幼稚園時代「何組」でしたか?

杜甫「春望」3,4句の
感時花濺涙 恨別鳥驚心
を読む際、私たち日本人はほぼ必ず
花に「も」、鳥に「も」と「も」を入れます。原文には「も」は明示されていませんが、日本語で詠む、書く場合に、「も」が是非欲しいのは良く解ります。いつの時代かは知りませんが、「も」を明示してくれた日本の先人には、有難く思います。
英訳ではどうなっているのだろう?と思ってネット検索で調べたところ4訳中4訳とも「も」は有りませんでした。

 ここで皆様に質問です。中国語圏や英語圏の人が「春望」を読む際、明示されていない「も」に気が付くのは、結構な努力を要すると私は想像しますが、皆様は如何思われますか?

 尚、「春望」3,4句の主語が作者であるか、花鳥であるかの解釈は両説有であり、今回の私の質問とは別課題(ここの質問では扱わない)と言う位置づけでお願いします。

A 回答 (5件)

読み下し文から「は」と「も」を除く。


時に感じて花に涙を濺ぎ
別れを恨んで鳥に心を驚かす

花に涙を濺ぐ
鳥に心を驚かす
の行為が通常では無いですよね。

ここに「さへも」と付け加えると
時に感じて花にさへも涙を濺ぎ
別れを恨んで鳥にさへも心を驚かす
となると強調されます。
「も」を付け加えたかった理由は、この辺ではないか?と思っております。

李白杜甫が、日本で受け入れられたのは、室町時代。隆盛したのは、江戸時代。
李白杜甫の唐代は、奈良時代。当時は全く評価されていないと不思議に思っています。
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この回答へのお礼

Hanatsukikaze様
「さえも」に至る解説を有難うございました。回答をいただく対象を絞らないと私が理解できなくなる、と想像したので「も」に絞らせて頂き、皆様の回答は理解できたと思います。有難うございました。

お礼日時:2016/10/17 19:35

訂正です。

風邪薬でちょっとぼんやりしているようです。

シンメトリックな構成上、対比的なのは明らかであるため、花に「も」鳥に「も」を言語化するのは、くどいことであると感じられます。
            ↓
中国語や英語では、シンメトリックな構成上、対比的なのは明らかであるため、花に「も」鳥に「も」を言語化するのは、くどいことであると感じられます。


「時に感じては花にも涙を濺ぎ、別れを恨んでは鳥にも心を驚かす」
とする日本語は、「も」を挟むことによって、
            ↓
「時に感じては花にも涙を濺ぎ、別れを恨んでは鳥にも心を驚かす」
とする日本語は、線形の構成力の脆弱さとひきかえに、助詞が土壇場で意味を添えますから、「も」を挟むことによって、
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この回答へのお礼

Amaguappa様
>中国語や英語で読みますと、叙事的で構成美に耽溺したロジックを強烈に感じます。日本語の書き下しは、曖昧で叙情的な印象を受けます

回答、有難うございます。中国語(原文)や英語と、日本語の書き下し文とでは、印象が違う件は、今回私が皆様に回答を求めた主な理由です。
回答をいただく対象を絞らないと私が理解できなくなる、と想像したので「も」に絞らせて頂き、皆様の回答は理解できたと思います。有難うございました。

お礼日時:2016/10/17 19:34

質問者様と違って、わたしは「も」をさほど有難く感じておりませんので、回答するに値しないとお思いになるかもしれません。


中国語や英語で読みますと、叙事的で構成美に耽溺したロジックを強烈に感じます。日本語の書き下しは、曖昧で叙情的な印象を受けますので、その柔らかさが味わいとなるのでしょうね。
言うまでもないことではありますが、シンプルで力強く対称的な構成はこのように描かれているでしょう。

1行目 人間の作った大きなもの、補語、
      自然の作った大きなもの、補語

2行目 地に人間の作ったもの、補語、
      地に自然が作ったもの、補語

3行目 移り変わり繰り返す抽象的なもの、自動詞(静的)
      移り変わり繰り返す具体的な対象、
      自動詞(動的)、私のままならずに流れるもの

4行目 離れる抽象的なもの、自動詞(静的)、
      離れる具体的な対象、
      自動詞(動的)、私のままならずに動くもの

このとき、花や鳥という具体的な対象は、抽象的なものから筆者たる私に関する動態へと次元を繋ぐ〈要〉になると思います。
詩の骨格を考えますと、巡り巡る時であったり恨めしい別れであったりする、抽象的ながら人心を押し潰す強大な力が、愛くるしい花や他愛ない鳥に、あたかも反映するようです。シンメトリックな構成上、対比的なのは明らかであるため、花に「も」鳥に「も」を言語化するのは、くどいことであると感じられます。
「時に感じては花にも涙を濺ぎ、別れを恨んでは鳥にも心を驚かす」
とする日本語は、「も」を挟むことによって、時≒花、別れ≒鳥の図式が見えますが、仮に「も」を挟まなければ、この具体物のほうが強く私の動態に結び付き、結部のように主題めいた重さを表してしまうと思います。
「別れを恨んでは鳥にも心を驚かす」の回答画像3
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この回答へのお礼

Amaguappa様
>中国語や英語で読みますと、叙事的で構成美に耽溺したロジックを強烈に感じます。日本語の書き下しは、曖昧で叙情的な印象を受けます

回答、有難うございます。中国語(原文)や英語と、日本語の書き下し文とでは、印象が違う件は、今回私が皆様に回答を求めた主な理由です。
回答をいただく対象を絞らないと私が理解できなくなる、と想像したので「も」に絞らせて頂き、皆様の回答は理解できたと思います。有難うございました。

お礼日時:2016/10/17 19:34

この「も」は



ーーーーーーーーーーーーーーーーー
同類のものが他にあることを前提として包括的に主題を提示する。従って多くの場合、類例が暗示されたり、同類暗示のもとに一例が提示されたりする。
(日本国語大辞典)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー


というよりは、

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
主題を詠嘆的に提示する。
*古事記〔712〕上・歌謡「沖つ鳥 胸見る時 羽叩ぎ母(モ) これはふさはず」
*源氏物語〔1001〜14頃〕桐壺「草むらの虫の声々もよほし顔なるも、いとたち離れにくき草のもとなり」
*神神の微笑〔1921〕〈芥川龍之介〉「その夜も三更に近づいた頃」
(日本国語大辞典)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

あるいは

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
他に対する対比をはっきり示さない形で題目をあげるのに用いる。主として肯定的評価が与えられる文脈に用いられ、事のなりゆきを順当とする表現者の感情などがこめられる。◆二三日来吹いていた風も落ちて、星のきれいな大月籠(オオツゴモ)りの夜であった〔井上靖・闘牛〕
◆私が、その峠の茶屋へ来て二、三日経って、井伏氏の仕事も一段落ついて、或る晴れた午後、私たちは三ツ峠へのぼった〔太宰治・富嶽百景〕
(学研国語大辞典)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー

あるいはまた

ーーーーーーーーーーーーーーーーー
さりげなくとりたて、文意をやわらげる。
「おなかもすいたし、食事にするか」
「天気もいいから、散歩でもしよう」
「一晩休めば、疲れもとれる」
「試合も始まってみると何てことはないさ」
(明鏡国語辞典)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー


のように、主題の取り立て、主題の強調であろうと思います。
つまり、花や鳥以外に何か別の対象の存在を暗示しているわけではないと、考えるべきでしょう。

だから、中国語や英語には出てこないのです。
そういう「主題の取り立て」を表す語がないから。
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この回答へのお礼

Syntactic_Structures様
回答有難うございます。例文や出典を示してくれた解説は、とても勉強になります。

今回の「も」は
>対比をはっきり示さない形で題目をあげる
>さりげなくとりたて、文意をやわらげる

なる役割を担っている旨、賛成です。しかしながら
>花や鳥以外に何か別の対象の存在を暗示している

ことを、私は否定できません。恨めしい時代背景や別れをもたらした任官などを生々しく詩中に書くことは野暮で、1,2句(起)の山河草木を受けて暗示的な対象の存在を秘めながら3,4句(承)の花鳥を詠っている、と理解している次第です。この理解には「も」の存在が大きく影響していますが、原文や英訳に「も」がないので動揺しています。

 いずれにせよSyntactic_Structures様の丁寧な回答は、感謝しております。有難うございました。

お礼日時:2016/10/13 21:39

>結構な努力を要すると私は想像しますが、皆様は如何思われますか?


目から鱗のご質問で、私もはじめて「も」の凄さに思い至りました。普段なにげに「も」を入れるのが当然という感覚でおりましたので。

一方、杜甫はそれを喜んで受け入れるのだろうか、とも逆に、考えさせられました。
悲しみの向かう先を花と鳥に絞っているのに、それを拡散させてどうする?と叱るかな。

両方口ずさんでみて比較してみますと、それぞれに持ち味があり興が尽きません。

回答にはなりません、感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。
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この回答へのお礼

daaa-様
回答有難うございます。No.2  Syntactic_Structures様への「質問した人からのコメント」で、もう1歩書いてみました。

お礼日時:2016/10/13 21:39

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