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ザイツのヴァイオリン協奏曲第5番ニ長調の第1楽章は何形式ですか?
協奏曲の第1楽章は普通はソナタ形式だと思っていましたが、この曲は違うような気がします。
お分かりになる方、よろしくお願いします。

A 回答 (1件)

 「協奏曲の第1楽章は普通はソナタ形式」というのは、古典派以降のことですね。


 古典派より前の、たとえばバロック時代のヴィヴァルディの「四季」や、バッハの協奏曲(ヴァイオリン、チェンバロ、合奏協奏曲としての「ブランデンブルク協奏曲」など)、テレマンの「ターフェルムジーク」(食卓の音楽)の協奏曲などは、ソナタ形式が成立する前ですので、ソナタ形式ではありません。一般に、独奏楽器の部分とオーケストラ部分(リトルネルロ)が交代する「リトルネルロ形式」をとるようです。
 また、19世紀半ばのロマン派以降では、「形式」はあまり重視されなくなりますので、形式はあいまいになるようです。

 ご質問のフリードリヒ・ザイツ(1848~1918)は、ワーグナーの時代にバイロイト音楽祭でコンサートマスターを務めたほどのヴァイオリニストのようですね。時代的には「後期ロマン派」あたりでしょうか。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AA% …

 作曲された時代と、「初心者向け」ということもあり、一応「ソナタ形式」を基本にしながら、かなり簡略・短縮化された形式、ということだと思います。

 専門家ではありませんが、楽譜を見る限り、通常だと
  ・提示部(通常のソナタだと繰り返し、協奏曲では「オーケストラで提示し、独奏で繰り返す」というパターンが多い)
  ・展開部
  ・再現部
となるところを、下記のように短縮化したような感じだと思います。

  ・序奏:ピアノのみ14小節
  ・第1主題の提示:ア・テンポから、ヴァイオリン。
  ・第1主題の展開:フェルマータの後から。
  ・第2主題の提示:「トランクイロ・エ・ドルチェ」から。
  ・第2主題の展開:ヴァイオリンが細かいパッセージを開始する「ブリリアンテ」から。
  ・再現部:ピアノだけの「トュッティ」の部分で、リトルネルロに相当。

 合っているかどうかは保証の限りではありません。
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この回答へのお礼

詳しく説明、分析していただきありがとうございました。

ソナタ形式の成立時期には思い至りませんでした。また、リトルネルロ形式、というのは知りませんでしたので、大変勉強になりました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2013/10/19 12:48

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