物語、創作の世界というのは一つの作られた世界であり
それを表現する構造、構成、ルールがあると思います。
この構造やルールそのものの枠を打ち壊して
ネタに組み込んだ作品があったら教えてください。
たとえば、酒見賢一「語り手の事情」
これは、三人称で語られる物語における「語り手」
本来人格がなく、誰も見ていないはずの事件をどこからともなく目撃し読者に説明したり
誰も知りえない心理を客観的に述べてみたり
その語り手に人格が与えられ一登場人物として一人称の語り手になります
創作主は館の主人として登場し
この主人と会話したり交渉したりもします。
漫画だと「めだかボックス」が近いでしょうか。
主人公だから、とかそういった設定が重要になったり
物語の中で公然と語られてしまう。
部分的に作者が出てくるとか
前のページのキャラの脚が次のページに突き出てるとか
物語の外からペラっと喋ってしまう、とかは除外でお願いします。
スケットダンスのロマンとか
「この作者はこういうの好きだな」みたいなセリフとか
部分的なものではなく
構造全体とか、物語のテーマそのものに関わってるものでお願いします。
No.1
- 回答日時:
読者に考える時間を与えない,へんな勘ぐりをさせない為に作者が情報を提供していく。
と考えていいんでしょうか?注釈や外伝でまとめて書くのが面堂だから,さっさと説明しよう。かな?
漫画やアニメなら,ざらに有る様ですね。
大抵は,観客や友人が台詞で説明してますけど。
強いて言えば,田中芳樹の作品がそれに近いかも、登場人物を過去の出来事とともに説明しています。
危機に陥っても,実は過去にこんな場面を切り抜けている。だから問題は無い。みたいな。
「ギリシャ神話」
ヘラクレスが誰々と戦った。何故なら相手とはこんな因縁が有ったからである。見たいな文章が延々続きます。
後は,実話をエンターテーメントとして書かれた作品ですかね。
サイモン・シン「フェルマーの最終定理」世界中の科学者がこの難問に挑んでいく姿を追っていきます。
数学が分らなくても読みやすく出来てます。
アニメをノベライズすると,そういった書き方の作品は多くなるんじゃないかな?
読まないから正確には分らないけど。
>作者が情報を提供していく。と考えていいんでしょうか?
うーん、ちょっとちがいます。
たとえば語り部が登場人物の過去を説明する、とかはあるともうんですが
その語り部がいきなり人格をもって話の中でも動き始めるとか。
もちろん物語の語り部が「わたし」で視点を持っている三人称小説もあるかと思いますが
その過去を語られる中で主人公が「なんで知ってるんだよお前誰だよ」とか言い出してしまうとか…
作家や物語を説明するやつに対して「お前何者だよ」っていう部分です。
またはバトルや事件で主人公がピンチを迎えた時に
その物語の登場人物が公然と「どうせ主人公だから何やっても死なないよね」
と言ってしまう、とか。
「あ、主人公が死んだら次から私主役やれるのかな?」みたいなことを言い出してしまったり
作品中に「これが設定だから」ということを言い出したり、ということです
田中芳樹さんの作品読んでみます。ご紹介ありがとうございます。
No.2
- 回答日時:
メタフィクションというやつですね。
筒井康隆の「虚人たち」「残像に口紅を」なんかがそういう構造ですね。
清水義範には、エッセイと見せかけて実は奇抜なフィクションに着地する、なんてパターンの作品は結構あります。
そうです、メタフィクションの中でも特に
主軸が世界そのものを壊すような
私たちがフィクションに取り組む時に無意識に処理してる部分を
あえて持ち出してぶち壊すようなものが希望です
(ただ、酒見さん自身が、自作をメタフィクションとすることを否定されてるので)
筒井康隆さんの数作品を読んだときに割と好きな文章だったので
是非読んでみたいと思います。
清水義範さん、短編から読んでみようかなと思います。
No.4ベストアンサー
- 回答日時:
ちょっと 違うのかも しれませんが、五感に 訴える 筆力が あって、
ストーリーも 面白く かつ 筋が 通って居り、そのような 事象を
重層的に 組み込んで 居られる ように 思った ものを いくつか …
ホセ・カルロス・ソモザ 『イデアの洞窟』
古代ギリシャの ミステリーを 翻訳中の 訳者の 身に 生ずる 怪異を
脚注 等 も 用いて 同時進行的に 書かれていた かと …
最初は 面白かった のですが、だんだん グロテスクに なっていき …
最後は かなり 気持ち悪くなった ので その後 敬遠していた のですが、
そろそろ 薄れ、この かたの 『ZIGZAG』 を やっと 読み始めた 処 …
ジャスパー・フォード (文学刑事サーズデイ・ネクスト・シリーズ)
『ジェイン・エアをさがせ !』 『さらば、大鴉』 『誰がゴドーを殺したの ?』
やはり 作中人物が 脚注を 電話のように 使って 連絡を 取り合っているのが
印象に 残っています。 その他 誤植などが フジツボのように増える 等 文学、
出版の形態・事象 自体が 社会現象と なっている 世界を 面白く 描いています
キアラン・カーソン 『シャムロック・ティー』
『琥珀捕り』 も そう なの ですが …
多岐に 亘る 話が 脱線しつつ 絡み合って 行きつ 戻りつ …
エンリケ・アンソル・インぺル 『魔法の書』 (短編集)
目を放すと 文字の並びが 滅茶苦茶になって 読めなくなってしまう
古代の 書 … 見かけは 薄い冊子 … 食べ物、飲み物、明かり 等 を
周りに 揃え、何としても 読み通そうとした 男の 物語 他 …
クリストファー・プリースト 『魔法』
こうしたものでは 古典に 入るのかな とも 思うのですが …
はっきり その 形態を とっている のは こちら ですが、
近作の 『双生児』 の ほうが 複雑で 面白かった … 居るはずのない …
双子の 片割れの、双方の 子孫が 逢える はずもない のに 出逢う 冒頭から …
トマス・ウォートン 『サラマンダー 無限の書』
確か (世界を 物語る ?)植字機を 操ると 時間の進み方が 変化して、
18世紀の 沈みゆく 海賊船の上 ? で 主人公のみが 無音の 重圧の中
高速で 動いていく シーンが なかなかの 迫真感をもって 描かれていた
処が あったと 思うのですが …
その他
ウィリアム・コツウィンクル 『ファタ・モルガーナ』
ロバート・アーウィン 『アラビアン・ナイトメア』
ジョン・バンヴィル 『無限』
ルパート・トムソン 『終わりなき闇』
(以下、短編集)
テッド・チャン 『あなたの人生の物語』
ケリー・リンク 『スペシャリストの帽子』 『マジック・フォー・ビギナーズ』
アヴラム・デヴィッドスン 『どんがらがん』
ゾラン・ジフコヴィッチの不思議な物語
チャイナ・ミエヴィル 『ジェイクをさがして』 『都市と都市』
等 も そういう処が あったかと …
でも、明確に 作者が 作者として 出てくる のは、ソモザ と プリースト 位かも …
長々 すみません …
沢山ありがとうございます。
知らない作品ばかりですが
>作中人物が 脚注を 電話のように 使って 連絡を 取り合っているのが
これが一番気になり、自分の求めている感覚に近いように思います。
また、最初に書いておけばよかったのですが
グロテスクなものはちょっと苦手です
順次機会があったら読んでいきたいと思います。
No.5
- 回答日時:
aruruaruruさん、こんにちは。
SF作家という括りにされてしまってますが、
『山野浩一』さんは実験作家としておもしろいものを残しています。
「鳥は今どこを飛ぶか」など。
http://www.amazon.co.jp/%E9%B3%A5%E3%81%AF%E3%81 …
No.6
- 回答日時:
妻の もとから 愛人の もとへ 列車で 移動中の 男性の
愛人>妻 から 愛人<妻 へと 近づくにつれて 遠ざかったほうへ
思いが 移ってゆく 心情が 二人称 (あなた) で 語られる
ミシェル・ビュトール 『心変わり』
は、読んでいて、つらい 位 感情移入させられてしまった …
「あなた」 の せい だと思う …
在原 業平 に なった 気分でした …
どちら側 から 読んでも 真ん中の 数頁で 反対側の話 へと 移行できる
ミロラド・パヴィチ 『風の裏側』 や
何処から 読んでもよい 『ハザール事典』
(男性版 と 女性版 が あり、数行 異なる 処が ある …) や
『帝都最後の恋』 (タロット・カードが ついていて、出た順に
カードと 同じ章を 読んでいく …)
も 楽しめました …
何度も すみません …
>ミシェル・ビュトール 『心変わり』
主観が移っていくということでしょうか?
面白そうですね。読んでみたいと思います。
読み始めなどについては
今回探しているものとは違うのですが
面白そうなので機会があったら読んでみたいと思います。
No.7
- 回答日時:
私はあまり文芸作品を読まないのですが、このメタ構成への究極の実験として記憶にあるのが、舞城王太郎の「九十九十九(つくもじゅうく)」です。
作品としては物語の外に物語があり、そのまた物語の外に物語があり・・・というのを5回くらい繰り返して、それらのメタ構成に登場した人物が一同に会したりするストーリーですね。
部分的にメタがあるのではなく、メタそのものを物語り全体のネタにしているので、求めているのに合致するのでは。
グロテスク描写が多いのと、「メタのネタ」がストーリーの主体にある為、私は存分に楽しませんでしたが、一応紹介です。
回答ありがとうございます。
メタのネタという点で非常に心は惹かれるのですが
ごめんなさい、最初に書いておけばよかったのですが
あまりグロテスクなものは苦手です。
ただ、もしこの作品を垣間見て読めそうなグロさであれば
読んでみたいと思いますので、心に留置たいとおもいます。
No.8
- 回答日時:
おお そうだ、
パスカル・キニャール 『舌の先から出かかった名前』
が ありましたね …
何となく 相前後して 読んだ
イスマイル・カダレ 『誰がドルンチナを連れ戻したか』
も 思い出してしまう のですが …
アレックス・ガーラント 『昏睡 コーマ』
も、お父さんの 挿絵が とても マッチして …
ドン・デリーロ 『白い部屋』 『ボディ・アーティスト』
登場人物が 居るのか 居ないのか、何が 聞こえているのか、
どの順番で 出来事が 起こっていて、まだ 起こっていない のは
何なのか、わからなく なりそうで 結構 気分が 悪くなる 位 でした …
ポール・オースター 『幽霊たち』
ご存知、登場人物は 色を表す 名前、全て 現在形で 書かれている …
これも 古典 かも … あと やっぱり 『偶然の音楽』 も …
他にも、
スティーヴン・ミルハウザー 『エドウィン・マルハウス』
クリストフ・バタイユ 『アブサン』
ヨシフ・ブロツキー 『ヴェネツィア 水の迷宮の夢』
ジャン・エシュノーズ 『ピアノ・ソロ』
レアード・ハント 『インディアナ、インディアナ』
パトリック・ズュースキント 『香水 ある人殺しの物語』
アルトゥル・シュニッツラー 『夢小説』 『闇への逃走』
などは どうでしょう …
結構 映画に なっている のも あり …
同じ 作者の 別な 作品 とか …
No.9
- 回答日時:
セルバンテス作『ドン=キホーテ』。
続編の方が色濃い。正編も子供向けのリライト、ダイジェスト版を除けば、元になる本が外国語で記されていて、これを翻訳した体裁を装っています。実はセルバンテスが続編を発表するより先に、第三者が続編を発表し、正編同様評判をとり、ドン=キホーテ、サンチョ・パンサのコンビは人気者になっていて、セルバンテスの続編ではこれらを踏まえてお話が展開されます。池澤夏樹が京都大学で世界文学を夏期集中特別講義で論じた本が新潮選書にあり、その本で、『舌の先に出かかった名前』(たしか全文翻訳掲載)も『ドン=キホーテ』も取り上げていた記憶があります。密室ものを得意としたミステリ作家ディクスン・カーに、作中人物が自分たちはミステリ小説内の登場人物だと言及する作品があります。
夏目漱石の『吾輩は猫である』は、雑誌読み切り掲載のつもりが好評につき連載になった作品で、主人公の猫への読者からの反応を反映している箇所があります。長編小説の構想ありきで執筆したわけではなく、猫から見た人間の生態、猫の世界の活写という二本立ての構造で展開するだけではもたなくなったのか時事ニュースや楽屋落ちでしのぐ話もあります。
ドンキホーテは盲点でした。
バレエになっているものはよくDVDなどで見ているのですが
いつか作品も読もう読もうと思いながら、先延ばしになっておりました。
古典は、それを研究した著書なども多いので楽しみ外もありますよね。
是非読んでみたいと思います。
吾輩は猫である、昔読みましたがうろ覚えです
もう一度読んでみます
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