A 回答 (4件)
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No.5
- 回答日時:
1個のナトリウム原子と1個のナトリウムイオンとを他の原子との相互作用が全くない状態で安定性を比べた時はNo.2で回答したようにナトリウム原子の方が安定です。
https://kou.benesse.co.jp/nigate/science/a13q03b …
ナトリウムのイオン化エネルギーは495.8k J/molですから、
ナトリウム原子から電子を1つ剥ぎ取るためには、それだけのエネルギーを与えなければならないため、その分イオンの方が不安定(エネルギーの高い)状態になります。
金属ナトリウムは水や塩素と激しく反応して、塩化ナトリウムや水酸化ナトリウムを生成するので、イオンの方が安定だと誤解される人がいるのだと思います。
ところで、塩素の電子親和力は、349kJ/molで、電子を受け取ったイオンの状態の方が安定です。
両者が反応して塩化ナトリウムが生成した場合、両者の間でエネルギー授受があったとすると電子親和力よりもイオン化エネルギーの方が大きいので、この値から塩化ナトリウムへの反応を説明することができません。
なぜ、激しく反応するのか?
それは、反応後に生成するイオン結合による安定化が原因だと思います。
(イオン結合を生成することにより安定化する。)
No.2でも説明しましたが、水中では水和しています。
では、閉殻の説明に意味がないのか?
例えば炭素を水の中に入れてもイオン化してイオン結合を作り安定化することはありません。
なぜ、ナトリウムが水や塩素と反応して、イオン結合を形成してイオンとして安定するのかを説明するために閉殻の考え方が有用なのです。
他の原子との相互作用(イオン結合などの生成)がない状態では、原子の方が安定であることは、イオン化エネルギーから明らかであることを再度強調しておきます。
No.4
- 回答日時:
まだちゃんとは説明されてないようなので最初の回答で少しだけ触れていた「閉殻」と言う考え方について説明します。
まず原子は軌道ごとに電子が存在できる「座席の数」が決まっています。そして一番外側の軌道の「座席」が満席になるか、あるいは価電子を放り出して空席になった時に原子は安定するようになります。この外側の軌道が満席になった状態を「閉殻」と言います。
原子の一番内側の軌道の「座席の数」は2個で、その一つ外側の軌道の「座席の数」は8個です。なので一番内側の軌道は原子番号が2のヘリウムで満席になり、その一つ外側の軌道は原子番号10のネオンで満席になります。そしてナトリウム原子ではその外側の軌道に1個の価電子が存在しているわけですが、この軌道を満席にするよりも価電子を放り出す方が原子としては楽なので、ナトリウム原子は「スキあらば価電子を放り出そうとしている」と言う事になります。つまりナトリウム原子よりもナトリウムイオンの方が安定していると言う事になります。
PS:「座席の数は理論的にいくらになるか」と言う事については恐らく量子力学を用いた原子論の話になるでしょうが、その辺りの詳しい知識は持ち合わせていないので上記のような定性的な説明しかできませんが。
No.3
- 回答日時:
Naの原子状態は例えば石油中に保存されていたりします。
(真空中でもよいが、そもそもそのような状態で手に入らないし、そのような必要もない)
この状態では石油以外の物質と接しないので原子状態が保てます。
しかしながら、これは原子状態が保てているだけで、イオンより安定という話ではありません。イオンになるためには確かにエネルギーが必要ですが、Na+からNa原子になるのに必要なエネルギーよりははるかに小さいので安定性から言えばNa+のほうがはるかに安定です。
石油中にあったNa原子を空気中に置くと直ちに酸化が始まりNa+が生成します。空気中でのNa→Na+に必要なエネルギーは極めて小さく、自動的に反応が起こります。
空気中でNa+→Na原子の反応は自動的には起こりません。
どちらが安定化は明らかです。
No.2
- 回答日時:
ナトリウム原子の安定性は、ナトリウム原子がどのような状況に置かれているのかによりますね。
ナトリウム原子がそのまま集まっている状況では、金属ナトリウムとして存在しますから、単体ではイオンというよりも金属の方が安定だと思います。
また、真空中で原子1つだけ孤立した状態にするとイオンではなくナトリウム原子という状態になりますから、他のイオンや原子との相互作用がない状態では原子の方が安定です。
近くに水や塩素のように電子を受け取ってくれる相手がいると、ご存知のようにイオンになります。
(真空状態でナトリウムが原子状態にある時に、それから電子を剥ぎ取り電子を吹っ飛ばすためにはエネルギーが必要ですから、本来はそれだけイオンの方が不安定だということになります。ただし、他の原子が電子を受け取り、その時の電子親和力の方がより大きければ、全体としてはイオンになった方が安定すると思われます。)
水溶液中では、ナトリウムイオンの周りを水分子が覆っています。
水分子は全体としては中性ですが、分子内で分極しており(永久双極子)
ややマイナスとなっている水分子中の酸素原子がナトリウムイオンを取り囲んでいて、これを水和と呼んでいます。
水和によって、ナトリウムイオンは安定化されています。
他の分子やイオンとの相互作用によって、ナトリウム原子はイオンに変化しますが、この時になぜ陽イオンになるのか?また、なりやすいのか?をうまく説明する理由が閉殻の考え方だと理解すれば良いのではないでしょうか?
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