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音楽愛好家です。難しい質問になってしまいます(汗
18世紀後半のヴァイオリン協奏曲の調性はかなり偏っている事に気付きました。
モーツァルト、ヴィオッティ、サン=ジョルジュ、ジルメン等の大家の調性を調べたところ、
ヘ長調と変ホ長調の曲が一曲もない事が分かりました。いや、19世紀以降の作曲家の場合も同様でした。

パガニーニがヴァイオリン協奏曲第1番を演奏する際、調弦半音上げて変ホ長調で演奏して聴衆を驚かせた事から
変ホ長調の曲が少ないのは分かりますがヘ長調がほとんどないのは不思議ですね。何故でしょう?

P.S.
1780年頃まではB C G D A Eの調がほとんどだったようです。

A 回答 (2件)

>パガニーニがヴァイオリン協奏曲第1番を演奏する際、調弦半音上げて変ホ長調で演奏



もともと、この曲は変ホ長調(Es-dur)で書かれています。ご存知のように主音はEs(ミの♭)。ソロパートはニ長調D-dur(主音はレ)で書かれています。(オケパートより半音低い)
そこでパガニーニは自身のヴァイオリンを半音高くチューニングして弾くわけです。そうすると実際はオケと同じ高さになるわけですが、実はソロの方がより音は華やかに聴こえます。D,Aといった開放弦が使えますので重音がたっぷり響くし、何よりフィンガリング(運指)がし易いのです。この技法を「スコルダトゥーラ」といいます。
そしてここが重要なのですが、変ホ長調(Es-dur)や変ロ長調(B-dur)という調性は特に管楽器の響きに有利なのです。(吹奏楽の殆ど全ての曲はこれらどちらかの調性)すなわち、先の技法を用いるとオケ、ソロそれぞれに響きや演奏の点で有利ということが言えるのですね。(但し、当時はピッチも低く、昔のEs-durが現在のD-durに匹敵するのでこのような技法はもはや不必要になった)

さて、>ヘ長調と変ホ長調の曲が一曲もない

ということですが、実はモーツァルトのVnとVlaのための協奏交響曲K.364(Es-dur){Vlaパート=スコルダトゥーラ}は彼の若い時に書かれた5曲のヴァイオリン協奏曲(調性はいずれもB,D,G,A-dur)に比べより内容的にも深く、実質はまさに彼の円熟期におけるVlaを伴ったヴァイオリン協奏曲ともいえるのではないでしょうか?

また、有名なヴィニアフスキーの第2番はニ短調(d-moll=ヘ長調の平行調で♭一つ)です。実はヘ長調よりもニ短調のほうが楽器にとって響きや弾き易さの点で有利で古くから教会音楽にも使われています。
協奏曲以外では例えばバッハの無伴奏パルティータ第2番のシャコンヌや二つのヴァイオリンのための協奏曲など。
一方、ヘ長調はその牧歌的な響きからベートーヴェンの「田園」や「スプリング・ソナタ」に見ることが出来ます。
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 質問されている方の知識からは、既に答えがお分かりの上で質問されているのだと思いますが、ヴァイオリンの開放弦の音程が


  G-D-A-E
だから、ということでしょう。

 曲の主音または属音が開放弦と一致すれば、パッセージも弾きやすく、音程もとりやすいですし、重音なども弾きやすくなります。
 また、弾いている弦以外の開放弦が共鳴しやすく、楽器の鳴りもよくなります。

 上記の開放弦の音程からは、G-dur、G-moll、D-dur、D-moll、A-dur、A-moll あたりが一番適していることになります。

 モーツァルトに変ホ長調がないとのご指摘ですが、ヴァイオリン協奏曲ではないものの、ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲K.364は変ホ長調です。
 もっとも、ヴァイオリンとヴィオラの響きを均等にするために、ヴァイオリンは響きにくい調で、ヴィオラは調弦を半音高くして響きやすくする効果を狙ったのでしょう。初演ではモーツァルト自身がヴィオラを弾いたそうで、こういった点でモーツァルトは本当に楽器の特性や演奏者の心理をよく分かっていると思います。
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