
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
映画は娯楽ですから、「似ているところと違うところ」は鑑賞する人が決めればいいのだと思いますが、私の感想としては、共通するのが「家族をテーマにしている点」だと思います。
また、その家族にそそがれる作者の目が常に温かいのも共通しています。是枝作品も、フィクションデビューの『誰も知らない』の時点から、扱っているテーマの重さのわりには、穏やかな映画を作ってきましたよね。一方で、是枝はわりと「息子」を物語の中心に置きますが、小津は「娘」を中心に置きがちです。ちなみに、是枝はもともとドキュメンタリーを撮っていました。なので、是枝作品の根底には必ず社会問題があるのです。ひょっとしたら、社会に社会問題を訴えるにはフィクションのほうが効果的だと考えるようになってフィクションを撮り始めたのではないかとすら思ってしまいます。
ただ、小津が社会問題を扱っていないかというとそういうわけではなく、「(撮影当時にとっての)今の社会のひとこま」を切り取って、身近なものとして伝えることで、とかく見逃されがちな、一市民が抱えるさまざまな問題を浮き彫りにしていると感じます。是枝も先日のカンヌでの受賞の際に「『大きな物語』に回収されず『小さな物語』を発信して」いきたいと語っていましたので、似たようなメンタリティがあるのかもしれません。
それから、両者とも撮り方に癖があるので有名です。是枝は、子役に脚本を渡しません。『万引き家族』では"いつまでも成長しない"男を演じたリリー・フランキーさんを「脚本はなくていい?」とからかったという面白い話があります。小津はカメラを畳すれすれの低い位置に設えることで、和やかさを演出したそうです。カメラマンは腰痛との戦いだったようです。
なお、「風格→作風」を別にすれば、日本語はとてもきれいに、かつ正確に、お書きになっていると思います。ただし、私なら中盤は下記のように書くと思います。
”是枝裕和監督の「万引き家族」と「歩いても、歩いても」を見ました。小津安二郎監督のいくつかの作品*も*見たことがあります。前者は鋭い社会問題*に注目している*ようです。特に、「万引き家族」。*一方で*後者の映画を見*ると*、心*が*穏やかになりとても和みます。"
ご参考までに。
この回答へのお礼
お礼日時:2018/08/26 11:36
ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。貴重なご意見は大変参考になりました。質問文までもご親切に添削してくださり、心から感謝いたします。頑張ります。
No.4
- 回答日時:
あくまでも個人的な見解ですが、是枝、小津両監督とも、「家族」というものを主体に置いた作品が多いように感じます。
違うところというと、それぞれの監督の生きた世代の違いのようなもの、小津さんの映画は「家族」というものを何かほのぼのとした幸せや平和の空気のようなもので包まれたものばかりのように思いますが、是枝さんの映画は「家族」というものに社会の不条理や関わりたくない問題を挿入させて創られているように思います。
難しい日本語で分かりづらいでしょうか?
No.2
- 回答日時:
話がそれてごめんなさい。
中国との関わりもあることなんですが、戦後の日本の左翼について知っておかれた上で、評価すると、その二人の監督が全く違った視点に立っている事が分かると思います。
戦前の日本は、マスコミや教育者などが軍国主義に加担し、戦争を美化して中国への侵出を煽ったことはご存知でしょう。その中で映画人もプロパガンダ映画で戦争に加担しました。でも、小津安二郎さんという監督は兵士として中国戦線へもいかれてますが、映画人として戦争と距離を置いていた方です。
その戦争に加担した人たちが、終戦を機に、態度を一転させました。自分たちは国家から抑圧されて戦争に加担していただけだ。悪いのは日本という国家権力だというわけです。そういう人たちは自分たちの罪に向き合わないまま、国家を批判して貶めることで自分たちを正当化し始めました。
こういう人たちは、社会的な弱者に寄り添うふりをしながら、その弱者を国家を叩く道具に使います。決して、社会的弱者への思いやりがあるわけではなく、利用しているだけです。是枝裕和監督は戦後生まれの方ですが、そういう日本の歪んだ左翼思想の流れを汲む方だと思います。
戦争を経験しながら戦争と距離を置いた小津安二郎監督と、戦争は経験していないけれど戦後の左翼思想を受け継いだ是枝裕和監督。
質問者さんに身近な中国映画で言うと「那山那人那狗」という映画をご覧になったことがあるでしょうか。中国の人々の普通の姿を描き出したこの映画を基準にして、日本の二人の監督の作品を比べてみてください。
小津安二郎さん登場人物に向ける優しい視点は、「那山那人那狗」の映画の監督の視点と良く似ていませんか。登場人物にに寄り添って、監督が物語の中の登場人物の一人となって人々を温かく眺めている一体感がありますね。
一方、是枝裕和監督の作品は、社会的弱者を描きながら、登場人物と距離をおいてますね。
日本の戦後の左翼思想を考慮すると、日本の映画や小説やドラマなど、今までと違った視点で眺められますよ
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