
著作権という名称でないかも知れませんが、もし自主出版などでエッセイ的だったり例えば演劇、映画、音楽等の批評文などの本を出版したい場合、その文章に出てくる実名は、全部、本人に断りの連絡をしているのでしょうか?
自主などでなく大手出版社から出ている本はどうなのでしょうか?
例えば断りを入れるとして、謝礼などを払っているのでしょうか。
また法律的には断らなければいけないのでしょうか。
例えば批評文だと相手を批判する文もあるかと思うのですが、その際、掲載の連絡をしなかった場合、名誉毀損などあるのでしょうか。エッセイスト、批評家の方はどうされているのでしょう。
質問が多くなりましたが、お答え頂ける部分のみでも全然結構です。
宜しくお願い致します。
A 回答 (2件)
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No.2
- 回答日時:
基本的に、著作物(映画等を含む)の「タイトル」には著作権はありません。
(ディズニーなど、例外的にタイトルにまで商標権(かな?)を行使する場合もありますが、一般にはタイトルに関してはフリーです)
それを言い出したら、小学校の「読書感想文」を書くにも、大学生が卒論を書くにも、書いた著作物のタイトルすべての著者に許可を取らねばなりません(読書感想文や学生の論文とはいえ、公に公開される場合がありますので、そうなると著作権の問題は避けて通れません)。
しかし、過去の経験上、学校の宿題のために著者に許可を取った覚えはありませんし、学生時代の論文でも、何十件もの論文を引用しましたが、何一つ、許可を取ってはいません。
内容を引用する場合は引用元をきちんと明示すれば、引用に関しては許可の必要はありません。
wikiより引用↓
公表された著作物は自由に引用して利用することが出来る。ただし、それは公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道・批評・研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならないとされる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%91%97%E4%BD%9C% …
内容的に名誉を毀損するほどのエッセイや批評文であれば、著作権の問題ではなく「名誉毀損」で訴えられる可能性は、もちろんあります。
しかし、そういう「名誉毀損」にあたるものを「書きますが、いいですか」と許可を取りに行っても、許可されるはずもないでしょう。
ちまたの週刊誌で「名誉毀損」問題が跡を絶たないのは、いちいち当事者に許可を取っていない証拠です。
一応、編集関係の仕事をしていますが、エッセイ、批評、論文等、いずれもいちいち著者に許可を取ってはいません。
もちろん、「常識の範囲を超えて」引用する場合、内容的にかなり批判的である場合等、関係者に「お伺い」を立てることはありますが、かなり例外的です。
そんなことを言っていたら、各新聞、各雑誌が総理大臣の記事を書くのに、いちいち総理官邸へ問い合わせせねばなりません。
有名芸能人もそうです。新聞、雑誌、ワイドショーに取り上げるたんびに事務所に許可を……なんてこと、問い合わせされる方も迷惑に思うはずだと思いますが……。
詳細な御説明を頂きまして、大変ためになりました。本当にありがとうございます。 もの凄くぶった斬っている辛口の批評本や、特ダネ芸能週刊誌などは、いつも名誉毀損の綱渡り的に発売しているということでしょうか!?
No.1
- 回答日時:
それはケースバイケースですね。
文章中に実名を使うというだけで、本人の許諾を得ることが必要というわけではありません。しかし例えば著作物(書籍等)のタイトルに著名人の氏名を用いる場合は多くの場合、本人の許諾をとり、適切な対価を支払っているはずです。氏名に関する直接の権利が法上認められているわけではありませんが、氏名やその人のエピソードに関する記載が顧客吸引力を有する場合、そのような利益や価値は著名人本人に独占排他的に利用することが判例上認められています。これをパブリシティ権と言います。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%96% …
パブリシティ権というのは人格権に派生する権利だとされています。ですからダービー馬の名前等には認められていません。馬は法律上は物でしかなく、人格権がないためですね。物に関する権利(物権)は法律で認められたものしか主張することができません。物権法定主義といいます。逆に、人間は物ではないので物権法定主義の拘束を受けません。
その人の氏名や話題を書籍で取り上げることで、その書籍が売れる(顧客吸引力がある)のならば当然その書籍はその人の利益を横取りしている形になります。つまり他人の有する顧客吸引力をタダで利用することは許されないということです。
なおその人物が著名でなければ、顧客吸引力も発生してきません。人格権は誰にでも認められていますが、パブリシティ権はその人物の著名性に影響します。
事実、週刊誌などはしょっちゅう著名人から訴えられていますね。ただし週刊誌の場合は種々雑多な著名人の話題をいつも扱っていて、特定の著名人の話題だけで売上が伸びたことを立証しにくいので、特定著名人の名前やゴシップが掲載されたというだけでは裁判まで至りづらいです。要するに著名人の側も勝てない喧嘩はしないということです。
しかし例えば週刊誌のゴシップ話等、事実と違う記載がなされた場合、週刊誌側の落ち度の立証が可能な場合が出てきます。著名人の側からすれば事実はこうで週刊誌は間違っているといえば済みますから。つまり著名人の側に勝ち目が出てきますから、ここぞとばかりに出版社側に裁判を仕掛けてくることになります。
ちょっと長くなりましたが、以上のことから、あなたが仮にエッセイや批評文で所定の著名人の名前や話題を扱う場合に許諾が必要かどうかが予想できるはずです。
つまり著名人が自分の名前を掲載したことでそのエッセイが購読され、顕著な売上が得られたという因果関係を相手方から立証されそうな場合は、当然事前許諾を求めておいた方が安全ということになりますね。そうしておけば、後々裁判費用が発生しなくて済みますから。
その人物が著名でないなら、許諾を得ることはマストではないですが、一言断りくらい入れておいてもいいかもしれません。
大変御丁寧で分かりやすい御説明を本当にありがとうございます。凄く嬉しいです。そうですか。批評文で作品に対して否定的な文を書く場合、断りを入れるのは、難しそうですね。その場合批評家の方はどうしているのでしょうか。断りを入れず、一か八かみたいな感じなのでしょうか。
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