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ゴスペルのコーラスは独特な響きを感じますが、
あれは構成音といった楽理的なところでクラシックの合唱と
異なるところがあるのでしょうか。

それとも声の出し方やリズムの取り方が特徴的なのでしょうか。

もし構成音にクラシックにはない特徴があるなら教えてください。
(7thを多用したコーラスになってるとか)

A 回答 (1件)

こんにちは!


私はブラック・ゴスペルのボイストレーニングを担当している者です。

もし、dopenKさんがおっしゃるゴスペルコーラスの『独特の響き』が、
クラシックのコーラスとはぜんぜん別物の、
ゴツゴツとした美しくはないが厚みのある響きの事なら、お力になれるかもしれません。
ちょっと長くなりますが、お付き合いの程をよろしくお願い致します。


さて、ゴスペルコーラスのゴツゴツとした厚みのある響きについてですが、
あれは、構成音といった楽理的なものではなく、
主に、声の出し方とリズムの取り方によって生じるものです。

では、クラシックのコーラスとゴスペルのコーラスとの違いですが、
ゴスペルでは2点、クラシックの発声法と異なる点があります。
それは、チェストボイスとプッシュです。


クラシックのコーラスでは、特に女声はウラ声を多用することが多いのですが、
ゴスペルのコーラスでは、あまりウラ声は使わずに、
チェストボイスという独特の発声法を行います。

チェストボイスとはクラシックで言う胸声(いわゆるオモテ声)とは少し異なり、
オモテ声をノドの奥の咽頭腔で共鳴させる発声方法です。
いわゆる「ノド開け発声」がこれに当たります。

この技法を使うことにより、声に低音の周波数倍音が増強され、
ゴスペル的な厚みのある太い声が出るようになります。


またゴスペルでは、クラシックのコーラスのように、
一人一人ができるだけ均質な声、といったものは求められません。
自分のいちばん出しやすい声で、チェストボイスを使った発声をすればよい、
とされます。

この結果ゴスペルでは、クラシックの声の粒が良く揃ったようなコーラスではなく、
ゴツゴツとした触感が聴覚上感じられます。

これでは汚いコーラスになりそうに思われますが、
先ほど述べたように、チェストボイスによって個々の声に低音の周波数倍音が増強されるので、
結果として、全体がまろやかに溶け合ったコーラスになります。

これにより、ゴスペルコーラスの
あのゴツゴツとした厚みのある太い響きが起こるのです。


次にプッシュですが、
これは、曲中で表拍に当たる音にアクセントをつける技法です。
この技法により、ピアノを打鍵した時のようなコツーンとした響きを、声に与えます。

これは、クラシックの歌唱時とは違う筋肉を使うことにより実現されます。
クラシックでは通常、腹直筋を使用しますが、
このプッシュでは、セキやくしゃみをする時に使う筋肉(腹斜筋群)を用います。

この技法を一人一人が駆使することにより、
コーラス全体として、非常にビートが強調されたゴツゴツとした打楽器的な表現になるのです。


このように、これらチェストボイスとプッシュという二つの技法を用いることにより、
クラシックのコーラスとはまったく違った、
ブラック・ゴスペル独特の響きが実現されるというわけなのです。

以上、つたない説明で恐縮ですが、少しでもご参考になりましたでしょうか?
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この回答へのお礼

ありがとうございます。クラシックとの違いを明確に整理された形で書いてくださっているのでとても助かりました。

お礼日時:2014/09/08 08:04

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