
No.3ベストアンサー
- 回答日時:
No.1さんの挙げられた3点で決まりです。
平均律と言えばリヒテル。まったくユニークなグールド。乱暴に言えば、シフはリヒテルに、ヒューイットやトゥレックはグールドの中に含まれています。そして、世評では前の2枚に及ばないけれど、ピリオド楽器演奏の最高峰として断然、レオンハルト。いくつか補足を。私の意見ということでお読みください。ジャレット某は、マイルス・デイヴィスのバンドで世に出た後、ライトクラシック風?のピアノソロ作品で広く知られるようになりました。クラシックを知らないジャズのリスナーを煙に巻いたいう見方もでき、賛否両論あります。彼のバッハ録音は、今度はジャズを知らないクラシックのリスナーを慌てさせましたが、テクニック面でプロのクラシックのピアニストの平均レベルに遠く達しておらず、かと言ってジャズのエッセンスも利いていおらず、一過性の話題を提供して終わりました。こんなものを前述の3点に並べては失礼です。
レオンハルトについて、世評にかわって大きく推したいです。ピリオド楽器演奏隆盛の現在、ピアニストが素朴にピアノでバッハを弾くことさえ憚られるような雰囲気があります。リヒテル、グールドに何か一つ加えるなら、ピリオド楽器による演奏でしょう。レオンハルトの演奏は40年前のもので、マイクの近さとともに、いまどきの録音に比べると若干響きが古いものの、それでも十分に美しいし、レオンハルトに比肩できるチェンバロ奏者はまだ現れていません。
リヒテルの演奏にはバッハの音楽を静的なものとして神格化する態度、ロマン的解釈の香りが多分にありますし、グールドも彼独自のピアノ語彙に強く引付けた演奏です。もちろん両者すばらしい演奏ですが。これに対してピリオド演奏という立場は、バッハより後の時代に成立した演奏習慣を排し、バッハ時代の文献資料・バッハ時代の音楽の素養を通じて読み解こうとする態度を取ります。
それだって演奏スタイルの流行の一つにすぎません。そのように演奏するのが「正しい」ということではないのです。歴史考証の正しさにも疑問は残ります。ピリオド楽器奏者たち自身も、そこはよく意識しています。ただ、リヒテルやグールドに比べ、レオンハルトの演奏は「バッハ」に焦点をあてた比率が高いとは言えるでしょう。それに何より演奏自体が味わい深い。3種の中で一番、聴き込むに値すると私は思います。
『平均律クラヴィーア曲集』という通称はおそらく誤訳であろう、という議論があります。原題の「Wohltemperierte」は「うまく調律された」という意味ですが、「平均律」と言えばオクターブを12等分する12音平均律を指すことになり、いっぽうバッハ本人が用いた調律は古典調律と呼ばれる不等分律だったであろう、と。不等分律を使うと和音の響きが調によって異なり、バッハ時代の作曲家は、それを折り込んで調性を選択したとも言われます。でも、ちょっと聴いたくらいでは「そうなのかなあ~??」って感じなんです。今後、それを納得させてくれるような録音が出ないだろうか、というのが個人的な期待です。
いずれにせよ、前述の3枚以外に加えるほどのものが今後出るとすれば、グールド並の才能が出現するか、ピリオド演奏が次なるパラダイムに入った時の話でしょう。レコード産業が末期的に衰退した現在、「天才」「21世紀の担い手」などの誇大な宣伝文句が安売りされがちですが、グールド並の才能なんてグールド以降半世紀経っても出てないわけです。無責任な宣伝文句にはご注意を。
詳しいご解説、ありがとうございます。
平均律のもともとの意味など、、興味深く、勉強になります。。
やはり、リヒテル、グールドはこの曲集の双璧という感じなのですね。。
レオンハルトのチェンバロ盤も是非聴きたいと思います。
シフのバッハにも興味があるので、、4枚購入することにします。
聴き比べてみるのがとても楽しみです^^

No.2
- 回答日時:
http://homepage3.nifty.com/kyushima/cd/WTC2.html
ここの比較サイトをどうぞ。曲に対する解釈は人それぞれなのでともかくとして、アーティキュレーションやタッチといった技術的なことや録音状態、ピアニストの解釈の傾向に関してはかなり参考になります。
(私も良くCDを購入するときに参考にしています)
ちなみに私は、技術的に隙がなく、音楽が変化に富んでいるアンドラーシュ・シフの演奏が最も好きです。
下のページで少し視聴できます。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/87666
すっご~いサイトをご紹介下さり、ありがとうございます!
其々の曲の演奏時間の表まであって、、驚きの詳しさです。。
他の作曲家や曲のCDの購入で迷った時も参考にさせていただきます。
アンドラージュ・シフのモーツァルトのCDは持っています。
とても素敵な演奏家ですよね。。
バッハもぜひ聴いてみたい・・これも購入決定です。
No.1
- 回答日時:
あまり奇を衒わずに、古くからの定評のある、基本的な定番の演奏を先ず聴いておくことをお勧めします。
あまりに定番すぎるので、既にお聴きになっているかもしれませんが…。1.リヒテル
珠を転がすような美音で弾かれています。個人的には最も好きな演奏で、ピアノで演奏されたバージョンとしては、ある意味最も理想的な演奏だと思います。
2.グールド
個性的な演奏ではありますが、これも定評のある名演のひとつです。グールドは特に好き嫌いが分かれがちですが、嫌いな人でも一度は聴いておく価値があると思います。
3.レオンハルト
チェンバロで演奏されたものとしては個人的にお勧めです。
番外、キース・ジャレット
ジャズピアニストでもあるキース・ジャレットの演奏も興味深いです。
ジャズピアニストと言っても、ここでの演奏は典型的なクラシカルスタイルで貫かれており違和感はありません(個人的には、折角のジャズピアニストの演奏なのですから、もう少し遊んで欲しかったのですが)。ですが、キースの高度なテクニックはクラシックでも充分通用するものだということが良く分かります。こちらは第1巻はピアノ、第2巻はチェンバロで弾かれています。
その他、グルダ(ピアノ)やヴァルヒャ(チェンバロ)などが以前から知られる名演です。
ご回答ありがとうございます。
リヒテル、、チャイコフスキーとラフマニノフのピアノ協奏曲のCD(素晴らしい演奏です!)を持っていますが、バッハは聴いたことがありませんでした。
ぜひ購入して聴いてみたいと思います。
グールド、、昔実家にゴルドベルクのLPがあって聴いた覚えがあります。
やはり、彼のバッハは必聴ですか。。
これも購入、決まりですね。。
時代が時代ですから、もともとはチェンバロのために作られた曲なのですよね。。
レオンハルトのチェンバロも魅力的です。
あのキース・ジャレットがバッハを録音していたなんて、、びっくりです!
これも是非聴いてみたいと思います。。
しかも、1、2巻でピアノとチェンバロ、両方聴けるなんて、、わくわくしますね^^
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