小説を読んでいるとやたらとリノリウムという単語が出てきます。
これが前々から気になって仕方ありません。

しかしネットで調べても亜麻仁油を主原料とした床または壁材だといういうとはことはわかったのですが、どんな特長や、木材と違って有利な点は何なのか。

なぜ小説に「フローリング」という単語は出てこない(私は見かけない)のに、「リノリウム」という単語は古今東西を問わず出てくるのが不思議でなりません。

何となくカビや雑菌が繁殖しにくく広い場所にも施工が簡単で適度な弾性のある病院の床材のような物かなと思っているのですが合ってますかね??

そして繰り返しになりますがなぜそれが小説にしつこいぐらい出てくるのか仮説でも良いのでどなたかご回答ください。

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A 回答 (7件)

質問者様のおっしゃるとおり『リノリウム』は抗菌作用が強く、弾力性が高く転んでも怪我をしにくく、小走りに走ってもすべりにくいため、病院等のの床材によく使用されています。


そのために『リノリウム』という言葉は医療施設や医学系の研究施設などをつよく連想させます。
作者はそれを小説のメタファーとして利用していると思われます。

北野武さんがむかし漫才で『ど田舎を説明するのに、田んぼが広がってて、バスの停留所がこういう風になっててと情景をだらだらと説明するよりも、金鳥の看板があるような所といったほうが一言ですむし、イメージをつかみやすい』とおっしゃっていました。
『リノリウム』はこの話の『金鳥の看板』にあたるものです。
長々と、この部屋は清潔感があって静謐でどうのこうのと書くよりも、リノリウムの床と書く方がシンプルでイメージがつかみやすいので、よく多用されています。

結論として、リノリウムと書かれていたら医療施設や研究施設のような場所を想像してください、という作者からのメタファーです。
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この回答へのお礼

>『リノリウム』はこの話の『金鳥の看板』にあたるものです。
シンプルでわかりやすい解説ありがとうございます。

確かに当時の文献じゃなく物語小説なんだから、細かく説明するより象徴的な一言の方が良いように感じますね。

ありがとうございます。

お礼日時:2014/09/22 05:53

「リノリウム」の詳細についてはすでにお分かりでしょう。

以下は「青空文庫」の作品群に登場する例です。「青空文庫」は死後50年経って著作権の切れた作品しか載っていません。(原則です)「フロ-リング」が一度も登場しないのは、ここ50年以内に使用されるようになったかでしょう。


のタタキで、あと十畳ばかりの板の間に穴だらけのリノリウムを敷いて、天井には煤ぼけた雲母紙が貼ってあっ 夢野久作「鉄鎚」
だろうか。朝子は二重に厭な心持がして、社長室のリノリウムを踏んだ。 建坪の工合で、校正室は、社長室を 宮本百合子「一本の花」
から辷り降りたまんまジッとしていたものらしい。リノリウム張りの床の上に足の平を当てて、尺蠖のように一 夢野久作「一足お先に」
ひとりは窓の方を眺めながら云った。そういえば、リノリウムの廊下まで、べとべとと湿気ていたし、ガラス窓 原民喜「秋日記」
て、楽屋用の新しい座布団を敷いただけのもので、リノリウムの床とスレスレの半円窓の近くにカラカラに乾い 夢野久作「二重心臓」
、節子はすぐベッドに寝ているように命じられた。リノリウムで床を張った病室には、すべて真っ白に塗られた 堀辰雄「風立ちぬ」
ット鍵穴に眼を当てた。 患者控室は十畳ばかりのリノリウム張りであった。そのまん中には、薄暗い十燭の電 夢野久作「復讐」
扉に近い健策が大急ぎで把手を引くと扉の外の暗いリノリウムの床に、白い服を着た品夫が横たわっていた。  夢野久作「復讐」
塗りの扉を開いて、薬局の廊下に這入ると、真暗なリノリウムの上を、やはり一直線に進んだらしく、間もなく 夢野久作「復讐」
で両袖を抱えつつ、開いたままの扉の間から、又もリノリウムの廊下に辷り出た……と……今度は左に折れて、 夢野久作「復讐」
卓掛、ナプキン、レエス、……「敷物。畳、絨毯、リノリウム、コオクカアペト……「台所用具。陶磁器類、硝 芥川龍之介「たね子の憂鬱」
れらの扉の前に佇んだ。私は暫くためらった後に、リノリウムの上に足音を忍ばせて、マントをかぶってそっと 渡辺温「可哀相な姉」
失くしてもいいんです。」 しかし、彼女は青磁のリノリウムに花の浮いた波浪をつくると、突然、佗しさを堪 吉行エイスケ「東京ロマンティック恋愛記」
抛物線を描いて、横筋かいに照し出している茶色のリノリウム張りの床の上には、そうと察して見なければ解ら 夢野久作「暗黒公使」
う話しかけたまま、静かにあたりを眺めまわした。リノリウムの床には何脚かのベンチも背中合せに並んでいた 芥川龍之介「春」
めていた私の目前で葡萄蔓のようにからんで、青いリノリウムのうえにMELINSの扱帯が夜光虫のように円をつく 吉行エイスケ「大阪万華鏡」
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この回答へのお礼

>ここ50年以内に使用されるようになったかでしょう。
そんな事情もあるんですね。やっぱ聞いてみるもんですね。

たくさんの紹介ありがとうございます。
こうしてみると「リノリウム」を使わなくても情景はそれなりにわかりそうなものですが、
使うということはやはり特別な思いがあるのでしょうね。

お礼日時:2014/09/22 05:13

小説にフローリングが出てこない理由ですが(出てこないとは私は思いませんが)、



1.おそらく小説家にはインテリが多いのでフローリングというのが和製英語であって木の床のことを意味しないとわかっているからだと思います。(1980年代ぐらいからの言葉だと思われます)

2.1と関連していますが、ひとつは床の描写として「フローリング」では意味が通じにくいからでしょう。

3.小説が書かれた時期によります。1970年代以前でしたら「板の間」「木の床」であってフローリングという言葉は無い。

4.翻訳小説の場合、1の理由で小説を翻訳する人は木の床のことをフローリングと訳すのが心苦しい。
(ただ私はミステリーか何かの翻訳で見た事があるような気がします。)

日本でいうフローリング=木の床のことは wood floor です。

例えば英語版のwiki,“ Flooring ”の項目では
Materials almost always classified as floor covering include carpet, area rugs, and resilient flooring such as linoleum or vinyl flooring. Materials commonly called flooring include wood flooring, ceramic tile, stone, terrazzo, and various seamless chemical floor coatings

となっていて、resilient flooring = 弾力性床材としてリノリウムとビニールフローリングがあげられています。
http://en.wikipedia.org/wiki/Flooring

英語で flooring は床材・床貼りの意味でしかなく、材質が木という意味ではないです。

http://en.wikipedia.org/wiki/Sustainable_flooring
http://www.inspireflooring.co.uk/
http://www.faburous.com/bedroom-designs/amazing- …
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この回答へのお礼

>小説にフローリングが出てこない理由ですが(出てこないとは私は思いませんが)、
ちょっと捕捉になりますが、私はのほほんとしたいわゆるホームドラマや恋愛ものを読まないのでそう思うのかもしれません。

1.これは知りませんでした;ご指南ありがとうございます。

4.確かに間違いとわかっている言葉はいくら世間に浸透していても出版物には使いにくいですね。

ご解説ありがとうございました。

お礼日時:2014/09/22 05:08

床材の商品名です。

(リノリュームとも言う)
ジュートの粗く織った基布の上にコルク粉・木粉・石粉・(着色する場合は顔料)を松脂と亜麻仁油を結合剤として着けて作ります。
http://www.forbo-flooring.co.jp/default.aspx?men …
http://allabout.co.jp/gm/gc/28211/2/
http://moribitonokai.net/dictionary/linoleum
http://www.abc-t.co.jp/press_archives/2012/linol …
現在も東リはじめいくつかのメーカーで使われている商標です。

しかし、クッション性のある床材の通称として使われるようにもなってきています。
この場合材質は塩ビ製のようで、家庭用クッションフロアと同じです。
ダンスの練習場や舞台で使われる場合塩ビ性の物でもリノリュームと呼ばれています。

今日本でリノリュームの商標を使っている東リのもとの社名は「東洋リノリューム」で、「1919年にリノリュームの東洋初の製造会社として創業」だそうです。
http://www.toli.co.jp/newsrelease/news20090122_a …

小説にしつこいぐらい出て来るのは昔の小説だとしたら、近代的な素材であることの描写であろうと思います。(それまでは木の床か石の板を貼った床、絨毯)
塩ビのクッションフロアができる前はその手のプラスティックな床はリノリュームしかなかったのでリノリューム=クッションフロアと考えても良いでしょう。
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この回答へのお礼

>床材の商品名
これも初耳で聞いてよかったです。
キャタピラみたいなもんですかね。誰もが知ってるアレが実は登録商標という。

>小説にしつこいぐらい出て来るのは昔の小説だとしたら、近代的な素材であることの描写であろうと思います。(それまでは木の床か石の板を貼った床、絨毯)
なるほど、さりげなく(当時)近代的な建造物であることを示唆してもいるわけですね。

ありがとうございます。

お礼日時:2014/09/22 05:19

古来、和式床では、木板張りには茣蓙(ゴザ)や蓆(ムシロ)、畳敷きでは油団(ゆとん)が使われていました。


http://www.handmadejapan.com/features_/ft007_01. …

明治・大正期に公共のコンクリート建築の普及とともにコンクリ床に、ノンスリップと弾性付与のカーペット敷きとして、リノリウム張り、ゴム張り、アスファルト張りがなされました。
小説でも頻繁に現れるというのはこの頃のものではないでしょうか。
「反対に東側の半分の床は、薄いホコリを冠った一面のリノリウム張りになっていて、」(夢野久作「ドグラ・マグラ」)

戦後、コンクリート製ビルなどには洋式弾性床張りとして、タイル様式となったリノタイルが、さらには塩ビ(VA)などPタイルが普及しました。
東リ
http://www.toli.co.jp/newsrelease/news20090122_a …
サンワ
http://www.sanwacompany.co.jp/shop/c/c326811/

またマンションなどにおいて、洋式床板としての木製フローリング床にも、防音や断熱を兼ねたコルク組成の環境配慮型の安全素材として、近年改めてリノリウムが見直されてきています。
http://www.kenzai-navi.com/main/company_products …
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この回答へのお礼

私はあまり国籍・年代を気にせず小説を読んでいるのでなんとも言えないのですが、
いろんな作品に「リノリウム」という単語は出てくるし、
作品によっては何でこんなに何度も?と思っています。(具体的にどの作品か即答できず申し訳ありませんが:)
逆に床材について、例えば「明るい基調のフローリングで」とか、「コンクリートむき出しの床で」とか、
私個人としてすんなり入ってくる表現は少ないように思います。

「ドグラ・マグラ」はまだ読んでいませんが、どこかの紹介で意味不明とか言われてたのでいつか読んでみようと思っている候補作ですw

時代の変遷に沿った解説ありがとうございました。

お礼日時:2014/09/22 05:32

リノリウムという語が 「しつこいぐらい出てくる」 小説とは、具体的にどういう作品でしょうか。



ネットで調べると、たとえば夢野久作の 「復讐」 という作品には4ヶ所に 「リノリウム」 という語が出てきます。

 患者控室は十畳ばかりのリノリウム張りであった。

いかにも病院の控室という雰囲気が出ます。清潔ではあるだろうが、家庭の内のような温かみはない。やや冷たい感じ。ずっと居る場所ではなくて、一時的に滞在する場所。

リノリウムという語が使われていることで、そういう雰囲気が伝わってきます。他の箇所でも、そのような感覚を呼び起こします。

これが 「フローリング」 だと、普通の家の床しか思い描けません。

小酒井不木の 「肉腫」 という作品。この作品では1ヶ所だけです。

 傍に立って居た妻君の眼から、涙がぽたぽたと診察室のリノリウムの上に落ちた。

やはり病院です。そして、病院のあのアルコールの臭気が漂ってくるような気がしてきます。

たまたまそういう作品が引っかかっただけなのかもしれませんが、それらの場合には リノリウム と表記するしかあり得ないと思われます。「床」 とすると、我々は木製の床を連想してしまいそうになります。

実際には、リノリウムは家庭でも見られます。トイレとか台所とか。水回りと言いますが、そういう水を使う場所では使われていると思います。家の中の描写でも、リノリウムという語を使ってあれば、そこがそういう場所であろうということがイメージされます。

それから、リノリウムという文字がカタカナであることも視覚に訴える要素があろうかと思います。家族が揃って団らんする場所にはそぐわない響きがあります。やや冷たい感じ。それが病院などの床であれば、硬質な感じ。よそよそしさ。リノリウムと書くと、元素の名前のような感じがするし、薬品とイメージ的につながりやすい。


私は 「なぜそれが小説にしつこいぐらい出てくるのか」 という疑問を感じたことがないので (あ、そもそも、あまり小説を読まないなぁ)、その問いに的確に答えることはできませんが、描写の上で実際にそこにあるのだから使う、それを持ち出す必要が必ずしもないかもしれない場合でも雰囲気を感じてもらうために使う、ということもあるのではないでしょうか。
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この回答へのお礼

>具体的にどういう作品でしょうか。
すいません、カウントしているわけではないので具体的な作品名のどの部分と聞かれると困るのですが、
最近呼んだので言うと確かトーマス・マンの「魔の山」や、
あとは最近の作品、たとえば綾辻行人「ANOTHER」にも何度も出てた気がします。
両方病院、もしくは冷たくて清潔な舞台が多いイメージですね。

それだけでなく、話し言葉では使わない(少なくとも私は)この言葉がやたらと上記のように古今東西出てくるので気になった次第です。


>硬質な感じ。よそよそしさ。リノリウムと書くと、元素の名前のような感じがするし、薬品とイメージ的につながりやすい。
これはなんとなく私もそうなのかなと思っていたのでちょっと自信が持てました。
ありがとうございます。

お礼日時:2014/09/22 04:51

    画像では下記のようなもので、かなり古くから使用され、高度成長期に一時使用量が落ちた時期があったので、その時期ではなじみの薄いものだったのでしょう。


    https://www.google.co.jp/search?q=%E3%83%AA%E3%8 …

     床に貼る建材としての用法の他に、小学生の頃は、ハンコを掘る材料に工作の時間に使いました。すぐ痛む芋版と違って、長持ちがするので、手彫りの年賀状などをよく作ったものです。
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この回答へのお礼

わかりやすい画像ありがとうございます。
やはり私のイメージしてた感じでした。

私は今年31歳ですが、小学生ごろ、ハンコはたしかいもで作ってましたねw

>その時期ではなじみの薄いものだったのでしょう。
高度成長期以前の作家さんにはフローリングのように割と一般的な響きなんですかね?
私は会話でリノリウムという言葉を聞いた覚えはありません。

お礼日時:2014/09/22 04:58

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