A 回答 (7件)
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No.7
- 回答日時:
「あれほど生きて家族の元へ戻りたかった宮部久蔵が、なぜ特攻を決断したのか?」
この疑問は、「永遠の0」が、私たちに投げかける最大の謎じゃないでしょうか。
この物語はこの謎を日本人に問う為に制作されたとさえ思います。
この問いへの解答は人それぞれでしょうが、私しなりの結論を以下に記します。
宮部は、自分が死ぬば、家族を愛し守ることができない、祖国日本の未来を担うことができない、故に必ず生きて戻りたかった。
しかし、部下が、教え子が、次々と無駄に死んで行く、特攻作戦は愚行だ! ならば彼らの死は無意味な犬死なのか?
宮部は苦悶し必死に考えたに違いありません。
そして苦しみぬいて出した結論が、自らも特攻に志願することでした。
宮部は、気づいたのです。
家族や友や祖国日本を愛し守る為に命を落としても、
その魂の叫びは、残された人々と共にあって永遠に不滅であると。
これこそ、私しからみた「永遠の0」主題です。
特攻は、9死に1生ではなく、肉体としては10死に0(ゼロ)生であるが、その崇高な精神性は日本人と共に永遠に生きつづけ語り継がなければならないと。
宮部久蔵の苦悶は、全ての特攻隊員の内面を象徴していると思います。
何故なら、いくら勇猛果敢に散っていったものであっても、出来得るならば父母や妻子の元へ、みな生きて家族の元へ帰りたかったに違いないからです。
しかし、特攻作戦は愚行であり、立案者や作戦を許可した上層部の責任は必ず問われなければならない。
命を捨てた体当たり攻撃は、個人の判断で止む無く行われるべきであって、決して軍の作戦であってはならない。
しかし、その愚かな作戦を昇華し、自ら決断し散っていた特攻隊員は、
決して犬死ではなかった!
その「家族や祖国への愛」は、日本人の魂を永遠に打ち続けるに違いないと信じます。
No.6
- 回答日時:
戦局も厳しい中、優れた戦闘能力を持った零戦ももはや米軍の脅威ではなくなってしまった。
日本は近々この戦争に負ける、とわかっていた宮部はここに来るまでたくさんの尊い命、優秀な若者が
死んでいくのを目の当たりにしてきました。しかも彼らを守ることも出来ず自分は生きながらえてしまった。
かつては「どんなに苦しくても生きて帰る」と思っていた心が完全に折れかかっていました。
「俺はどうすればいい?・・どうすれば・・」と自問自答していたのです。
そして出した答えが特攻。そうすることで心の呵責から逃れられたのでしょう。ところがエンジンの不調がわかってしまい
一瞬天を仰ぎます。そして隣に立つ大石の姿が目に入る。
大石は身を持って自分を守ってくれた男です。戦争が終わったら人のためになることをしたい、と済んだ目で語っていた男です。
あの戦闘の時、いつもは注意深く飛行していた宮部ですが一瞬の油断で敵機に狙われます。映画でも「油断だ・・・」と
呟いています。どんな天才でも油断はあるのです。
特攻を決意した時妻と子供の事は諦めていたかもしれない。横浜も空襲でやられたことも知っていたのでしょう。しかし
エンジンの不調がわかった時ふと二人の顔が浮かんだのかもしれません。そして大石がいた・・。その時宮部は運命を感じたのかもしれません。
No.5
- 回答日時:
他の方も回答されていますが、まず第一に、宮部は教え子たちの死を毎日見ることで、心が追いつめられていました。
教官である宮部の役目は、特攻隊の援護です。敵の空母に特攻する前に撃墜されてしまわないよう、最悪自分の機が被弾しようとも特攻隊を守るのです。
「それなのに、俺は逃げた。」
宮部は特攻隊を誰も守ることが出来ませんでした。妻と子供のために、どうしても帰りたかったんですね。宮部は天涯孤独の身で、両親はおらず、やっと出来た大切な家族が松乃と清子でした。(ちなみに、その当時海軍は行き場のない若者が志願するところでした。宮部は海軍に入れなかったら、丁稚にでもなろうかと考えていました。)
ラストの宮部が敵の空母に特攻するシーンのアメリカ兵士の台詞から分かるように、アメリカの開発した対ゼロ戦の兵器が、宮部の機には全く当たりません。宮部は元々凄腕のパイロットだったことから、敵の兵器をかわす方法を見つけたと推測しました。海面すれすれに飛び、反射で弾が当たらないようにする。この方法は、多くの教え子の死により分かったことであり、自分なら実行できる。教え子たちの弔いになる。
そして特攻を決意したとき、自分の機のエンジンが正常に動作しないことに気がつきます。昔からちょっとしたゼロ戦の不調に気がつくため、整備士に煙たがられていた宮部。気がつかなかったという可能性はありえないですね。そして横にいたのは、かつて自分を命がけで救ってくれた教え子、大石でした。大石の見舞いのとき、宮部は妻と子供の写真を彼に見せます。宮部は子供の話をしていたのに、大石は松乃を見て「キレイな人ですね…」と言います。お世辞ではなかったことが、大石の表情から分かります。
彼なら、妻と子を守ってくれる。私の代わりをつとめてくれる。妻との約束を果たせる。宮部はそう思ったのではないでしょうか。
結果的に二人の人物が、宮部の代わりに松乃と清子を守ります。宮部は確かに、妻と子のもとへ帰還したんですね。
No.4
- 回答日時:
はじめまして、映画全体でとても生きたいがプラスなら特攻で死んでしまうことがマイナスとします。
プラスマイナスOなので物語全体で永遠にOです。「永遠のO」の為に宮部さんはなくなったと言う解釈に到りましたNo.3
- 回答日時:
私の推測に過ぎませんが…
臆病者と言われるくらいに生きて帰ることに執着していたが、長引く極限状態の中、成功する見込みもない教え子たちの特攻機を護衛することも力及ばず自分だけが生きて帰り、「彼らが死ぬことで、俺は生き延びている」と言うまでに追い詰められていた。
そんな時に特攻命令が出て、その中に命の恩人でもある大石もいた。
空襲警報も鳴らず油断していた宮部を命がけで守った大石が。
自分の五二機が不調だと覚った時、きっと「生きて帰れる」と考えたと思う。
あと1週間で戦争が終わるとわかっていれば、もしかしたら宮部は自分が生きて帰ることだけを考えたかもしれない。
この命を失うだけの戦争が続く中で、『また』教え子の命を犠牲に、しかも再び大石の命をかけて自分が生き延びる…
優しい心の宮部には、その道は選べなかったのではないでしょうか。
大石が心から宮部を守りたい気持ちが伝わって、教え子のそんな純粋な気持ちへの答えが外套を渡すことだったかもしれないし、そんな大石なら、残してしまう妻子のことも手助けしてくれると信じて。
理性や理屈というよりも、限界ギリギリの心が出した答えじゃないかと。
きっと、最期の最後まで宮部は生きて帰りたかったと思います。
自分の代わりに助かっても、自分より能力の劣る大石があれ以降、いつ終わるか分からない戦争を生き延びる保証はないのだから、妻子のためにはやはり自分が…と(私が宮部だったら)思いそうなモンですけどね。回答ありがとうございました。
No.2
- 回答日時:
補足します。
大石に関しては、大石がまだ航空隊の訓練生だった時の教官のひとりが宮部です。
あるとき空戦の訓練中に米軍機が侵入してきましたが、宮部はそれに気づいていませんでした。
そのままでは宮部は撃墜されていたでしょうが、いち早く米軍機に気づいた大石が自分の身と機体を挺して盾となり、宮部を守ったという伏線があります。
大石になら、自分の家族を預けることができると宮部は思ったのでしょう。
そのエピソードは確か映画にもあったのですが、そんな注意力に欠ける奴だと特別感がないというか、個人的には説得力に欠けるんですよね。補足ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
宮部は自身が特攻に出撃する前は、桜花の特攻隊を直援していました。
特攻機を守る役目です。
ところがどんなに頑張っても実際には援護もままならず、ほとんどの桜花とそれを抱えた中攻は撃墜されてしまいました。
そのうち宮部は「自分が生き延びているのは、特攻隊員たちの犠牲の上にある」と思い詰めるようになりました。
その後戦局はどんどん悪化し、広島と長崎に原爆が投下され日本の敗戦は時間の問題となりました。。
宮部の特攻出撃の時、宮部は五二型ゼロ戦のエンジンの不調を感じ取っていました。
そのまま五二型に乗れば、整備不良で特攻から離脱して生還できる可能性がありました。
それでもというか、それだからこそあえて大石の二一型の旧式ゼロ戦と乗り換えました。
ここからは私の想像ですが、日本の敗戦が確実となり、多くの仲間を無駄死にさせてしまった自分だけがひとり生き延びるのを、許せなかったということではないでしょうか。
ほかにもいろんな想いが錯綜しているのでしょうが、一番の理由はそこかなと想像しています。
ちなみに私が読んだのはマンガのほうです。
早い回答ありがとうございます。他にも沢山の特攻兵がいるのに、なぜ大石と変わったのか(自分の制服をあげる位だからと言うなら、なぜ大石にあげたのか)もよく分からないままでしたが、マンガでも推測の域を出ないんですかね。
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