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ドイツ語のアウフタクト(Auftakt)は、日本語訳では「弱起」ですが、このことについて腑に落ちないので質問します。
「弱起」というのは「弱く起ち上がること」つまり「弱く始まる」ことだと思うのですが、そもそもアウフタクトは弱いのでしょうか?
ドイツ語の「Auf」は「~に向かう」つまり、「Takt」(小節)に向かうということであって、弱く始まるとはどこにもありません。
例えば、ブラームスの交響曲第四番冒頭は、アウフタクトで始まりますが、弱く始まりません。あと、ブラームス交響曲第三番第三楽章もアウフタクトで始まります。

要するに、アウフタクトとは何かが動き出す時の「エネルギー」、車に例えると動かすための「トルク」、語弊があるなら「モーメント」のようなものだと思うのですが、この考え方は間違っているでしょうか?

ブラームス交響曲第四番 ラトル/ベルリン・フィル

ブラームス交響曲第三番 第三楽章(22:06~) アバド/ベルリン・フィル
https://www.youtube.com/watch?v=ZZok_Z3RHZ4

「アウフタクトは弱く始まるか?」の質問画像

質問者からの補足コメント

  • 質問後、スコアを見直したら弦のメロディーを木管楽器が裏拍(四分音符)で吹いているのがわかりました。
    また、「アウフタクト」でgoogle検索したところCiNiiの論文(無料で読めるのもある)を参照しました。

      補足日時:2015/11/25 18:38

A 回答 (2件)

「アウフタクト」の「アウフ(auf)」とは、もともと「上方へ」という意味で、弱拍のことを指します。

「下方へ」を示すには「アップ(ab)」というドイツ語があります。「下方へ」、ということは「重さ」を表し、「上方へ」、というのは「軽さ」を表します。強・弱・強・弱(重・軽・重・軽)は、ab, auf, ab , aufに当たります。たとえば弦楽器のボーイングでは、下げ弓をAbstrich(アップシュトリッヒ)と呼び、上げ弓をAufstrich(アウフシュトリッヒ)と呼びます。下げ弓の方が力強い音が出、基本は強拍など、アクセントが付く個所で用います。
そもそも、欧米語のような強弱リズムを持たない言語を話している日本人には、拍の強弱の感覚がやや欠けがちです。1小節中の各拍は、理論上、強拍か弱拍のどちらかに分類されます。4拍子なら、1拍目が強拍、2拍目が弱拍、3拍目が中強拍、4拍目が弱拍と定義されます。単純なリズムやフレーズ構造の音楽なら、強拍である小節の第1拍目や3拍目に重みがあります。これは、あくまでも拍節法の「土台」であって、実際の音楽では、たとえばシンコペーションのリズムの場合のように、弱拍と強拍がタイで結ばれたときは、強拍上に置かれるべきアクセントが弱拍に繰り上げられます。フレーズ構造の関係や表現内容によって、本来弱拍である場所の音符にアクセントを意図的に置くというのも、よくあることです。しかし、「アウフタアクト」という語は、小節第1拍目より前の弱拍上の音符から音楽が開始されることを意味する、拍節の理論上の用語で、原義はやはりアクセントのない音から始まるという定義になります。
アウフタクトという用語は、詩の韻律論でも使いますが、たとえば英語で「the book」という場合、theは弱く、bookの方にアクセントがあります。欧米語の音節にはみなこの強弱の別があり、一つの詩行の冒頭がアクセントのない語、または音節で始まるような形をアウフタクトと呼びます。ドイツ語の場合は、特に2番目のシラブルにアクセントが来ることが多いと言われます。歌曲など、歌詞を伴った曲を書く場合、詩そのものが弱拍で始まる場合は、当然旋律も弱拍から始まります。たとえ歌詞を伴わない器楽の曲であっても、このような強弱感覚をもともと持っているヨーロッパの作曲家にとってはごく自然のことです。
それから、ブラームスの第4の冒頭が出ていますが、「弱く始まらない」というのは、旋律だけで判断しているようです。ほかのパートは小節の第1拍目から始まるので、ヴァイオリンの開始の音しかない4拍目よりも重くなります。また、伴奏の音型を見れば明らかですが、強拍である第1拍目と第3拍目に低い音があり、重さが置かれています。強弱の意味は、必ずしも旋律だけの構造や、音量上の差だけにあるのではありません。同時に演奏される和音の種類や、その変わり目の位置など、音楽全体の構造とも関わりがあります。
アウフタクトで始まる曲は山ほどあります。そのアウフタクトが、動き出すエネルギーと感じられるか、あるいは、アクセントのない拍から始まっていることにより軽やかさ、柔らかさ、はたまた悲しみの感情を表すか、それは曲によって様々です。
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この回答へのお礼

お時間を取っていただきありがとうございます。
アウフタクトは言語と密接な繋がりがあり、特に「前置詞」や「冠詞」などがあるドイツ語等は前置詞や冠詞には「弱拍」が相当するということで、拍節感を感じやすいです。

一方、アクセントを持たない日本語は冠詞や前置詞がないので、拍節感を感じにくいということのうようですね。
また、本来アウフタクトの曲なのに、日本語の歌詞をつけるとダウンビートの曲にしてしまう例を確認しました。8分の6拍子
を平気で4分の4拍子にしてしまうという拍節感の無さは、日本語を母語に持っている人の宿命でしょうか。

本当は「強拍・弱拍」についても疑問があったのですが、ご説明で理解しました。「強・弱」よりも「重い・軽い」のほうがしっくりきます。
また、ブラームスについては、特にアウフタクトだからといって弱く始まらないわけではないということですね。

お礼日時:2015/11/25 18:59

「強弱」の問題ではなく、「オンビート」に対する「オフビート」ということです。


 4拍子なら、1拍目、3拍目がオンビート、2拍目、4拍目がオフビートです。
 主にクラシック音楽では、「オンビート」の方を「強拍」と呼び、「オフビート」を「弱拍」と呼びます。なので、オフビートから始まるものを「弱起」というだけです。

>アウフタクトとは何かが動き出す時の「エネルギー」、車に例えると動かすための「トルク」、語弊があるなら「モーメント」のようなものだと思うのですが、この考え方は間違っているでしょうか?

 合っていると思います。ポピュラー系の音楽、特にロックやジャズなどの「リズムの強烈な音楽」、躍動感にあふれた音楽では、オフビートの方が強く演奏されます。聴衆が拍手でリズムを取るのもオフビート側です。

 呼び名に惑わされずに、あなたのように「本質」をつかめばよいのです。
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この回答へのお礼

お時間を取っていただきありがとうございます。結構いろいろな呼び方があって、アップビートとも呼ぶようですし、ドイツ語も混ざると混乱します。また、ドイツ語のアウフタクトは、「上拍」とも訳されるので、統一してほしいです。

お礼日時:2015/11/25 19:03

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