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5、6月は梅の旬！梅の実を使ったものといえば、梅干や梅酒がすぐに思い浮かぶ。ほかにも家庭でつくれるおいしいメニューがあれば知りたいところだ。「教えて！goo」にも、「梅の実を有効活用する方法は？」と質問が寄せられていた。そこで梅干研究家である小川睦子さんに、家庭で手軽につくることができる梅メニューとレシピを教えてもらった。■減塩梅干の作り方
「梅を調理する際は、洗って清潔なペーパータオルなどで水気を拭き取り、面倒でなければヘタを取ってからはじめてください」と小川さん。まずは、塩分が気になる人向けに『減塩梅干』の作り方を聞いた。
「梅干は、塩を選ぶことでよりおいしくミネラル豊富に仕上げることができます。これこそが手作りの醍醐味です。しっとりタイプの海の塩を使用するのがおすすめですよ」（小川さん）
家庭で減塩梅干がつくれるのは嬉しい。
「冷蔵庫を活用することでカビ防止になり、塩分濃度9％以下の減塩梅干をつくることができます。ジップ付き袋に梅と塩を入れて調理用バットなどに乗せ、ペットボトルなどで重石をし、冷蔵庫に入れます。塩が完全に溶けたら、事前に洗い水気を拭き取っておいた赤ジソを、梅から出た水分（梅酢）で揉みます。そして赤く染まった液体ごと梅の入ったジップ付き袋に戻します。約2週間後、梅が赤く染まったら土用干しをして冷蔵庫で保存します。その1ヶ月後から食べられますよ」（小川さん）
土用干しとは、梅雨明けの晴天の日に3日ほど天日干しをすること。梅の旨味がアップし、柔らかく仕上がるそうだ。
■おすすめ梅メニュー
アレンジを楽しめる一品「梅シロップ」の作り方も教えてもらった。
「『梅シロップ』は、梅と同量の砂糖を入れ毎日かき混ぜ、砂糖が溶けたら出来上がりです。白砂糖ならすっきりした甘さに、きび砂糖なら素朴な風味に、黒砂糖ならコクのある旨味の濃い味わいになります。梅と同量のはちみつやメープルシロップでつくっても、甘さの違いを楽しめます。お好みのフルーツを加え水や炭酸水で割れば、トロピカルな梅ジュースになり、お子様にも喜ばれるでしょう」（小川さん）
「梅ペースト」をつくっておけば、更なるアレンジを楽しめそうだ。
「梅を煮て種を取り除き、調味料を加えず『梅ペースト』にします。冷蔵保存しておけば、塩や醤油、味噌を加えておかずやおつまみに使えます。料理に加えれば梅の酸味や旨味、風味を効かした隠し味に使えます」（小川さん）
「梅ジャム」は、お酒やジュースを加えると目新しい味わいになるという。
「『白ワイン入り梅ジャム』はいかがでしょう。梅をきざみ種も一緒に鍋に入れ、砂糖（梅の40～70％の量）を加えます。梅から水分が出たら10分ほど火にかけて種を取り出し、ややとろみが出るまで煮込みます。白ワイン（梅の半量ほど）を加え、引火しないよう弱火で2～3分ほど煮ます。甘味が足りなければ、砂糖を加えてさらに2～3分煮込みます。ほんのり白ワイン風味の梅ジャムの出来上がりです」（小川さん）
梅そのものの味や、熟し具合によっても甘さが変わるため、砂糖は梅の50％ほどの量を加え、味見しながら仕上げるのがよさそうだ。
「白ワインのかわりにラム酒（梅の20％ほどの量）やオレンジジュース（梅の60～70％ほどの量）を使ってもおいしいです。『ラム酒入り梅ジャム』はチョコレートのお供に最適です。『オレンジ梅ジャム』はフルーティで夏向けです」（小川さん）
アルコールを飛ばしてあるので、子どもにも安心だ。次に烏龍茶の風味が病みつきになる「烏龍茶梅」の作り方だ。
「『烏龍茶梅』は、柔らかく早く仕上げるため、冷凍梅を使用するとよいです。冷凍した梅をジップ付き袋に入れ、塩（梅の6％の量）を加え、常温で1週間ほどトレーなどに置きます。その後、梅を取り出しキッチンペーパーで水分を拭き取り、別のジップ付き袋に梅と同量の砂糖と烏龍茶のパック（水出し用）を加えます。1週間待てば、とろみのある甘い干し梅のような仕上がりになります」（小川さん）
烏龍茶梅以外は青梅でも完熟梅でもよいが、梅ペーストや梅ジャムは、黄色く熟した梅でつくると香り高く豊かな味に仕上がるそう。今年の夏は、梅の熟度にあわせた梅メニューやレシピを試してみてはいかがだろう。
●プロフィール：小川 睦子（梅干研究所）
梅干研究家。梅干研究所主宰。梅干をこよなく愛し、梅干作り講座、YouTubeなどで梅の魅力やレシピを伝えている。著書「はじめてでもおいしできる梅干・梅レシピの基本」（朝日新聞出版）は梅しごとのすべてがわかるロングセラー。
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