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伝承はホメーロスが盲目であったとしている。
まず第一に、『オデュッセイア』でトロイア戦争を歌うために登場するアオイドスのデーモドコスが盲目である――ムーサはデーモドコスから「目を取り去ったが、甘美な歌を与えた」。それから、『ホメーロス讃歌』のデロス島のアポローン讃歌の作者が自分自身について「石ころだらけのキオスに住む盲人」[5]と語っている。この一節はトゥキディデスが、ホメーロスが自分自身について語った部分として引用している。「盲目の吟遊詩人」というイメージはギリシア文学の紋切り型であった。ディオン・クリュソストモス(英語版)の弁論の登場人物の一人は「これらの詩人たちは全て盲目であり、彼らは盲目であることなしに詩人となることは不可能だと信じていた。」と指摘した。ディオンは詩人たちがこの特殊性を一種の眼病のようにして伝えていったと答えている。事実、抒情詩人ロクリスのクセノクリトスは生まれつき盲目だったとされている。エレトリアのアカイオス(フランス語版)は、ムーサイの象徴である蜜蜂に刺されて盲目となった。ステシコロスはヘレネーを貶したために視力を失った。デモクリトスはより良く見るために自ら失明した。
全ての詩人が盲目だった訳ではないが、盲目は頻繁に詩と結び付けられる。マーチン・P・ニルソンは、スラヴの一部地域では、吟遊詩人は儀礼的に「盲目」として扱われていると指摘している――アリストテレスが既に主張していたように、視力の喪失は記憶力を高めると考えられる。加えて、ギリシアでは非常に頻繁に、盲目と予知能力を結び付けて考えた。テイレシアース、メッセネのオピオネー[訳語疑問点]、アポロニアのエヴェニオス[訳語疑問点]、 ピネハスといった予言者たちは皆盲目であった。より散文的には、アオイドスは古代ギリシアのような社会で盲人が就けた数少ない職業の1つだった。
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