
学校の課題でソネット形式について調べてるのですが、どこが韻をふんでるのかなどがさっぱりわかりません・・・・どうか教えてください。
「一つのメルヘン」
秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があつて、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。
陽といつても、まるで硅石か何かのやうで、
非常な個体の粉末のやうで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもゐるのでした。
さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでゐてくつきりとした
影を落としてゐるのでした。
やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
今迄流れてもゐなかつた川床に、水は
さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……
お願いします。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
ソネットという形式についての課題なのか、中原中也のソネットについてなのか、
日本のソネット一般についてなのか、どうももう一つはっきりしないのですが。
それに学校の課題ということなので、あまり詳しく述べません。
あとはご自分でお調べください。
そうでないと、質問者さんの勉強の手助けではなく、妨げをすることになります。
まず、ソネットはヨーロッパで始まった非常に古くからある形式で、厳格な韻律と押韻が定められた、
定型詩としては最も短いもの、連作されるのが普通です。
(つまり短いとはいっても、短歌や俳句からいえばなんとも長い韻文になるのですが)
英詩の場合でいいますと、多くは弱強五歩格の10音節で1行をなし、これが14行集まって1編となります。
また、脚韻はその踏み方によって大きく分けてイタリア型(ペトラルカ風)とイギリス型(シェークスピア風)とがあり、
さまざまな韻のヴァリエーションがあって精緻を極めます。
フランス語やドイツ語など、その言語の特性に合わせた固有の韻律と押韻が生み出されているので、
一括りにできないのですが、1編14行であることは共通です。
現代の詩は無韻律自由詩が主体でしょうからソネットはほとんど作られていないと思いますが、
欧米人のこの形式への思い入れは今なお熱いものがあると聞いています。魅力的な形式なんですね。
※
このヨーロッパ詩の富をなんとか日本に持ち込もうとしたのが中村真一郎、福永武彦などの「マチネ・ポエチック」ですが、
日本語による詩のリズムや音楽性の獲得は別のところにあるということが、ややもすれば軽視されたこの運動は、
彼らの詩藻をもってしても、はかばかしい実作が生まれず、あだ花となりました。
(中村氏は最後までご自分の才能の不足を嘆いていらっしゃいましたが、そうではないでしょう)
日本の詩歌はヨーロッパや中国の詩と異なって、短歌や俳句に見られるとおり、
5音と7音の組み合わせを主体とする「音数律」構成です。
これは日本語の音韻が単調だからで、
これでは、たとえば押韻によって時におもしろい効果が生み出せても、すぐマンネリ化し、反復に耐えなくなります。
枕詞や序詞、掛詞が発達した理由の一半はここにあるという人もあるし、
また、近代以降の詩ではオノマトペー(擬声語、擬態語)が詩の音楽性獲得のためにしばしば大きな役割を演じています。
ルフラン(折り返し句)もそうですね。歌謡性を獲得します。
中原中也はマチネ・ポエチックの運動よりちょいと前に亡くなっていますから、直接の関係はなかったと思います。
彼が大好きだったヴェルレーヌが音楽的なソネットを沢山書いていますから、その影響かなと思います。
お題の詩は4・4・3・3行4連による、いわば無韻律のソネットということでよろしいのではないかと思います。
(4・4・4・2行4連でも14行になりますね。中也はこれも書いていますから、興味があったらお調べください)
あと、この形式で多くの詩を作った人は、
とっさに思い出す範囲では立原道造、谷川俊太郎(詩集「62のソネット」)などが思い浮かびます。いずれも青春がうたわれています。
また明治時代の蒲原有明に「茉莉花(まつりか)」という5音と7音を巧みに組み合わせた優れたソネットがあります。
No.1
- 回答日時:
まあソネットというのはもともとはヨーロッパ語の14行詩だから、完全にソネット形式になってるかどうかはよくわかりませんが。
(アクセントの位置とかは一緒になりようが無いです。格、というやつね)2行目koishi~kawaraとカ行の音。3行目soreni~sarasaraで、サ行。
4行目sarasara~sashiteとサ行。などなど同一子音の頭韻がふまれています。他にもあると思いますが。
一方、脚韻についてはまあ、一応あるのかな、という感じです。日本語の場合、末尾に来る音が限られているので、文体の関係で韻のようになっているのか、それとも意識してやっているのか判別が困難な場合もあります。とはいえ、第2連、~やうで~やうで、は意識的でしょう。第1連の2~4行のタ行や、第2連の3~4行目のタ行、第3連の2~3行のタ行このあたりは韻を踏んでいるのかどうかはっきりしませんが、少なくともタ行の響きを作っているのは確かです。(それこそ韻の本義なのですが)
なお第1連のさらさらと~てゐるのでありました、と第4連末の同様の句は、韻というより再現といったほうがいいとおもいます。
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