
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
一番大きな違いはテーマの違いではないでしょうか?
芥川の「杜子春」は、主人公の杜子春が仙人の試練に望んだ時、畜生道に落ちた両親が鞭打たれながらも、母親が杜子春を思いやる姿に耐えられず、声を出してしまいます。
一方、唐代伝奇の「杜子春」の同じシーンでは、閻魔大王の命令で杜子春は女性に生まれ変わり、結婚して息子が生まれるが、一言も口をきかない杜子春に逆上した夫が、息子を庭石に叩きつけて殺してしまったのを見て声を出します。
つまり、芥川の「杜子春」が、子の親に対する情がテーマであるのに対し、唐代伝奇の「杜子春」は親が子を思う情がテーマになっています。
また、仙人との誓いを破った後のエピローグにも違いがあります。
芥川の「杜子春」は、杜子春は仙人になれなかったのがかえって嬉しく思っており、それを聞いた仙人は、もし声を出さなかったら命を絶ってしまおうと思っていたことを打ち明け、杜子春に家と畑を譲り、人間らしい正直な生き方をさせた、というところで物語が結ばれます。
唐代伝奇の「杜子春」では、実は仙人は不老長寿の霊薬を作っており、その材料の1つとして必要な、感情を持たない人間を作り出すために、杜子春に財産を与え、人間に愛想を尽かせるように仕向けたことが明かされます。
杜子春が誓いを守れなかったために薬の製造は失敗に終わったので、仙人は再び製造に取り掛かりますが、その時、杜子春を叱咤激励して、人間の世界で生きるように言います。
家に戻った杜子春は仙人との誓いを破ったことを恥じて、もう一度何かの役に立ちたいと思って仙人を訪ねようとするが、人の通れそうな道がないので、やむなく引き返した、と結ばれます。
その他、原作では長安が舞台になっているが芥川は洛陽にしていること、原作では仙人からいきなりお金を受け取っているのに、芥川の「杜子春」では「ここを掘ればば黄金が埋まっている」と情報だけを教えてもらうことになっていること、仙人から受け取る金額の違い、仙人との3度目の出会いの違い、仙人の過酷な試練に臨んだ時の心理描写など、細かいところにもいろいろな違いがあります。
No.2
- 回答日時:
ropesu33さん、こんにちは。
以前、別の方の志怪小説に関する御質問に回答する為にネットを検索して回ったのですが(苦笑)、その時に見付けた「杜子春」に関するページを御紹介しておきます。
トップページ以外へのリンクは禁じられていたので、下記URLから「蒐遺館」→「志怪綴」→「杜子春」と入っていってください。
多少なりとも御参考になれば宜しいのですが……。
参考URL:http://makky.pekori.to/
No.1
- 回答日時:
下記URLに李復言の「杜子春伝」が有りますので、ご覧下さい。
杜子春が女性に生まれ変わって、生んだ子供が殺される時に叫んでしまったりする話のようです。
参考URL:http://pc6.oonisi-unet.ocn.ne.jp/~inui/honnda/sh …
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