アプリ版:「スタンプのみでお礼する」機能のリリースについて

お世話になります。
「足が滑った」と「足を滑らせた」の違いを説明していただけますか。

A 回答 (4件)

両者の違いは助動詞「せる」の有無です。

すなわち「滑る」と「滑らせる」の違いは何か、というのが問いとなります。

助動詞「せる」の機能は《使役》です。何かに何かを「やらせる」ことですが、積極的な用法と消極的なのと二通りあります。

積極的用法は例えば「夫に荷物を運ば〈せる〉」のように、主語すなわち妻の意志に夫を従わしめる場合です。これはわかりやすい。

消極的なのはちょっと込み入ってます。例えば「あのひとには好きなように言わ〈せ〉ておくわ」のごとく、主体の反対意志を発動させないことによって物事の実現を許す場合です。「黙らなければ刺すわよ」などと脅しをかければ黙らせられるとしても、そういうことはあえてやらない、やらないから「あのひと」は言いたいことを言い続けられる、ということです。これを《使役》と呼ぶのは抵抗があるかもしれませんが、いちおう筋は通っていると思います。

「足を滑らせた」はこの消極的な用例です。足が滑らないように注意しているべきなのに、それを怠ったことによって足が滑るという望ましからざる事態を許してしまった、ということです。足を滑らせたのはあくまで足の持ち主です。それ以外の何か、例えばバナナの皮、なんて考えてはいけません。「バナナの皮が鈴木さんの足を滑らせた」と言えないわけではありませんが、まるで英語の翻訳みたいでやっぱり駄目です。日本語なら「鈴木さんはうっかりバナナの皮を踏んで足を滑らせた」とかなんとか、そんなふうに作らなくてはなりません。

で、事態は同じでも言葉としてどんなニュアンスの相違が生じるかですが、こんな文を作ってみると見えてくるように思います。

《鈴木さんは富士登山の途中、足を滑らせて三十メートルあまり落下して即死しました》

こういう文脈だと「足が滑って」を使うのは躊躇われます。登山は危険を承知の行為ですから、「足を滑らせた」のほうが不当に注意散漫な感じ、責任は鈴木さんにあるという感じが出るので相応しいのでしょう。まあ当たり前ですよね、上記の説明が正しいとすれば。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。
大変勉強になりました。
同じように自動詞の「滑った」も二面性がありますか。
片足で滑った(積極的に?)
受験に滑った(消極的に?)

お礼日時:2006/07/16 11:36

●滑った


「滑る」に「た」がついてもの。
「た」は過去とか完了といった意味をもつ助動詞です。
この動作をしている人や物じたいがすべっています。このばあい、足そのものが自分ですべっています。
自動詞といいます。

他の例: 王女はドレスを選んだ

●滑らせた
「滑る」に「せ」「た」がついたもの。
「せ」は使役(人などを使って仕事をさせる)の意味を持つ助動詞です。「た」は過去や完了。
このばあい、足は、他のものによってすべらされています。

この形は、「~が(は)~を~せた」や
     「~が(は)~を~に~せた」になります。

他の例: 王女はドレスを家来に選ばせた
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。

「王女はドレスを家来に選ばせた」は使役+たで説明つきますが、「足を滑らせて転落した」は使役というより、「うっかり」のニュアンスがあるので、ちょっと違うような気がします。

お礼日時:2006/07/16 11:31

自分の意志が働いているかどうかの違いだと思います。

    • good
    • 0
この回答へのお礼

ありがとうございます。
「自動詞」、「他動詞」で解釈すれば、確かにそうなりますが、「足を滑らして転落した」の「滑らす」は、自分の意思が働いているとは解釈しにくいでしょう。

お礼日時:2006/07/16 11:27

 主語が違います。



 「足が滑った」では、「足」が主語ですが、「足を滑らせた」では、足以外の何者かが主語です。たとえば、「(私は)足を滑らせた」など。

 使い分けのニュアンスとしては、話し手に「足が勝手に滑った」という意識が強いときに「足が滑った」という表現が出やすいと思います。ただ、(文法的に正しいかどうかだけでなく)より論理的なのは「(私は)足を滑らせた」でしょうね。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

ご回答をありがとうございます。
・足を滑らせながら走る。
 →わざと
・足を滑らせ転落した。
 →うっかりと
「滑らす」のニュアンスは後ろの動詞によって決まりますね。

お礼日時:2006/07/16 11:20

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!