■最新の婚活動向
コロナ禍において、「家族が欲しい」と考える人は増えているようだ。最新の婚活傾向の変化について、佐竹さんに聞いてみた。
「この状況下、結婚相談所では空前の婚活ブームが到来しています。外出しにくい時節柄、『一人でステイホームは寂しい』、『テレビや映画、ゲーム、掃除などに飽きた』と痛感するという方が増えています。それにより多くの男女が『家族が欲しい』と、連日ご入会にいらしています」(佐竹さん)
結婚相談所では、江戸時代から続く仲人型の対面式お見合いを変更し、「オンラインお見合い」に移行しているという。
「2月から自宅でお見合いができる『オンラインお見合い』を実施しています。しかし、お見合い相手の声や雰囲気などを生で感じたいと、従来の『リアルお見合い』がよいと言う方もいらっしゃいます。一方、テレワークにより自宅に籠る生活が続く中でも、結婚相談所からの紹介でお見合いができ、それが心の支えになっているという方も多数いらっしゃいます。コロナ前と比べて、お見合いから交際に結びつく確率は50%アップし、交際からの成婚率は20%アップしました」(佐竹さん)
オンラインお見合いは、今だからできる「お見合いの形」と、好評のようだ。
「自分の部屋でお見合いできるのは、お忙しい方々から特に好評です。移動時間がかからない、感染リスクがない、マスクが不要、お茶代がかからない、時間の調整がしやすいという感想をいただいています。また、全身の服装に気を遣わなくてよい(上半身しか見えないため)、部屋の中が見える(インテリアや本棚に並ぶ本、ペットの有無など、相手の好みや生活ぶりなどが垣間見える)などの理由から、従来の対面式お見合いよりも相手を知ることができ、交際に繋がりやすいようです」(佐竹さん)
リアルでの出会いが難しい時代だからこそ、「今後もオンラインお見合いが主流になる」と佐竹さんは続けた。
「感染すると家族や会社に迷惑がかかると思い、自主的に行動制限している人も少なくないため、外での出会いが難しくなっています。だからといって、出会い系サイトなどは信憑性に欠けるところがあり、おすすめできません。信憑性という点でいえば、結婚相談所は、身上書(自己紹介書)や写真、独身証明書、最終学歴証明、年収証明、運転免許証、住民票、資格証明などを提出していただいているため、安心安全な出会いが実現できます」(佐竹さん)
感染のリスクも回避しつつ、事前に相手の身元が把握でき、信憑性があるのなら利用しない手はないだろう。
■コロナ禍の成婚までの経緯
イマドキのカップルは、どのような経緯で成婚に至るのか。
「オンラインでお見合いをする場合、『よいな』と思う相手とは、オンラインデートやメール、LINE、チャット、電話などで交際を深めて行くことが想定されます。オンラインデートでは、同じお店の料理を取り寄せ、お互いのPCやスマホ画面を共有しながら一緒に食事をしたり、ゲームや音楽を一緒に楽しんだりしているようです。また、数回オンラインデートを重ねた後は、ソーシャルディスタンスの取れる公園や開放感のあるホテル、カフェテラスのあるお店などでリアルデートを楽しむカップルもいるようです」(佐竹さん)
成婚に至ったカップルは、この時期ならではの心境から決断したのだろうか。
「『コロナの終息を待つよりも、僕たちは前に進もう』、『一人より二人で助け合って生きて行こう』といったプロポーズのもと、成婚に至るケースが多いようです。相手に対する愛情と思いやりに溢れる姿は、とても素敵ですね」(佐竹さん)
コロナ禍で「婚活できない」とがっかりしている人は、「オンラインお見合い」を試してみるのはいかがだろう。この困難な時期だからこそ、互いに支え合い、共に歩んで行こうという人生の伴侶が見つかるかもしれない。
●専門家プロフィール:佐竹 悦子(東京の結婚相談所インフィニ・青山結婚予備校(港区 青山 六本木 ) )
東京青山の結婚相談所インフィニ代表取締役。21年以上業界の最前線で30,000人以上の方々をカウンセリング。高い成婚率で様々な団体(日本結婚相談所・良縁ネット連盟・企業価値協会・ジャパンタイムズ等)より表彰されている。