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どうにもロシア物は和声が難しくていけません。ラフマニノフのピアノ・ソナタ2番の第一主題から第2主題に向かう移行部のコード進行についても2点ほど質問があるのですが、教えていただけないでしょうか。

質問1
引用譜1 : http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=6984006265 …
(1) 2小節目の3拍目裏の左手G音を倚音ととり、4拍目の和音を F7としたのですが、あっていますでしょうか?。 とくに3拍目のG音は倚音ではなく、G7の構成音と考えてもいいような気がするのですが、いかがでしょうか(http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=3044525289 …
(2) 3−4小節目は引用譜中に示すようなコード進行と理解しているのですが、倚音との関係(http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=5842593689 …で少し不安がありす。確認お願いできないでしょうか。
質問2
引用譜2 : http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=2524932054 …
引用譜1の続きの5小節目のコードなのですが、E♭dim- F -G♭7? - F (+5) ととって見たのですが、なんとなく、非和声音で脚色されているものの、5小節目は全体として b moll のV だけ使われていると把握してもいいような気がします。しかしどうも自分の和声感覚にいまいち自信が持てません。アドバイスお願いできないでしょうか。
音源

44秒〜

質問者からの補足コメント

  • HAPPY

    こちらについても回答ありがとうございます!

    質問1の(1)に対するご説明で、ラフマニノフの作曲の姿勢や考え方がわかったような気がします!
    Tastenkastenさんのアドバイスを元にもう一度楽譜を見てみます!

    No.1の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/09/23 01:07
  • HAPPY

    Tastenkasten さん、譜例 ありがとうございます!!
     線の流れがよくわかり、おおいに助かっています。
    それと、ピアノで弾いてみて気付いたのですが、ベースとなる進行は古典的でも。非和声音を上手く使うことによって(いい意味で)複雑な和音の響きを作り出すことができるのですね。改めて実感しました。

    No.2の回答に寄せられた補足コメントです。 補足日時:2016/09/23 18:45

A 回答 (3件)

変化音や非和声音に惑わされているためと、和音の変わり目が小節のぴったり1拍目でなく、前の小節の最後の音からであることを見逃しているために、調性の選択を誤っています。

分析の方法はもちろんひと通りではありませんが、全体的にB-mollの調感が維持されているので、できればB-mollのまま分析したいところです。副和音や準固有和音とみなすか短い転調とみなすかは、紙の上の分析記号にすぎないのでどちらでもかまわないと思います。背後にある基本的な和声進行は比較的シンプルですが、結果的に違う和声に聞こえるのは前の部分と同じです。

>追質問1
>引用譜3中の8小節目の第1拍目の和音の考え方は, 経過音や、倚音により、結果的にⅣっぽく聞こえる

Desは非和声音ではなく和声音です。和声の骨組みは、7の和音の非常に単純な並行による上昇です。実際には、最高音と最低音が小節ごとに反行する形で和声進行らしくなっていますが、B-mollの中での一直線の上行なので、転調と取るほどではないと思います。ただし、G♮が出てくるので、そこの表記が問題になります。7小節目後半だけDes-durと取ることもできますが、あえてB-moll内での表記にしてみました。

>追質問2
>(1) 引用譜4 中11小節目2拍目は、経過音(右手B音、左手EsとG音)が重なって結果偶成的に生じた ⅱ の和音という理解でよろしいでしょうか。

この部分も、私はあえてすべてB-mollで分析しました。10~11小節にかけて、読み替えや解釈の変更でDes-durかF-mollで分析することも可能ですが、少なくとも11小節目の2拍目からはB-mollに戻って分析するべきで、そうすればV9下方変位根音省略という比較的簡単な和音として分析できます。

>(2) また、和音や非和声音の取り方は適切でしょうか。間違いがあればご指摘お願いします(特に9-10小節目にかけてのⅱ度のVからⅣ9 への進行が不安です。単に3度関係で接続されているだけしょうか)。

譜例を見てください。背後にある和声の基礎は比較的簡単です。込み入った声部進行による修飾で、それとは違う和声の効果が出てきます。1段目が基礎にあるシンプルな和声進行の要約、その下の大譜表が実際の聞こえ方です。このように半音階の経過音群が絡んできた場合、どれを和声音と取ってどれを非和声音と取るかで分析結果が変わります。一応弾きながら耳に残る響きの印象を優先しては見ましたが、解釈のしかたはいくらでもあります。基本的には、1段目のシンプルな和声進行が把握できればそれでよいと思います。大譜表の下に書いてあるようにあまり凝り過ぎると、かえってわからなくなります。

>追質問3
>引用譜5中の3小節目の和音の取り方に少し不安があります。

2~3小節目で気を付けなければならないのは、和音の変わり目が拍上ピッタリではないということです。3拍目の和音の根音は、その直前の16分音符Asであり、3小節目の和音の根音は2小節目最後の16分音符Bだということです。また、ここもDes-durとして扱う意味があまりないので、B-mollのままにしてあります。やはり単純な7の和音の並行で、左手の6度の跳躍は、6度音程の2声としてとらえれば、和声音と経過音が一目瞭然です。右手の3度も、左手の6度の上行に反行する和声音と経過音です。

譜例
http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=8471091585 …

ちょっと気になっているのですが、これまでのような複雑な近代和声を的確に分析できるようにするには、非和声音や偶成和音を実際に書く練習が大事な前提になります。もし和声の教科書全3巻をお持ちなら、少なくとも非和声音や偶成和音の章までの実施課題をやることと、少し前の時代の作曲家の作品、ショパン、シューマン、リストなどをじっくり分析しておくことをお勧めします。ロシアの作曲家には音の使い方に癖があり、対位法的に入り組んだものもあるので、バッハも基礎になりますし、ドビュッシーやラヴェルによる拡大発展された和声の用法も熟知しておくと分析のヒントになります。そういう積み上げがないと、どうしても似た様な読み違いを繰り返しそうな気がします。
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この回答へのお礼

せっかくの休日にもかかわらずご親切に教えてくださり誠にありがとうございました!
 大譜の作成など、少なからぬ手間もかかったと思います。本当に感謝いたします。何度も読み返して一生懸命勉強します!

ところでご指摘のように、似たような読み間違いをしてしまう、あるいはそもそも読み間違える以前にお手上げになってしまう、ということが多々あり、私自身そのことに気を揉んでいるところでした。
やはり、基礎なくして大成なし、ということですね。アドバイスのとおり、芸大本の実施課題、少し前の時代の楽曲の分析、バッハの対位法の勉強等、頑張ってみます。
 ただ、一点不安なのが、対位法の勉強という点です、実は、バッハは一時期かなりハマったことがあり、何曲かアナリーゼも試みたことがあるのですが、少々相談したい点があります。きりがいいですので、このスレッドは一度閉じて、「バッハの対位法の勉強について」と題して改めて質問させていただきたいと思います。

お礼日時:2016/09/26 18:23

前の回答を少し補足、修正します。


質問2に関して、「バスは、単にF音とその周りをめぐっている刺繍音群」と書きましたが、この箇所の原型となる基本的な和声進行を、1拍ごとに和音、もしくはその形態が変わる形で要約してみます。ごく古典的な進行に還元できます(譜例の「基本となる和声進行」の段を参照)。これを骨組みにして、4声ではなく5声の声部進行の結果、原型とはかなり印象の違う偶成和音の進行が生成します。その過程を示します。
質問1の(2)に関して、3~4小節の和声の原型と実際の声部進行も示しておきます。

http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=3125035076 …
この回答への補足あり
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この回答へのお礼

解答ありがとうございました。それで、アドバイスを元に、今日一日、移行部をもう少しアナリーゼしてみたのですが、3点ほど不安な箇所があります。お時間あるときで結構ですので、教えていただけないでしょうか。

追質問1
 引用譜3: http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=7402430678 …
引用譜3中の8小節目の第1泊目の和音の考え方は, 経過音や、倚音により、結果的にⅣっぽく聞こえる
という理解でよろしいでしょうか。

追質問2
 引用譜4(音源 1m04s〜): http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=4303489290 …
(1) 引用譜4 中11小節目2拍目は、経過音(右手B音、左手EsとG音)が重なって結果偶成的に生じた ⅱ の和音という理解でよろしいでしょうか。
(2) また、和音や非和声音の取り方は適切でしょうか。間違いがあればご指摘お願いします(特に9-10小節目にかけてのⅱ度のVからⅣ9 への進行が不安です。単に3度関係で接続されているだけしょうか)。

質問3
引用譜5(音源1m24s 〜) : http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=4897408981 …
引用譜5中の3小節目の和音の取り方に少し不安があります。特に赤字で書いた、V7(9) - ⅵ - ⅵ度のV7 のところが不安であります。確認お願いします。

お礼日時:2016/09/24 18:44

明日の夜と思ったのですが、まだ少し時間が取れますので。



質問1
(1)
左手G音は、倚音というより、その前のFis音から続く経過音です。ラフマニノフは、特に後期の作品で顕著ですが、半音進行を多用した経過音や倚音その他の非和声音を巧みに組み合わせることにより、複雑な色合いの偶成和音を挿入していきます。もちろん、各瞬間は和音として成立していますが、それはあくまでも声部進行に裏打ちされた、その調にとって意外性のある和音です。単に独立した和音として見るわけにはいかず、あくまでもどういう論理でそういう和音が生成したかということを押さえる必要があります。ですので、G音は横の流れで見れば経過音でもあり、縦に切り取ればまた和声音でもあるということです。ただ、こういう複雑な非和声音による偶成和音は、その調の音階に含まれない音をたくさん含むことがあり、これらを独立的に何の和音と記号表記するのは無理で、現実的ではありません。どういう理屈でそういう和音が生成しているのかという声部進行の原理を見極め、あとは瞬間々々の和音がどんな形体か、ほかの何の調の何の和音と同じ響きかがわかれば十分と思います。

(2)
解決の遅れる倚音という考え方でよいですが、4小節目をA-durと長調でとるなら、3小節目も同じ形ですのでB-mollではなくB-durと統一した方がよいです。それから、3小節目の4拍目は、バスがAs音で書かれているので間違いやすいですが、この拍からA-durへ転調し、準固有のV9の根音省略形(Gis-H-D-F)となります。

質問2
原理としてはここはずっとVで、倚音、刺繍音、経過音が組み合わさって、色彩的な偶成和音が挟み込まれる仕組みになっています。Des音は基本的にC音への倚音です。しかし、特に1拍目と3拍目では、倚音であると同時に、その瞬間の偶成和音の響きとともに聞かれると、和声音の印象が強くなります。バスは、単にF音とその周りをめぐっている刺繍音群です。

(Es)→F→(Ges)→F

右手の内声は、上の動きに反行する対旋律で、やはりF音の周りをめぐっています。

(Ges)→F→(E)→F

これに加えて、もう1声、

A→A→(As)→A

という、3拍目だけに刺繍音を持つ声部があります。つまりここは、4声の対位法的な声部の動きによって変幻する和声ということです。E♭dimやG♭9(7ではなく)の響きを聞きとること自体はむしろ大事だと思いますが、和声記号での分析は、あまり普通でない方法を考え出さなければいけなくなるので、Vの和音が偶成的に変化しているという捉え方だけで充分と思います。
この回答への補足あり
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