以前、アンビリーバボーで上空で減圧が起こり機長も副操縦士も意識を失ってしまったという事例が紹介された番組を見ました。
なんとかまだ意識を失っていなかった客室乗務員の方が酸素ボトルを使用し、コックピット入室を試みようしたが、操縦室入室の際の暗証番号が当初わからなかったとの事でした。(セキュリティの面で、暗証番号を特定の人しかわからないようにしているんだと思いますが、その人も亡くなっていたら本当に意味のないことに思えます。)
なんとか暗証番号を見つけ出し
暗証番号を入力しコックピットに入室したが、地上との連絡も取れなかったそうです。
もし実際にこのような状態に陥ってしまったとしたら助かる余地はないのでしょうか?
少し気になったので質問させて頂きました。
A 回答 (4件)
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No.4
- 回答日時:
ここまでなってしまったら、助かる余地はないのですが、普通はそうならないようになっています。
航空機の事故というのは、偶然に偶然が何重にも重ならないと起きないようになっていて、この事故(たぶんヘリオス航空522便のことだと思います)も不幸な偶然がいくつも重なったことによって起きています。
まず、下の書いておられますが飛行機の与圧が下がるということ自体が非常にまれなことです。高い高度を飛ぶ飛行機の中は1気圧に近い状態に与圧してあるため、膨らんだ風船と同じで(高い山の上で売っているパンなども袋が膨らんでいますよね)、ちょっとした穴が開くだけで気体がバラバラになる可能性があります。
ですから、まず減圧自体起きることがまれです。この事故の場合、整備士が空調を減圧モードにしていたことがそもそもの問題です。まず第一の不運です。
そして次の問題は、パイロットたちが始業点検時にこの空調モードの確認を見落としたことです。航空機のパイロットは、機内に乗り込んだら必ずマニュアルを見てすべてのスイッチを確認します。空調スイッチも点検に入っていたのに、見落としたのです。ここに不運が二つ積み重なっています。
飛行機が高度を上げれば当然に与圧ができずに減圧していきます。この機材は今まで何度も空調の故障を起こしていたので、与圧が上がらず寒い状態でも誰もおかしいと感じなかったのも原因のひとつでしょう。これで不運が3っつです。
さらに重大な過失と言えるのが、パイロットたちが減圧警報を「計器の故障」として無視したことです。これが4っつ目の不運で、事故の決定打になりました。
重要なのは、この4っつのうちひとつでも誰かが確認をしていれば墜落しなかった、ということです。人間はヒューマンエラーを起こすものですが、それを防ぐ装置をつけても「無視」をすれば意味がないのです。
ですので、これ以上のシステムとしては「完全に人間を排除したシステム」しかありません。「完全に人間を排除したシステム」もヒューマンエラーを起こす人間が作るのですから、完璧なものができるわけがありません。
ということで、事故率を下げることはできますし、現在はかなりよくなってきていますが、事故を0%にすのは不可能なんです。
ちなみに、2人いるパイロットのうち一人がトイレなどで席を離れるときには、もう一人のパイロットは酸素マスクをつけて操縦することが義務つけられています。それぐらい、慎重になっているのですが、事故は起きるときには起きるんですよね。
ご丁寧な回答ありがとうございました。
何人かで確認をしていても、見落としてしまうのは
やはり人間だからなのかなと考えさせられました。
それが例えば10人にしたって間違えるときは間違えるんだろうなと。
いかに人間は不完全な生き物なのか教えられた事例でした。
一生の課題なような気がします。
No.3
- 回答日時:
助かった事例は奇跡でしか無い
コックピットに入れたとして、飛行機を操縦出来る人が機内に居ない限り、全くの操縦未経験が扱える代物じゃ無い
どんな理論めいた事を回答しようが、奇跡が起きない限り無事着陸の可能性は無い。
No.2
- 回答日時:
結果的に助かったのですよね。
だとしたら、方法はあるということになります。それが、運が良かったか・・・。それとも、誰でも出来る方法であるかという違いはありますけど。
そこを、考えた番組ではなかったということでしょうか?
その番組は見ていないので推論になりますが、例えば急減圧が操縦室だけで起きたと仮定した場合、操縦士が目覚めない限りは厳しいでしょう。下手をすると、操縦室扉を開くことで、客室からコックピットへの急速な空気の流出が起きて、大変な事態となります。それも、怖いことです。
後は、運の問題となります。
ちなみに、コックピット扉は、たぶん放送では説明されていると思いますが、2001年のワールドトレードセンターへの航空機テロ事件以来、関係者でも立ち入りは強く制限されています。まあ、実際には他にも自殺願望などから、機内乗員が墜落させたと思われる事故調査結果が出たケースもありますので、ある意味そういう仕組みなのは、仕方がない面もあります。後は、そのリスクが惨事が発生しない確率と合わせたときに、どれだけ大きいかでしょう。
では、対処方法として外からコントロールするなど方法はあるかというと、基本的にはありません。
何故リモートシステムを作らないかというと、一定の通信技術による制御を中途に構築すると、電波通信でのサイバーテロ攻撃によるリスクも高まりますから、それらのリスク(一機とでも通信できる仕組みを作られると、その段階で世界の航空システムを乗っ取れますので・・・)をどう捉えるかという問題になるのです。軍事や個人では使われる技術でも、それらの無線はごく限られた範囲で使われ軍事だと閉塞システムで各機のアビオニクスと連携構成で構築されます。
それに対して、商用で尚かつ航空管制ともなると毎日世界を何千と飛ぶ機体を、安全に運用するシステムの構築は容易ではありません。何せ、どの機体でも同じシステムを利用することになります。そうなると、脆弱性によるリスクが、閉塞システムとは比べものにならないほど高くなるのです。
現在、それは課題と言えます。
尚、長距離運行の期待では、機長や副機長は2組搭乗し交代するケースが多くなります。
これらの全体を見据えてリスクがどこに潜みどうすれば、解決するかを考えねばなりません。
最後に、航空機事故やその未遂が起きる度に、事故調査委員会は必ずその原因を調べ上げ、調査結果から改善策や改善要請を各航空会社や世界の航空業界に進言します。(命令も可能です)
ただ、調査は軽いものでも1日や2日では決まらず、長いものでは4年や5年間以上重ねた調査の結果と、今後そのシステム改善によって生じるリスクなども計算したうえで発表されます。
日本の番組では、徹底的に突き詰めてこういう結果が出たまでは、放送されないことが多いので、私は余り見ないのですけど、基本的に安全性の担保は必ず今の安全技術を相殺しないこと、現在の欠点を確実につぶせること、そして事故や事故未遂を隠さない乗員を育てることとなります。
特に、1つ目がとても重要で、2のために1に目をつぶることは決してあってはならないのです。
その上で、助かった例があったなら助かる方法はあるということです。ただ、その方法をしたから次も同じ方法で助かるとは限りません。減圧している区画と機体のどこから漏れているといった状況によっては、それが新たな惨事を生むこともあります。だから、運も大事になるのです。
ご丁寧な回答ありがとうございました。
結果的には、その男性客室乗務員の装着していた酸素マスクの供給量が底をつき、そして燃料切れになり全員死亡ということでした。
やはりコックピットの人間がいなければ助かる余地はないのですね。
リモートシステム、なるほどなと感じました。
No.1
- 回答日時:
今の所、そういう対策は無いと思いますね。
コックピットの酸素マスクは客室より多重化されていますから、通常はそういうことは起きないと考えられています(実際には低い可能性で起きてしまったことは番組の通りです)。
鉄道のデッドマン装置やATSボタンを応用したようなシステムにして、操縦士が一定時間操縦動作をしなかったり、アラームをキャンセルしないなど、客観的に操縦不能に陥った可能性があった場合、手近な計器着陸可能な空港に自動操縦で降りるということは現在の技術でも実現不可能では無いのですが、航空界では今の所、計器より人間の判断を優先する傾向が(技術的にも労働問題としても)ありますから、簡単には導入できないでしょう(計器と人間の操作が競合して墜落した名古屋空港の中華航空機事故の事例もあります)。それに、誰も操縦していない航空機に対してどう管制を実施するかという問題も解決しておらず、現行の管制システムを見直す必要があります。理屈では飛行機はリモートコントロール可能なんですから、システムさえ出来れば導入可能ですけどね。
これだけの改修を全ての民間輸送機と空港にする必要がありますから、費用は相当の額になるでしょうし、それを旅客に転嫁すると現在の厳しい競争の中で運賃が上がりますから、簡単には導入できないでしょうね。
それに、現在の民間航空の事故率は全ての交通機関の中で抜けて低いですから、保険会社などによる導入圧力も低いと思います。
乗り物の中で一番危険な自動車にすらそういう対策してないんですから。路線バスや高速バスには何らかのデッドマンシステムが必要だと思うのですが
宮崎に引き続き、回答ありがとうございました。
やはり、現行のままでは、不可能なんですね。。
この事故を見て、いまのシステムに私も疑問を抱きました。
航空業界って、すっごく、万全な体制がとられてるなあ、、と思っていましたが、
まだまだ改善するところって、いっぱいあるんだなあと、
感じました。
さまざまな観点から、考えて、安全考慮した、システムや
対応の仕方をもっと、確立していってほしいものです。
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