
集合論の初心者です。疑問点があるので教えていただきたいです。
先日、順序集合について学習しました。
反射律、推移律、反対称律、全順序律(完全律)について、そして前順序、半順序、全順序についても一応理解はしました。
しかし、腑に落ちない点があります。
順序集合について考えるとき、反射律はなぜ必要なのでしょうか?
仮に反射律を満たさなくても、順序集合として成り立つように思えてしまいます。
たとえば、自然数の部分集合Nがあるとします。
N = {1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16}
二項関係を整序関係としたとき、このNは半順序集合になるかと思うのですが、この場合には反射律の役割ってあるのでしょうか?
反射律の存在意義を無理やり考えてみると、同一の要素が集合内に複数存在する場合に有効になるのかなと思いました。
つまり、下記のような場合。
N = {1,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16}
どなたか正しい回答&解説をご教示願います。
No.6ベストアンサー
- 回答日時:
> 同一の要素が集合内に複数存在する場合
集合論の公理(外延の公理)は集合A, BがA=Bであるということを
∀x((x∈A ⇒ x∈B) ∧ (x∈B ⇒ x∈A))
で定めています。ですから
{1,1,1} = {1}
であり、「同一の要素が集合内に複数存在」というのは意味をなさないんです。
> 順序集合について学習
ある集合Xがそれ自身で順序集合だったりそうでなかったり、というんじゃなくて、関係Rが半順序だの全順序だのになっていることがある、ってことですから、「XはRを順序とする順序集合だ」という表現なら意味を持つ。(特に、Rを順序とする順序集合Xについてだけ云々する場合には、RをX上に限定したもの R' = R ∩ (X×X)を順序とする順序集合Xを考えれば足りるわけです。が、それはさておき)ともかく(「ナニを順序とするか」を指定せずに言う)「順序集合」という表現は意味を持たない。
では、ご質問の趣旨はどういうことか。まずは「推移律と反対称律を満たすX上の関係」R*をお考えである、ってことでしょう。で、「…として成り立つ」と仰る意味は何か、ってことですが:もしかして、「離散的」な集合Xをnodeとする有向グラフ(X,ρ)をお考えなのではなかろうか。すなわち、Xの要素をnode(vertex)とし、node xからnode yへarc(edge) xρyで繋がっている有向グラフの上を、arc ρを辿って「隣から隣へと移動」する。そうやって「arc ρを辿ってxからzへ行ける(pathがある)」ということをxR*zと考える。(ρ自身もX上の関係であって、「ρの積の集合」によって関係R*が定義されているわけですね。)すると、推移律とは「arc ρを辿って行ける所へは、結局行ける」ってことで、グラフをイメージすると至極当たり前っぽい。また、反対称律とは閉路がないこと、すなわち「xからy(≠x)へ行ってまたxへ戻ってくるラウンドトリップは出来ない」ってことです。片道切符だという条件が付いたことで、なんか"序列"っぽくなった。そういうグラフを指して漠然と「順序集合」と呼んでいらっしゃるんではなかろうか。
すると反射律とは「どのnode xについてもxρxである」、すなわち「移動」とは言いながら「どのnode xにおいてもその場に留まっていられる」ということであり、だから「反射律なんかいらん」というのは「必ずしもその場で休憩できなくてもいいじゃん」と仰っていることになる。さらに「反反射律 ∀x (¬(xR'x)) 」を入れれば、グラフからあらゆるループが一掃されてスッキリ。
仮にそういうご趣旨だとしますと、しかし、絵にも描けない(隣を定義しようがない)「稠密な集合」の「稠密さ」を扱う時にも順序の概念を使うということを考えた時に、「グラフのイメージ」だけで分かったことにするのは如何なもんかな、と思います。
No.9
- 回答日時:
No.6へのコメントについて。
> 具体的なイメージ補足付きで、わかりやすかった
No.6は「もしグラフで考えていると」という前提ですが、そういう理解をなさっているわけではないことが分かりました。なのでNo.6はハズレだったようです。
> 反射律を無視していると、順序の概念を用いて稠密さを考えるときに弊害が生じる
「反射律を無視」した「順序の概念」なんてのは意味をなしません。肝要なのは、用語には定義があるということ。反射律を満たさない関係を考えるのは勝手だけれども、それを「順序」と呼んじゃダメだという、単にそれだけのことです。逆に言えば、「順序だ」と書いてあるものを勝手に「反射律は満たさない」と解釈するとツジツマが合わなくなる。当たり前のことです。
さて、反射律は満たさないが反対称律と推移律を満たす関係Rを使うことに弊害があるかどうか。関係Rに於いて、反対称律とは単に ¬(aRb ∧ bRa) という意味であり何の矛盾もないし、もし反射律を使いたい場面があれば(aRb ∨ a=b)と書けば済む。(なぜならそれを「順序」と呼ぶわけですから。)なので不都合はないでしょう。
No.8
- 回答日時:
反射律がある場合は「≦」
反射律がない場合は「<」
です
-------------------------
反射律:a(R)a
は
反対称律:(a(R)b)&(b(R)a)→a=b
の
逆
a=b→(a(R)b)&(b(R)a)
と同値です
反射律:a(R)a
を仮定し
a=b
とすると
a(R)aの右辺にa=bを代入すると
a(R)b
a(R)aの左辺にa=bを代入すると
b(R)a
だから
(a(R)b)&(b(R)a)
が成り立つから
反対称律の逆
a=b→(a(R)b)&(b(R)a)
が成り立つ
反対称律の逆
a=b→(a(R)b)&(b(R)a)
を仮定すると
a=a
だから
(a(R)a)&(a(R)a)
=
a(R)a
反射律
が
成り立つ
反射律:a(R)a
は
反対称律:(a(R)b)&(b(R)a)→a=b
の
逆
a=b→(a(R)b)&(b(R)a)
と同値
だから
集合Sと2項関係(R)と
任意のa,b,c∈Rに対して
推移律:a(R)b(R)c→a(R)c
反対称&反射律:(a(R)b)&(b(R)a)←→a=b
が成り立つ時
(S,R)を半順序集合といい
(R)を半順序といい
(R)を(≦)という記号で表す
と
できる
No.7
- 回答日時:
集合Sと2項関係(R)と
任意のa,b,c∈Rに対して
反射律:a(R)a
推移律:a(R)b(R)c→a(R)c
反対称律:(a(R)b)&(b(R)a)→a=b
が成り立つ時
(S,R)を半順序集合といい
(R)を半順序といい
(R)を(≦)という記号で表す
反射律:a(R)a
が成り立つからこそ
(R)を(≦)という記号で表すことができるのです
反射律の条件が不要とした場合には
(R)を(≦)という記号で表してはいけません
a≦a は
(a=a)または(a<a)のどちらかが成り立つ
という意味なのだから
(a=a)は必ず成り立つのだから
必ず
反射律:a≦a
が成り立つのです
No.5
- 回答日時:
等号付きの大小関係 ≦ だと 反射律が成り立つのです
だからといって
反射律を外したものを半順序集合としてしまうと
集合Nと2項関係(<)の,組(N,<)に対しても
推移律:a<b<c→a<c
反対称律:(a<b)&(b<a)→a=b
が成り立つ
から
(N,<) も半順序集合と認めることになってしまうのです
反対称律を利用できないような
(N,<)
を半順序集合と認めるわけにはいかないので
(N,<)
を半順序集合とならないように
反射律が必要なのです
No.4
- 回答日時:
違います
反対称律が成立するためには反射律が必要とはいっていません
反対称律が成立していても
「<」の場合は
反射律が成立していないから
反対称律を利用できないから
反射律が必要といっているのです
集合Nと2項関係(<)の組(N,<)に対して
推移律:a<b<c→a<c
反対称律:(a<b)&(b<a)→a=b
は成立しているのです
(a<b)&(b<a)→a=b
の意味は
(a<b)かつ(b<a)が成り立つ時に限りa=bが成り立つ
という意味だから
(a<b)かつ(b<a)が成り立たなければa=b,a≠bのどちらでもよい
という意味になるので
(a<b)かつ(b<a)は常に成り立たないので
常に
反対称律:(a<b)&(b<a)→a=b
は成立しているのです
だけれども
(a<b)&(b<a)が成り立つ場合に a=b が成り立つ事を証明するのに
(a<b)かつ(b<a)は常に成り立たないので
反対称律を利用できないのです
(N,<)
は
反対称律は満たすが反射律は満たさない集合なのです
反対称律は成立していても単独では機能しないのです
反対称律と反射律の両方が成立する事によって
反対称律が機能するのです
No.3
- 回答日時:
集合Nと2項関係(≦)の組(N,≦)に対して
反射律:a≦a
推移律:a≦b≦c→a≦c
反対称律:(a≦b)&(b≦a)→a=b
が成り立つけれども
集合Nと2項関係(<)の組(N,<)に対して
推移律:a<b<c→a<c
反対称律:(a<b)&(b<a)→a=b
が成り立つけれども
a<aは偽だから
(N,<)は反射律を満たさない
半順序集合の定義から反射律を除くと
(N,<)
も半順序集合と認めることになるけれども
反対称律
(a<b)&(b<a)→a=b
の
仮定(a<b)&(b<a)が偽なので
反対称律を利用できないから
反対称律を利用するためには
反射律が必要
反対称律を利用できないような
(N,<)
を半順序集合と認めるわけにはいかないので
(N,<)
を半順序集合にならないように
反射律が必要
No.2
- 回答日時:
a<aは偽だから
「<」は反射律を満たさない
反対称律
(a<b)&(b<a)→a=b
の
仮定(a<b)&(b<a)が偽なので
反対称律を利用できないから
反対称律を利用するためには
反射律が必要
No.1
- 回答日時:
例えば自然な大小関係としての < を考えればわかるように, 反射性は「なにがなんでも必要な要件」ではない.
とはいえ, 要素によって反射的だったりそうでなかったりするのはややこしそうなので「どの要素に対しても反射的」「どの要素に対しても非反射的」のどちらかの条件を付けることはさほど不自然ではないし, 実はどちらでも「同じもの」が誘導できる. なのでどちらでもいいんだけど一般的には反射性も要求する.
あと「普通」の集合では同じ要素を何回取り出してもいいことになっているので「同一の要素が集合内に複数存在する」というのは無意味な条件だよ.
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回答ありがとうございます。
「なにがなんでも必要な要件」ではないのに、定義に含めるなんて数学らしくないと感じてしまいました。
反射律・推移律・反対称律を満たす順序集合N(これは半順序集合)と、推移律・反対称律を満たす順序集合N' では、反射律の有無以外に、順序集合としてなにか異なる性質というのはあるのでしょうか。
ないのであれば、なぜ半順序集合の定義に反射律を含めているのか、やはり納得がいきません。
回答ありがとうございます。
mtrajcpさんの回答によれば、反対称律が成立するためには反射律が必要ということですね。
(つまり、(a<b)&(b<a)→a=b の必要条件に a<a がある)
そうすると、反対称律は満たすが反射律は満たさない順序集合など存在しないということでしょうか?
詳細な補足的回答もいただき、ありがとうございます。
反対称律の「(a<b)かつ(b<a)が成り立つ時」のために必要ということですね。
もう少しスッキリさせたいので、半順序集合の例で、仮に反射律の条件が不要とした場合に、どうなるかを教えていただけますでしょうか。
例えば、等号付きの大小関係 ≦ だと、どうなりますか?
このとき、反射律が成り立つかどうか不明瞭のままだと、どんな不都合が生じますか?
回答ありがとうございます。
具体的なイメージ補足付きで、わかりやすかったです。
最後の一文
"「稠密な集合」の「稠密さ」を扱う時にも順序の概念を使うということを考えた時に・・・"
これはつまり、反射律を無視していると、順序の概念を用いて稠密さを考えるときに弊害が生じるということでしょうか。
補足説明をありがとうございました。
私としては、等号付きの大小関係≦に関することよりも、そもそも半順序を定義する際に、反射律のあるなしで何が違うのかがピンときていないというのが、質問の発端でした。