ウォッチ
結婚を考える際、年上の男性を希望する人もいるのでは。それこそ、年齢が上であることで経済的に余裕があり、人生経験も豊富で頼りがいがあるとなると、悠々自適な生活を送れそう……と、パパ活、神待ちをしている女性にとってリッチな年上男性はまさに夢のようなお相手。しかし、一見リッチに見える年上男性との結婚も、見えないリスクはある。以前「教えて！goo」で「夜の営み、介護問題……夫が年上の『年の差婚』 女性には覚悟が必要？」と、年上男性と結婚した場合のリスクを夜の営み、介護の観点でご紹介したが、今回は別の観点から探ってみたい。■確かにリスクは多数ある
年上男性の年齢を40代後半～50代と想定すると、それ相当の役職に就いている可能性が高い。一見結婚を考えるならよさそうな条件であるが……。
恋愛の悩み、夫婦仲問題の相談に乗っている心理カウンセラーの堀江健一さんに意見を伺ってみた。
「たとえば相手が相当の役職に就いていたとしても、終身雇用制が崩壊した現行の雇用事情を考えると、それ以上の出世が見込めず、年収が頭打ちになる経済的なリスクは充分あり得るでしょう。しかし、これらはリッチな年上のパートナーだけに限らないことです。ほかにも、役職定年で定年が早く、転職が難しくなるリスクもあるでしょうか。しかし、転職に関しては本人の能力や人脈など、個人的な資質によるところが大きいように思います。さらには、夫の役職定年で若い奥さんが働くことが求められるリスクもゼロではなく、そうしたリスクも考えて貯蓄をしておく必要はあるでしょう」（堀江さん）
リスクは考えればきりがないが、相応な役職についた男性ともなれば、そんなリスクに陥る可能性は低いという。
「一般的にリッチな人物というと、知識・実務能力・判断能力が高く、仕事ができて商売がうまく、押しも強い。お金を貯めるのがうまい。だからリッチにもなれるものかと思われます」（堀江さん）
堀江さんいわく、これらの経済的なメリットは女性にとって大きなメリットになるのではないかとのこと。しかし夫婦生活という側面で考えると、経済的なメリットもデメリットになるかもしれないというのだ。
■夫婦のあり方が亭主関白になる可能性
「ビジネスで成功していると、現実的な成果主義者であることも多く、家庭の営みに関しても損か得か？など理屈で考え、結果を優先して評価・決断する傾向がある場合が強いかもしれません。そのため、無駄なことは省くため、感情的に必要な『生活の潤い』に必要な経費を無駄な物と判断されてしまうこともあるでしょう。また、自分が正しいと思っているため、意見が合わない人のことを批判的に見るので、家族の意見が通りにくいことも。競争社会で成功した実績があるため、『勝つ』ことを至上とし、弱者に対する思いやりが低く、家庭内でも権力者として振る舞う可能性も高いでしょう」（堀江さん）
昔の亭主関白な俺様の男性を想像すると、イメージしやすいかもしれない。もちろん、夫として家庭内のことに協力的な男性もいると思う。だがもし家庭内でも権力者として振る舞うタイプとなると、冒頭で述べたような悠々自適な生活とはほど遠くなりそうだ。
■子どもや妻に成功を強要する可能性
「本人が抱えるストレスも高いため、その解消のために解消の仕方も派手な物になりがちかもしれません。飲酒・浮気・ギャンブルなど依存的傾向が高まるリスクがあり、家庭内のサービスなどは優先順位が低くなる可能性も。子どもに対しても社会的な勝者となることを望むので、家族に対しても勝者の家族としての振る舞いを強制する恐れもあるでしょうか」（堀江さん）
なるほど。本人の社会的なステータスが高いぶん、その成功を子どもや周りにも強要する可能性は考えられる。これについては堀江さんが引き続き、意見を寄せる。
「妻には完璧でリッチな生活をしている妻であることを強制する可能性もあります。家事でも手を抜けなかったり、交友関係にも自分たちと同等な勝者とのお付き合いのみに限定したりと、窮屈な生活になってしまう恐れがあります。配偶者との生育環境が違いすぎると、妻の家族に対しても貧乏人扱いして下に見たりするかもしれません。妻本人もバカにされていると感じる場面も。また子どもには、学業などにおいて高学歴であることを期待する場面もあるでしょう。子どもがそのプレッシャーのために、過度に反抗的になったり、逆に過剰適応しようと頑張りすぎて、燃え尽きてしまったりするかもしれません」（堀江さん）
以上を踏まえ、「お金があることの幸せを感じることはありますが、『自分は幸福だ』と感じる度合いは低くなるという、統計結果もあります」と堀江さん。経済的にリッチでありさえすれば、悠々自適な生活を送れそう……というのは夢のまた夢のようだ。
結婚は生活であるため、条件は無下にはできない。しかし、お互いが幸せな結婚をするために、条件だけに目がいくのは危険だ。リッチな年上男性との結婚を考えている人は、目先の利益だけに目がくらんでいないか、今一度本当の幸せについて考えてみる必要があるだろう。
