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素朴な疑問ですが・・・。フィルムのことです。ハリウッド作品のような大作が、例えば日本全国の映画館数百、数千館で一斉ロードショーができるのはなぜでしょうか?フィルムをどうやって調達しているのでしょうか。また、上映が終わったフィルムはどうなるのでしょうか。配給元の倉庫で眠っているとか・・・・。例えばE.T.ならば6巻3144mと記録されておりますが、6巻のフィルムが一セットということになります。これらのフィルムは今、どこに眠っているのでしょうか。また、最近、ファン投票などで選ばれた旧作が上映されるケースがあります。旧作は勝手に上映することはできないのでしょうか。何が制限させているのでしょうか。デジタルの時代、フィルムによる上映は少なくなってきている?昨今。ぜひ教えて下さい。

A 回答 (2件)

>数千館で一斉ロードショーができるのはなぜでしょうか?フィルムをどうやって調達しているのでしょうか



これは配給会社から各映画館がフィルムをレンタルするようなシステムです。
世界中のすべてのどんな作品でも”オリジナルネガ”と呼ばれる原版は一本しかありません。このオリジナルから、マスターポジというのを作成します。そこからまたプリント用のネガを作ります。あまり知られていないのはネガには画ネガと音ネガがあり、この二つを元にして、各映画館に掛かる上映用プリントが作られます。
ということでオリジナルから複製~複製~複製~していくので、世界中で上映される映画は数万本になっても、大丈夫なわけです。
余談ですが、DVDも質のイイものはマスターポジが原版になっています。上映用のプリントよりも世代が上の高級素材を使っているわけです。

>これらのフィルムは今、どこに眠っているのでしょうか
上映が終わったフィルムはその昔は、名画座が廃棄していることもありました。もうボロボロなので、配給会社も”そっちで廃棄処分してもらってけっこうですよ”というわけです。
ある名画座へいくとこうしたフィルムがもらえる、なんてこともあったようです。
書店で売っているような廉価版DVDはこのような上映用プリントを元にDVDを作っています。画質や音質は悪いけど、新たにフィルムを起こす訳じゃないので、安上がりになるわけです。
いまは上映が終わったら配給会社か、日本で現像を担当した会社などに戻されると思います。で、海賊版などにならないように状態のイイもの(名画座などの上映用)以外は廃棄処分されているはずです。
また多くの映画館で上映したくなれば、プリント用ネガがあればいいので、上映用のプリントはもう必要ないわけです。

旧作の上映は、権利を持っている会社から新たに権利を得て、上映用のフィルム(プリント)を作り直しています。”ニュープリント”となっているのはそれに当たります。
これ以外にデジタルリマスターというのもありますが、これは古くなったフィルムをコンピュータに取り込んでキズを修復したり褪せた色を調整したりするもので、ここから上映用のプリントにすると、色やキズは改善されますが、粒子はかなり粗くなってしまうことが多いです。
”デジタルリマスター”の名前につられていろんなリバイバル作品を劇場へ見に行きましたが、ガッカリするほどの画質でした。

デジタルによる上映ですが、フィルムはかさばるのと、工程が煩雑なので少しずつですが減ってはいます。
また「スターウォーズ」のように最初からほぼ全カット合成やCGによる処理が成されるものはフィルムのカメラを使わずにデジタルカメラを使って撮影しています。

作り手はフィルムの質にこだわる方もいますし、フィルムだと1000feet以上のものがないので、最大11分くらいの連続映像しか撮影できません。
これが嫌でアート系の監督の中にもいちはやくデジタル撮影を取り入れた方もいます。
ロシアのソクーロフという監督は「エルミタージュ幻想」という映画を90分ワンカット、編集はゼロという形で作りました。これは絶対にフィルムでは無理なことでした。

今後しばらくはフィルムとデジタルの両方が共存すると思います。
フィルムのクォリティにデジタルがまだ追いついていないのと、デジタルは長期の保存に向かない(現時点でですが)という理由があります。
一方フィルムはかさばる、工程が煩雑、フィルムの運搬にお金が掛かり、運搬の最中に海賊版を作られてしまう、などなど、どっちにしても長短あります。
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この回答へのお礼

まさに廃棄されているなんて驚きました。現実を考えれば廃棄するしかないのでしょう。大変詳細な回答をいただき感謝しております。ありがとうございました。映画館のスタイルもシネコンが主流の時代で、すっかりデジタル上映(フィルムでない)が当たり前だと思っておりました。オリジナルから複製、複製というところがいいですね。ただその作業は、フィルムというそのもの特性から、ディスクに焼き付けるような簡単な作業ではないと思うのですが、恐れ入ります。非常に勉強になりました。

お礼日時:2010/02/13 08:09

上映後のフィルムですが、廃棄が基本です。


約20分で1リール(切り替えの関係で、それより多少前後しますが)
で120分の場合6本がパッケージされてますが、初号~第0000号とすべてケースにシールで張られていまして、(使い古されたケースだと、別映画のシールが幾重にも重なって張られてたりします)何号のフィルムが今どこで上映されているかなど、すべて配給元で管理されています。
旧作の上映用に保存されているものもありますが、国内配給元と著作を持つ会社との契約期限が切れれば、廃棄される運命にあり、叉、何本ポジフィルムに焼かれたかなどデータと、廃棄処分の証明が必要になります。旧作の上映に関してですが、上映終了後も国内の配給元が版権を持っていれば保管されているポジフィルム(叉はネガフィルムから新たにポジを起して)を使っての上映も可能ですが、版権が無い場合は、無論フィルムも廃棄となります。
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この回答へのお礼

納得しました。一度フィルムの現本を見てみたいです。昔、何かのイベントで本物のフィルムを切り取ったしおりのようなものをもらってうれしかったのを思い出しました。ご回答ありがとうございました。

お礼日時:2010/02/13 08:14

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