因として大きいと推察されます。
先頭電動車は、先頭車が重く安定性が高い事、軌道回路の構成が確実な事、万が一の踏切事故の際、脱線するリスクが低くなるという利点がありますが、欠点として、雨天時の操縦性が悪い、制動時に滑走しやすい点が挙げられます。


ワタシも、仕事では同じような先頭電動車を扱うので、この車種の組成を見た時、雨天時の運転は難しいだろうなと感じました。
編成全体の出力を3両で賄うので、その分、電動機の出力も必要です。実際に200kwと、質問者様が普段乗られる京急線の車両以上の電動機出力。

京急線で主電動機出力の大きい、昔の700や、今の650、2100やシーメンス製制御器のN1000は、雨天時は空転が酷く、他の車種以上に神経を使ってノッチを刻んでいましたし、ブレーキもロックさせないように神経を使っていました。それでも主電動機出力の低い、800や旧1000より、フラットは多く出来ていました。

京急線はそういう背景から、最新のステンレスN1000からは、主電動機の出力を抑え、代わりに電動車の比率を上げる設計になっています。

阪急が、何故こういう設計の車両を作ったかは分かりかねますが、
将来、転用や編成を短くするときに組成しやすくという意図と、
東洋電機の制御器なので、滑走時の制御プログラムとして、制動力を緩める制御を行い再粘着を促す制御が入っているのですが、その制御を阪急の本社が信じた結果、この組成になったのかなと推察されます。
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この回答へのお礼

大変詳しいご説明ありがとうございます。私の義父は新幹線の第一期の運転士をしておりました。
それ以前には在来線の特急列車なども担当していたようですが、フラットが出来るのは運転が
下手な証拠と言っておりました。
でも今回説明を聞いて、車両の構成によっても違うのかなあと感じました。

阪急の9300型が3M5Tとは知りませんでした。ということは編成あたりの出力は200X4X3=2400Kw
なんでしょうか。通常全電動車の場合は75Kw程度ですよね。75X4X8=2400KWで同じですね。
M車を少なくするのはメンテナンスの面でしょうか、それとも製造コスト減が目的でしょうか?
いずれにせよ今は三相交流誘導電動機とVVVF制御の導入で、大出力のモーターを搭載した車両が
多くなっているようですが、そうなるとまた別の問題点もでてくるのですね。

阪急は伝統的にTDKの器機類を使っていますね。これも何か理由があるのでしょうかね?
直流モーターを制御する場合はTDKの制御装置は優れていますが、今のような三相交流誘導電動機を
制御する場合、三菱電機など他の社の制御装置の方が優れているのではないでしょうか。
あくまで素人考えですが・・・。

あと駆動装置9300型は何でしょうか?中空軸平行カルダンでしょうか?WNでしょうか?
WN駆動なら、惰行時にもモーターに負荷をかければ、回生制動時にもロックの可能性は少ないと
思いますがいかがでしょう。

今回は回答くださいまして誠にありがとうございました。とても勉強になりました。

お礼日時:2012/06/08 13:22

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