
ティボーデは読者を二種類に分類する。一つは「小説精読者」で、これは「教養」のある文芸批評家などの専門的な読者だ。もう一つは「小説の普通読者」で、「小説といえば何でも手当たり次第に読み、《趣味》という言葉の中に包含される内的、外的のいかなる要素によっても導かれていない人」だと思う。
という文章の中にある、「《趣味》という言葉の中に包含される内的、外的のいかなる要素によっても導かれていない人」という部分がどういうことか全く分かりません。
ざっくりとした質問になりますが、どなたか教えてください☺︎
A 回答 (3件)
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No.2
- 回答日時:
典型的な悪文ですね。
(a)《趣味》という言葉の中に包含される → 人
とも読めるし
(b)《趣味》という言葉の中に包含される → 内的
とも
(c)《趣味》という言葉の中に包含される → 内的、外的のいかなる要素
とも読める。
(a) の場合であれば、「包含される、」と句点を打つべきでしょうね。
(b) は内容からそう読む人とはいないと思いますが、そういう文章の書き方は誤解を生じるので、「内的・外的のいかなる~」のように「句点」ではなく「並置」を示す「・」を使うべきでしょう。
この場合には、内容からして (c) と解釈するのが妥当だと思います。
つまり、余計な言葉を省略すれば
「《趣味》によっても導かれていない人」
ただ、ここで「カッコつきの《趣味》」がどのような概念を表しているのかを理解していないと、その意図・意味は分かりませんね。わざわざ「カッコつき」にしているので、特別な概念であることが他の部分に書かれているのだと思います。
なお、この文章の「も」の意味も不明です。「~によってすら」というようなことなのでしょうが、そう表現する意図も「《趣味》」の概念を理解しないと読み取れません。
翻訳物は、特にそういった「日本語として意味や概念があいまいな文章」が多いです。
なので、質問者さんの疑問は理解できます。同情いたします。
そういうことに気づかせるための「教育的配慮」としての「国語」の文章なのでしょうか。
それにしても、なんとも「上から目線」の非常に「教養人、知識人、インテリ」ぶった文章ですね。私は、そういったもの言いそのものが嫌いです。
なので、こういった文章は「仮に意味が分かったとしても共感も納得もできない」ことが多いです。
No.1
- 回答日時:
2点ほどアドバイスします。
切れ目と文脈で読解していきましょう。第1に、引用なさった箇所は、「《趣味》という言葉の中に包含される」と「内的、外的のいかなる要素によっても導かれていない」との間で切れています。その2つが、「人」を修飾しています。間に「、」は打たれていませんが、切れ目があると理解すべきなのです。
よろしいですか、「《趣味》という言葉の中に包含される」が「内的」を修飾しているのではありませんよ。「される」と「内的」との間で切れていて、「包含される人は、導かれていない人でもある」ということです。
第2に、作者のティボーデはフランスの高名な文芸評論家ですが、日本の中高の国語に採用されるのは、ティボーデが書いたものでも研究論文のような堅苦しい文章ではなく、エッセー(随筆)のような砕けた文章だろうということです。
引用なさった箇所も、その前の部分と対比させて読めば、おのずと意味は分かってくるでしょう。つまり文脈です。予備知識はさして要らないのです。
「何でも手当たり次第に読」むのは、「導かれていない」から、道案内を受けていないからです。
「内的、外的のいかなる要素」とは、知識・教養のことです。小説を深く味わうには、人間・社会・歴史・諸学問などについての該博な知識も必要ですね。そういうのを学校や書物で勉強して(外的)、その人の内面が耕される(カルティベイト、「教養」の語源)わけです。そして、それらの外的・内的な要素が、読書の道案内役を務めることになります。「精読者」の場合は。
一方、「普通読者」はそれほど知識や教養を持ち合わせてないため、道案内が無くて、何でも手当たり次第に読みます。したがって深まらず、趣味の範疇にとどまるということです。
なお、今の時代、「普通読者」でも大学くらいは出ていて、多少の知識・教養はあるでしょう。「いかなる要素によっても導かれていない」は言い過ぎだろうと感じるかも知れません。
しかし、ティボーデは昔の人(百年くらい前)です。また、「いかなる」はanyなどの訳語であって(まあティボーデはフランス人だけど)、いかつい表現でもないだろうと思われます。
ご丁寧に教えて下さり、助かりました!
最初はどういう意味かが分かりませんでしたが、教えていただいたおかげで理解ができました。
貴重なお時間の中、教えて下さってありがとうございました。
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