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フレキシブルデバイスについて

現在流行りのフレキシブルデバイスについて質問させていただきます。
有機EL等の曲がるディスプレイや照明に関する技術開発が盛んに行われていますが、これらフレキシブルデバイスの発端、言い換えると、どのような社会的ニーズ、背景があるのかご存知でしょうか?

既存のデバイスがフレキシブルデバイスに置き換わることで、
軽量化、壊れにくい等のメリットがあるのは分かるのですが
もっとマクロな視点で見た際に、
「環境問題が~」、や「少子化で労働力が下がるから生産性向上が必要」など
流行する根本的な背景があるのでは?と
非常に気になってしまいます。

とりとめのない内容で申し訳ありませんが
何かご意見等ございましたら、
ご教示いただければ幸いです。

ご回答の程、よろしくお願いいたします。

A 回答 (1件)

フレキシブルデバイスと一言でいっても、色んな種類があって、それぞれに用途は違うとは思いますが...。



例えば、フレキシブルディスプレイ(+フレキシブル半導体回路)の場合ですと、クルクル巻いて折りたためるスマートホンとか、曲面ディスプレイ(これはもう開発されてますね)のような、「ちょっとユニークな」応用ができそうです。衣服の一部がモニターになるとか。
照明に使う場合も同じように、曲面で発光できるので、例えば、車の車内照明でムラなく均一に照らすような、やっぱりユニークでちょっと便利な使い方ができます。

他にもフレキシブルデバイスの出番はあって、例えば、体に直接貼り付けても違和感を感じない薄くて軽い生体センサー/ヘルスモニターとか、色んな形状の商品に貼り付けられるRFIDタグとか、屋根への据え置き型ではなく、ブラインドの代わりに窓に取り付けられる薄い太陽電池とか、大気中に捨てられてしまう未利用の廃熱を色んな場所から回収・発電できる熱電発電素子とか、「薄くて軽くて曲げられる」デバイスの出番は、結構あると思います。

ただ、上記のような技術は、現状ではまだまだ私達の生活をちょっと便利にしたり、ちょっとユニークな使い方ができたり、少々の省エネにつながったり、といった、どちらかといえば「ニッチな」応用を目指しているものが多いです。
質問者様のおっしゃる、「環境問題や生産性を劇的に改善する」、あるいは「シリコンなどの現行産業の基盤技術との置き換え」みたいな、重厚長大な応用が期待されているわけではないと思います(だからと言って儲からないと言っているわけではないので、悪しからず)。

その最も大きな理由は、これらのデバイスの性能がまだまだ低いという点に集約されます。
特に、有機分子を使ったフレキシブルデバイスは、シリコンをはじめとする現在の「硬い」材料を用いた製品の性能に全然及ばず、素子の寿命も短い。有機ELは、その中でも一番うまく応用が進んでいる分野の一つですが、それでもまだまだ身近に「フレキシブル」な機能が実感できるわけでもない...ラボレベルではともかく、製品としては、ただ「有機分子が光っている」だけの「硬い」ディスプレイにとどまっているのが現状です。

ただ、こうした研究はまだまだ途上段階にあり、今後、より革新的な材料開発がなされたりすれば、一気に応用が花開く可能性も、無きにしも非ず、です。

ところで、質問者様は「社会的ニーズ」にこだわっていらっしゃいますが、特に勃興期の技術は、最初から大きなニーズを当て込んでいるわけではないと思います。むしろ、ニーズも含めて手探りで開発を進め、出来た製品がヒットすれば、それを「後付け」で「ニーズがあった」とするのが普通です。ニーズは後から作り出す、というわけですね。フレキシブルデバイスも、別に最初からニーズがあったわけではないと思います。大学とか研究所レベルで誰かが思いつき、会社の誰かが「ふ~ん、そんなものか。面白そうだし、ウチでも作って売ってみようかな?」くらいのものだと思います。

もちろん、これには例外も多数あって、例えば、いくつかの産業技術の中からモノになりそうなものを選定し、国家プロジェクトとして一気に資本投下、規制変更等して技術優位を確保する、などがそれに当たります。アメリカのIT産業などは、そのようにして一気に成長しました。

フレキシブルデバイスも、そのような形で本気で進めれば、どこかで「今の技術レベルでは想像すらできなかった巨大でインパクトのあるニーズを作り出せる」かもしれませんね。もちろん、そういう芽はフレキシブルデバイス以外にも我が国には沢山ありますが。(政府にはそれを育てる気はあまりなさそうですけどね...。)
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この回答へのお礼

非常にご丁寧な回答をしていただき、
誠にありがとうございます。
おっしゃる通りで、全てが
ニーズ先行で語れるものではないですね。
自身で納得致しました。

私も一応技術者なので、
インパクトのあるニーズ作りに貢献できればと思います!

ご回答いただきありがとうございました!

お礼日時:2018/03/20 21:01

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