
わかっているつもりだったのですが、わからなくなってしまいました。毛管力の計算はできるのですが原理がわかりません。
毛細管上部で毛細管内の液体が凹面のメニスカスを形成しているとき、液体と壁面(固体)と大気との3相が接する場所での力の釣り合いは、ヤングの式が成り立っていて上向きの固体の表面張力と、下向きの界面張力と、「斜め下向き」の液体の表面張力の余弦とが釣り合うように接触角を決めているのでしょうか。
それともラプラスの式が成り立っていて、「斜め上向き」の表面張力の余弦と下向きの気液差圧による力とが釣り合うように差圧を決めているのでしょうか。
前者と後者では表面張力の向きが逆向きになります。
もし前者が正しいとした場合、ラプラスの式の表面張力は何処の場所で考えれば良いのでしょうか。
<添付図の記号>
γL:液体の表面張力
γS:固体(毛細管壁)の表面張力
γLS:界面張力
P:気液界面の圧力差
A:毛細管の断面積
S:毛細管の周長

No.1ベストアンサー
- 回答日時:
Laplaceの式を含まないのなら、毛細管現象は説明できないです。
つり合いは、むしろEnergy関係で考えた方が納得しやすいのではないでしょうか?気相から無限小のΔxだけ界面を押し下げたとします。するとその仕事は毛管の半径をrとして
P*πr^2Δx
ですが、そのエネルギーは新たに生成、消滅した表面のエネルギーに対応しているはずです。よって
P*πr^2Δx=(γs-γLs)2πrΔx...(1)
となります。表面張力は表面エネルギーと考えてよいですから、押されることによって2πr*γs*Δxの表面エネルギーが生じ、2πr*γLs*Δxの表面エネルギーが消滅して、その差のエネルギー増大がありました、と考えるのです。
ところでYoungの式により
γs-γsL=γLcosθ...(2)
です。これを(1)に代入して整理すれば
P*r=2γLcosθ
になります。これは
P=2γLcosθ/r
となりますが、まさにLaplaceの式そのものです。
ありがとうございました。大変よくわかりました。
毛管力というのは乾いた管壁の表面張力と濡れた管壁の界面張力との差によって生じているわけですね。言われてみれば大変順当な説明だと思います。ラプラスの式はヤングの式を使ってこれを接触角と液体の表面張力から算出する式に直している、そう理解しました。濡れた場所が乾くことによる表面エネルギーの変化の説明も、大変よくわかりました。私は液体の表面張力に拘りすぎてそういう考え方が思いつきませんでした。助かりました。
No.2
- 回答日時:
> ラプラスの式はヤングの式を使ってこれを接触角と液体の表面張力から
> 算出する式に直している、そう理解しました。
ちょっとコメントいたしますと、Laplaceの式はLaplaceの式として、表面張力γと曲率Rをもった面の凸側と凹側の圧力差というだけのことから
ΔP=2γ/R
という形を導出できます。
今の例は表面エネルギーの関係を使った一つの圧力差の導出ということです。そしてcosθが入ってきます。これはお分かりのように、この気液界面の曲率半径Rがr/cosθになることによります。
曲率を使ったラプラスの式の説明は読んだことがありますが、私の見たものは表面張力の向きを質問の右図と同様にヤングの式と逆向きに取っていて、その理由がどうしても理解できませんでした。No.1の表面エネルギーを使う説明では非常にすっきり納得できました。重ね重ね有難うございました。
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