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「Die Jazzband wurde (im Jahre) 2001 gegruendet.」という文が、「口を鍛えるドイツ語作文 初級編」119頁にあります。小学館の独和大辞典のJahrの項目には、「im Jahr(e) 1995 」で、「1995年に(しばしば im Jahr(e) を添えない形を用いる)」とあります。数詞には、形容詞、名詞、副詞等があるようですが、質問1 冒頭の文で、2001単独使用とim Jahre 2001の2つの場合において、それぞれ、この2001の品詞は何で、当該文の中でどのような役割をなしているのでしょうか?質問2 2001単独の場合は、副詞と考えるか名詞の3格と考えるかだと、現時点では考えていますが、どちらか決める理由はありますか?質問3 仮に、im Jahre 2001の2001が、Jahre を修飾する形容詞だとしたら、付加語的用法で、Jahreの前に位置すべきだと思うのですが、後ろに位置しているのは何故でしょうか?よろしくお願いいたします。

A 回答 (2件)

「数詞」という分類は、「数を表す言葉」という意味上の分類であって、


文中でその語がどのように機能し使われるか、という文法上の分類ではありません。
ドイツ語の数詞は文法的に昔からいろいろと問題があり、統一的な解釈、見解があるとはいえない部分があるようです。
ドイツ語のネイティブスピーカーの多くが、日常的にドイツ語の問題の判断の拠り所としているのは、
Duden という出版社から出ている辞書や文法書ですが、この Duden を含むドイツの多くの文法書では、
数詞を「数形容詞(Zahladjektiv)」と呼んでいることが多く、一般文法としてはこれが標準的な説明です。
しかし、数詞がみな形容詞といえるわけではなく、名詞、冠詞、形容詞、副詞としての用法もあるため、
数詞を「独立した別の品詞」とした方がよいという考え方も依然としてあります。
そもそも、番号を表す時の Nummer 1 や、書籍の巻数を表す Band 1 のような場合の「1」が形容詞であると言われてもピンとはこないでしょう。
数詞のこういった用法における品詞の分類は、あまり深く考えすぎない方がよいのかもしれません。

外国人であるわれわれがドイツ語を学ぶ範囲では、とりあえず一般文法の解説に従っておく方が無難だと思います。
ただ、日本のドイツ文法書の説明でも数詞の品詞分類はよくわかりませんが、
ドイツの文法書を数冊見ても、すぐにすっきり納得できるというものではありません。

Duden の文法書の数詞の項目には一覧表があり、数詞のいろいろな用法とともにどういう品詞に相当するかが書かれていますが、
年度を表す im Jahre 2001 のような用法はこの表には含まれていません。
独和大辞典で御覧になったのと同じような、年度の書き方の説明が別に書いてあるだけです。
https://books.google.co.jp/books?id=ry6tCwAAQBAJ …

ここには品詞の説明は特にしてありませんが、多くの文法書において、このような年号の表記で使われる数詞は「形容詞」の項目に整理されています。
数詞の副詞的用法が挙げてある箇所はもちろんありますが、年号表記はそこには含まれていません。
上のページの説明だと、das Jahr や im Jahr は「省略される(weggelassen)」ということなので、
単に省略されているだけで数字部分の品詞は変わらないと受け取ってもかまわないのか、
という疑問は当然出ますが、それについては解説がないわけです。

もし 2001 の数字の部分が名詞と解釈できるのであれば、das Jahr 2001 なら名詞1格もしくは4格、
im Jahr 2001 なら名詞3格というように Jahr と同格と考えることができますが、
文法書では今述べたように形容詞扱いですし、2001 をアルファベットで書くときも zweitausend(und)eins のように小文字の連続で書きます。
たまに頭文字を大文字で書いているものがあるので、名詞という認識の人もいるのかもしれませんが、
Duden の文法では、基数詞に関しても Kardinalzahladjektive「基数形容詞」と定義されています。
(ただし、100万を超える数の単位は「女性名詞」扱いとなり、120万というひとまとまりの数を表記する場合も、
eine Million zweihunderttausend のように、100万未満の部分だけ切り離して小文字で書きます。)

im Jahre 2001 の Jahre が名詞である以上、これと一組になって結合されている2001 を副詞とは言いにくいですね。消去法で残るのは形容詞だけです。
im Jahre が省略されているようなケースはドイツの文法書でも特に取り上げられていないので、直接的な答えは出ていませんが、
のちに述べるように、2001 をwurde… gegründet にかかる副詞と解釈することは可能です。

am 21. 1. 2020 のように日付を数字だけで表記する場合、日にちと月は序数で書き、年数は基数で書きます。
Duden とは別のドイツの文法書で日付(Datum)の項目を調べてみると、
こういう表記の読み方は am einundzwanzigsten Ersten zweitausend(und)zwanzig だと書いてあります。
日にちを表す序数 21. は小文字で書いてあり付加語的形容詞の扱いですが、
1月を表す序数は Ersten と大文字で書いてあり、名詞扱いになっています。
月の部分は、数字ではなく Januar のように月を表す名詞で書く場合もあるので、それに対応しているようにも見えます。
年号は小文字表記なので、やはり基数形容詞という扱いになりそうです。

日付を4格の名詞で書くことがありますが、この場合は明らかに4格の副詞的用法という説明になります。

Die Sitzung findet Dienstag, den 26. August, in Berlin statt.

同じ内容を前置詞句で書くときは an+3格を使います。

Die Sitzung findet am Dienstag, dem 26. August, in Berlin statt.

どちらの場合も、「Dienstag, den 26. August」と「am Dienstag, dem 26. August」の部分は、
Wann?(いつ)という「疑問副詞」による疑問文の答えに当たる部分なので、副詞句と捉えることはできそうです。

上の考察を踏まえて、もう一度 Die Jazzband wurde (im Jahre) 2001 gegründet. という文に戻って考えてみると、
「創立されたのはいつか(Wann?)」の答えに当たると考えれば、「im Jahre 2001」全体は前置詞句であり副詞句であると言えます。
そうなると、im Jahre が省略されて 2001 だけになった場合も副詞と考えて差し支えないのではないかと思います。
むしろ省略されていない場合の 2001 の方が問題で、先にも書いたように、これは名詞 Jahr と結合しているものであって、
im Jahr と 2001 が別々に述語にかかるわけではないので、2001 という数字部分だけの品詞を副詞とするのは無理と感じます。
これは、Jahr を主語にした文を考えたときにはっきりします。

Das Jahr 2019 ist vorbei.(2019 年は過ぎ去った。)

この場合、Das Jahr 2019 はひとまとめで文の主語なので、2019 を副詞とするわけにはいかないでしょう。
文法書にこのケースが詳述されていない以上、現状としてはその分類場所に従って基数形容詞としておくほかないように思います。

回りくどい説明ですが、以上をふまえた上でまとめると、質問1に関しては、

ドイツの一般的な文法説明では(基)数詞は形容詞のカテゴリに含まれており、
「im Jahre 2001」という句の内部にある 2001 がそれ以外の品詞に相当する根拠があるようには見えない。
ただし、全体は副詞句と考えられるので、これを 2001 のみに置き換えた場合は副詞と規定できる可能性がある。

質問2に関しては、

2001 単独の場合にこれを副詞と捉えることが可能であると考えられるのは上記のとおりだが、
「2001年に創立された」と言う場合に、前置詞を伴わない名詞の3格で表現する語法は存在しないので、名詞3格という解釈は文法的に不可。
(文法書で数詞の「名詞的用法」として扱われるのは、全く違う形態の語法。)

質問3に関しては、

2001 というのは序数ではなく基数なので、「2001 番目の」という意味ではなく、「2001 の」という「複数の数」を意味する。
したがって、これを「単数」名詞 Jahr の前に付加語的形容詞としておくことは文法的に不可能で、
2001 を付加語として前に出せるのは、2001 Jahre/in 2001 Jahren =「2001 年間」の意味の時だけである。
das Jahr 2001 が年号の標準的、慣用的な表記法で、年号としての 2001 を、序数を使って das 2001. Jahr とする書き方は用いられていない。
ドイツ語では、語尾変化をしない形容詞が名詞のあとに置かれることはあまりないとはいえ、
そういう考え方が全くないわけでもなく、現状において一般的な文法書で数詞が形容詞と規定されている以上、とりあえずそれに従っておくしかない。

という回答になります(all の用法で回答した者です)。
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この回答へのお礼

前回の「allの用法」の時と同様、論理的、詳細でいて無駄がなく分かり易い御回答いただきました。ありがとうございました。圧倒的な説得力です。私の間違えている点が良く分かりました。数日間留守する等、私がモタモタしていたために、御礼が遅れてしまい申し訳ありません。関連して、4点追加質問をさせていただきます。ご回答からすると、補足質問1「「Nummer1」も「im Jahre 2001」同様、名詞の後に数詞があるが、これもeinsと小文字で書く形容詞であると考えられている」で良いでしょうか? 補足質問2「Die Jazzband wurde 2001 gegruendet.」の場合、「2001を名詞の副詞的4格と取る余地はあるが、ドイツでは、西暦が子文字表記であることと、年号表記の数詞が形容詞に分類されていることからして、これを否定して副詞と取る」と考えて良いですか? 補足質問3 類似した問題がある文例「Die aelterste und bekannteste deutsche Ferienstrasse ,gegruendet 1950, ist zum Vorbild fuer ihr japanisches Gegenstueck von 1987 geworden.」(時事ドイツ語2019年度版60頁)で言うと、このうちの,gegruendet 1950,は、Ferienstrasseを修飾する形容詞句で、その各語の品詞は、gegruendetが形容詞で 1950は副詞になると思いますが、それで良いでしょうか? 補足質問4 分詞句では「基礎となる形容詞は必ず句の最後に置きます」(常木・標準248頁等)。従って、この句の語順は 「1950 gegruendet」 が正しいと考えていますが、文法的にみて「gegruendet 1950」も許されるのでしょうか?

お礼日時:2020/01/25 20:49

>補足質問1「「Nummer1」も「im Jahre 2001」同様、名詞の後に数詞があるが、これもeinsと小文字で書く形容詞であると考えられている」で良いでしょうか?



少なくとも、ドイツの文法書の数詞の説明の項目などでは、数字部分をアルファベットの小文字 eins で置き換えています。
数詞形容詞という定義、分類の元に書いてあるのでそのように統一しているのだと思いますが、
「そう考えられている」というより、形容詞に分類すると取り決め、一般的な文法に採用されていると解釈した方がよいかと思います。
数詞は、ラテン語とドイツ語では狭義で Nomen numerale = Zahlnennwort といって「数名詞」の意味です。
しかし、回答中にも書いたように、このあたりの数詞の品詞分類は決めにくいところがあると思われ、
ネットで "Nummer eins" を検索すると、"Nummer Eins" と大文字で書いている例はいくらでも出てきます。
こういう場合に名詞と受け取っても文法的には違和感はないと思います。
一応文法書では形容詞扱いされているとはいえ、絶対的なものとは言えないのではないかと思います。

>補足質問2「Die Jazzband wurde 2001 gegruendet.」の場合、「2001を名詞の副詞的4格と取る余地はあるが、ドイツでは、西暦が子文字表記であることと、年号表記の数詞が形容詞に分類されていることからして、これを否定して副詞と取る」と考えて良いですか?

「否定して」というと表現が強すぎる気がしますが、とりあえず私がドイツの文法書数冊の数詞の項目の説明を読んだ限りでは、
そのように受け取っておくしかないのではないかというのが正直な感想です。
しかし、上の補足質問1の回答でも、先の回答 No.1 でも書いたように、
こういう場合の数字に名詞的な性格を感じること自体は論理的におかしくはないと思うのです。
おそらくですが、ドイツの文法家の間でもこの辺の分類には論争があり、解釈が分かれている可能性はあります。
小文字で書くというのも、形容詞扱いという文法上の取り決めをとりあえず決めて正書法を定めているのではないかという気がします。
あくまでも、そうしておくことに決められている、程度に私は考えています。
こういう用法中の数詞は語尾変化がないので、品詞の分類があいまいなままでも使い方に困るということはありません。
回答の冒頭にも書いたように、数詞に関しては品詞の分類をあまり気にしすぎない方がよいと思います。

>補足質問3 類似した問題がある文例「Die aelterste und bekannteste deutsche Ferienstrasse ,gegruendet 1950, ist zum Vorbild fuer ihr japanisches Gegenstueck von 1987 geworden.」(時事ドイツ語2019年度版60頁)で言うと、このうちの,gegruendet 1950,は、Ferienstrasseを修飾する形容詞句で、その各語の品詞は、gegruendetが形容詞で 1950は副詞になると思いますが、それで良いでしょうか? 

私もそのように思います。回答中にも書きましたが、ドイツの文法書でも、
gegründet 1950 のような言い方は gegründet im Jahre 1950 の im Jahre が省略された形と説明されています。
「im Jahre 1950」という前置詞句は、動詞 gründen を修飾する副詞句といえますので、
これを短縮したものであれば機能は同じと考えるのは理にかなっていると思います。
ただ、「im Jahre 1950」とそろっている場合の 1950 は形容詞という解釈でよいのかどうかが文法書に明記されていないので、
この点についてドイツの文法家たちがどう考えているのかが不明で、また知りたいとは思います。

>補足質問4 分詞句では「基礎となる形容詞は必ず句の最後に置きます」(常木・標準248頁等)。従って、この句の語順は 「1950 gegruendet」 が正しいと考えていますが、文法的にみて「gegruendet 1950」も許されるのでしょうか?

あいにく常木氏の文法書を持っていないので、分詞句という用語で何を説明しているのか、また、
「基礎となる形容詞は必ず句の最後に置きます」という説明の意味も前後を見ないとよくわかりません。
分詞構文のことだろうと思ったのですが、冠飾句の説明ではないのですよね?
この文の場合は副文の省略としての分詞構文なので、本来そこにある副文を書くと、

Die älterste und bekannteste deutsche Ferienstraße, die 1950 gegründet ist, ist…

となり、過去分詞 gegründet はFerienstraße の述語的形容詞の機能をしているので、そういう意味なら分かります。
上の考え方で行けば、1950 gegründet という語順はもちろん納得のいくことで、実際、1950 gegründet と書いている用例も出てきます。

Die Romantische Straße, 1950 gegründet, ist die älteste und eine der beliebtesten Ferienstraßen in Deutschland.
https://www.deutschland.de/pl/node/3085

しかし、gegründet 1950 という語順での挿入もごく普通です。どちらの語順も同じくらい使われているような印象です。
https://www.google.co.jp/search?q=%22+gegr%C3%BC …

数詞は、便宜上形容詞と分類されてはいますが、数詞以外の通常の形容詞とはいろいろな点で機能が異なるので、
「形容詞の用法」を規定した文法事項には必ずしも縛られない、と説明することもできるかもしれませんが、
ちょっと調べた限りでは、gegründet 以外の動詞の過去分詞でこの語順の例が簡単に見つからないようなので、
gegründet 1950 の場合は分詞句というより、単純に創立年の表記そのものを文中に挿入しているだけのような気もします。
gegründet 1950 という語順での創立年の表記法はごく慣用的なもので、
各種の団体、企業、施設、学校などの名前の下にもこの書き方で創立年を併記しているので、
「名称の一部」に過ぎないというとらえ方でもよいのではないでしょうか。
同じことをカッコの中に入れたりダッシュで挿入したりして補足的な説明になっている場合もあります。

Die Romantische Straße (gegründet 1950) ist...
Die Romantische Straße (gegründet im Jahre 1950) ist...
Die Romantische Straße -gegründet 1950- ist...

上記のような書き方の場合でも、語順は逆になる場合があります。
慣用的な表記法や言い回しには、文法の基本的な規定と一致しないものがしばしばあります。
文法よりも言葉そのものの方が先にできているわけですから、すべてを一つの文法理論で説明するのは無理です。
スイスの文法サイトで、現地のドイツ語ネイティブの文法家が回答しているQ&Aコーナーなどを見ることがよくありますが、
文法的にはどちらが間違いとも言えない、というような回答はしばしば見かけます。
上の創立年の挿入なども、文法的にあまり厳密な規定はないのではないかという気がします。
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この回答へのお礼

迅速、且つ、ニュアンスまでで含んだ丁寧なご回答を、ありがとうございました。ドイツ語って深いんですね。再度、関連質問をしたいと思いましたが、操作方法が分からなかったので、別の質問として投稿しました。よろしくお願い申し上げます。

お礼日時:2020/01/26 08:43

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